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週刊クリプトマーケット2026年8月24日

ビットコイン+23%で1,227万円へ、memeセクター+57.8%

対象期間: 8/17(月)〜8/23(日) / データ取得日: 2026-08-24(月) / 公開日: 2026-08-24(月)

本レポートは、特定の取引所やサービスの利用を推奨するものではありません。暗号資産市場全体を定点観測の対象とするのは、価格・出来高・資金の所在の変化を公開データの数字で横断的に観測できるためです。暗号資産市場のいまを掴むための市場観測レポートとして、読者のみなさま向けに毎週発行します。数値は公開データの当社集計に基づく情報提供であり、投資勧誘・投資助言を目的としません。

目次

  1. 市場全体スコアボード
  2. ビットコイン(BTC): 週内の値動きと出来事
  3. イーサリアム(ETH): 週内の値動きと出来事
  4. 主要銘柄と注目銘柄(時価総額上位100の急騰・急落)
  5. セクター別の動き(11セクター指数の週間騰落)
  6. 資金の所在(ステーブルコイン残高・ETFフロー)
  7. デリバティブ(未決済建玉・資金調達レート)
  8. 今週の出来事: マーケットに大きな影響を与えた出来事3選
    • 米財務省が長期債買い戻しを倍増、ビットコインは記録的な売り持ちの清算を伴い上昇
    • SECが暗号資産の包括規則案「Regulation Crypto Assets」を提案
    • ビットコイン・イーサリアムの現物ETFに週合計26.1億ドルの純流入
  9. アナリストコメント

1. 市場全体スコアボード|時価総額は1週間で16%増の2.61兆ドル

ビットコインは77,284ドルで、7日間で+23.4%でした(注2)。週初の63,000ドル前後から週後半にかけて水準を切り上げ、円建てでは約1,227万円と、前週の約997万円から1,000万円台を回復しました(注9。円建ての変化には為替の変動も含まれます)。暗号資産市場全体と周辺市場の位置を表にまとめました。

指標 今週の値 週間変化 出典
暗号資産の時価総額全体 2.61兆ドル(約414兆円、注9) +16.4%(注1) CoinGecko
24時間売買代金(全体) 892億ドル +167.7%(注1) CoinGecko
ビットコイン・ドミナンス(時価総額全体に占める比率) 59.2% +3.1pt(注1) CoinGecko
イーサリアム・ドミナンス(同) 11.3% +1.2pt(注1) CoinGecko
ビットコイン(BTC) 77,284ドル(約1,227万円、注9) +23.4%(注2) CoinGecko
イーサリアム(ETH) 2,441ドル(約38.7万円、注9) +31.3%(注2) CoinGecko
S&P500 7,674.37 -1.4% FRED
ナスダック総合 26,180.45 -2.1% FRED
Fear & Greed Index(市場心理) 66(強欲) 前週34から+32pt alternative.me

米国株はS&P500が-1.4%、ナスダック総合が-2.1%と、そろって週間で下落しました。長期金利の上昇(米30年債利回りは8/17に5.31%と前週末の5.25%から水準を切り上げました。出典: FRED、セクション8①)が株式の重石になった一方、暗号資産は時価総額全体が1週間で16.4%増加しており、前週の「株は小幅高、暗号資産は下落」から方向が完全に入れ替わりました。市場心理を0〜100で数値化するFear & Greed Indexは週初の31(恐怖)から8/20に62へ上昇して「強欲(Greed)」の区分に入り、8/21には72まで上昇しました。「強欲」の区分は5週間ぶりです(注1)。

Fear & Greed Index(直近90日)
Fear & Greed Index(直近90日)

2. ビットコイン(BTC): 週内の値動きと出来事

ビットコインは77,284ドルで、7日間で+23.4%でした(注2)。週初8/17(月)朝に週間安値の62,780ドルを付けたあと、8/19(水)までは65,000ドルを下回る水準で小動きでしたが、8/20(木)未明に数週間続いた62,000〜65,000ドル台のレンジを上抜け、同日中に72,000ドル台へ上昇しました。8/21(金)午後に75,000ドルへ到達し、8/22(土)午後に週間高値の78,525ドルを付けています(注3)。週末は77,000ドル台で引けました。

週内の値動きと出来事の対応をチャートで示します。

ビットコイン価格と今週の出来事(1時間足)
ビットコイン価格と今週の出来事(1時間足)
# 日時(日本時間) 何が起きたか
8/18(火)〜8/19(水)未明 SECが暗号資産の募集・流通を包括的に扱う規則案「Regulation Crypto Assets」を提案しました(米国時間8/18。出典: SECの発表)。前週に採決が取り消された規則案と同じ領域を扱う提案です(SECは新規の提案として公表しています。セクション8②)
8/19(水)〜8/20(木)未明 米財務省が長期債の買い戻し(バイバック)の規模を少なくとも倍増したと報じられました(米国時間8/19。出典: Fortune、8/23)。米30年債利回りは8/19に5.28%から5.19%へ低下し(出典: FRED DGS30)、ビットコインは日本時間8/20未明にレンジを上抜けて67,000ドルを超えました(注3)
8/20(木)3:00 米7月FOMC議事要旨が公表され、3名の委員が現状維持に反対して0.25%の利上げを主張していたことが分かりました(出典: FRBの議事要旨)。同じ米国時間8/19には、ホワイトハウスで大統領と暗号資産企業の経営者らが会合し、トランプ大統領が市場構造法案(CLARITY法)の可決を議会に要求したと報じられています(出典: CoinDesk、8/19)
8/20(木) 単日の売り持ちの清算(強制的な買い戻し)が約30億ドルと、CoinGlassの統計で過去最大になったと報じられました(出典: 同データを引用したtokenpost、8/20)。現物ETFへの流入は8/19分の5.2億ドルから8/20分は6.1億ドルへ拡大しました(注5)
8/21(金)14:00 75,000ドルに到達しました(当社集計、注3)。週の上昇局面を通じた売り持ちの清算は8/21(金)までに累計40億ドルを超えたと報じられています(出典: Fortune、8/23)

