2024年の日本Web3市場 – 政府政策と大企業の動向 – そして2025年の展望
2024.12.23
- レポート
執筆者
Pacific Meta編集部
はじめに
現在、日本はWeb3の舞台で新たな章を開こうとしています。暗号資産の規制において、早くから世界の先頭を走ってきたのが日本です。その取り組みは単なる法整備にとどまらず、新しい技術と社会をつなぐ橋渡しとして、国内外から注目を集めています。この流れはさらに加速しており、日本のWeb3を取り巻く環境は大きく進化を遂げつつあります。
世界がWeb3の可能性を模索する中、日本はどのような方向に進んでいるのでしょうか。どのような規制が制定され、事業者はどんな挑戦を続けているのか。そして、個人ユーザーや投資家は何を求めているのか。これらの問いに答えるため本記事では、「社会・政治」「事業者」「個人ユーザー」の3つの視点から、『2024年の日本におけるWeb3の最新動向』を紐解いていきます。
本記事は中華圏の大手Web3メディア「TechFlow 深潮」様にも掲載いただきました。
Pacific Metaは、グローバルWeb3アクセラレーターとして、今後も海外のWeb3事業者との関係を強化していきます。 グローバル展開をお考えの方の事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
目次
1. 社会・政治の動向
本セクションの項目
- 1-1. 石破茂新政権の誕生
- 1-2. 規制と税制の変化
- 1-3. 新たな法制度によるビジネス機会の拡大
- 1-4. 自治体におけるWeb3活用:東京都と大阪府の取り組み
1-1. 石破茂新政権の誕生
2024年9月、自民党総裁選挙の結果、石破茂氏が新総裁に選ばれました。日本の制度では原則的に政権与党のトップが総理大臣になります。そのため、現在の与党である自民党総裁の石破氏が新しい日本のリーダーとして政権を担うことになりました。これまでも岸田政権のもと、日本のWeb3推進を主導してきた流れが、石破政権のもとでも加速することが期待されています。
特に注目されるのは、自民党web3プロジェクトチーム(web3PT)の座長として活躍してきた平将明議員の存在です。平議員は岸田政権下でWeb3分野の推進役を務めてきた中心人物であり、新政権ではデジタル庁の大臣に就任しました。この重要な役職への就任は、彼の発信力と政策決定への影響力をさらに高めるとみられています。
日本では、Web3技術が新たな経済成長の鍵として注目を集めており、規制や法整備の進展が求められてきました。石破政権の発足により、これまで以上に政策が前に進む可能性が高まっています。特に、Web3分野の法的な明確化や、国際的な競争力を高めるための取り組みが加速する見通しです。