週前半は方向感がなく、規則案の提案(①)にも大きな反応はありませんでした。転機は②の買い戻し倍増と重なる8/20未明のレンジ上抜けで、そこから売り持ちの清算を巻き込む形で2日半で1万2,000ドル超上昇しています。タカ派寄りの議事要旨(③)が出ても上昇は途切れませんでした。需給面では、現物ETFが5営業日全てで流入し、週合計19.2億ドルの純流入でした(注5)。前週の3.9億ドルの純流出から反転しています。

ビットコイン現物ETFの日次ネットフロー
ビットコイン現物ETFの日次ネットフロー

資金調達レート(決済期限のない無期限先物で、買い持ちと売り持ちの間で定期的に受け渡す手数料。注7)は、取得時点でHyperliquid年率+18.8%、Binance+11.0%、Bybit+11.0%です。買いと売りが釣り合った状態を示す基準水準(年率約11%、注7)に対し、Hyperliquidだけが上振れて買い寄りで、他の2市場は中立です。前週は3市場とも基準水準を下回る売り寄りだったため、売り方向の傾きは1週間で解消し、Hyperliquidのみ買い寄りへ転じました。

直近30日で見ると、8月前半の62,000〜65,000ドル台のレンジから一段切り上がった位置にあります。

ビットコイン価格(直近30日)
ビットコイン価格(直近30日)

ビットコインを大量保有するDAT企業(デジタル資産トレジャリー企業。暗号資産の保有を主目的とする上場企業)の状況です。mNAV(株式時価総額が保有暗号資産の時価の何倍かを示す倍率、注10)とあわせて示します。

企業 上場市場 保有BTC 保有BTCの時価 株式時価総額 mNAV
Strategy(MSTR) 米国 840,447(8/16時点) 650億ドル 458億ドル 0.71
Metaplanet(3350) 日本 43,000(8/18時点) 33億ドル 26億ドル 0.77
Strive(ASST) 米国 20,246(8/14時点) 16億ドル 16億ドル 0.99

Strategyは8/17の開示(8-K)で、対象期間8/10〜8/16のビットコインの売買がなかったことを示しました。前週まで続いていた週次の売却が止まり、保有840,447BTCを維持しています(出典: The Block、8/17)。Metaplanetは8/18に、米国子会社を通じてSuper League社へ2,100BTC(保有の約4.9%)と現金を拠出して同社の約96%を取得すると発表しました(米国のビットコイン保有事業会社「Superplanet」を立ち上げる計画で、取引の完了前のため保有は43,000BTCのまま変わっていません)(出典: 会社発表、8/18)。Striveは8/10〜8/14に79BTCを買い増しています(出典: SECへの開示、8/17)。3社のmNAVはいずれも1倍未満のままですが、価格の上昇と株価の反応で前週(0.66〜0.83)から水準が切り上がりました(注10)。

3. イーサリアム(ETH): 週内の値動きと出来事

イーサリアムは2,441ドル(約38.7万円、注9)で、7日間で+31.3%と、ビットコインの上昇率を上回りました(注2)。時価総額全体に占める比率は11.3%と前週から1.2pt上昇しています。

イーサリアム価格(直近30日)
イーサリアム価格(直近30日)

イーサリアムの現物ETF(米国上場)は5営業日全てで流入し、週合計6.97億ドルの純流入でした(注5)。前週のほぼ横ばい(226万ドルの流出)から明確な流入へ転じ、日次では8/20分の2.21億ドルが週内最大です。ビットコインとあわせた現物ETFの週間流入は当社集計で26.1億ドルです。BTC・ETH合計の週間流入としては2026年で最大だったと報じられています(出典: CryptoSlate、8/22)。

イーサリアム現物ETFの日次ネットフロー
イーサリアム現物ETFの日次ネットフロー

資金調達レートは取得時点でHyperliquid・Binance・Bybitとも年率+11.0%で、3市場そろって基準水準どおりの中立です(注7)。価格が週30%超上昇した後でも、先物の傾きは買いに偏っていません。

イーサリアムを大量保有するDAT企業の状況です(注10)。

企業 上場市場 保有ETH 保有ETHの時価 株式時価総額 mNAV
BitMine Immersion(BMNR) 米国 5,815,164(8/16時点) 142億ドル 138億ドル 0.97
SharpLink Gaming(SBET) 米国 888,938(8/3時点) 22億ドル 17億ドル 0.79

BitMine Immersionは8/17に、保有が約581.5万ETH(当社計算で総供給量の約4.8%)に達し、暗号資産・現金等の合計が114億ドルになったと公表しました(公表額は8/17時点の価格ベースで、表の保有時価142億ドルは8/24取得の価格ベースです)(出典: 会社公表、8/17)。SharpLink Gamingは8/21に39,319ETH(約9,100万ドル相当。報道時点の価格ベース)を新たにステーキング(トークンを預けて報酬を得る仕組み)に回したと報じられています(出典: Bitcoin.com、8/21。保有量の直近の公表値は8/3時点の888,938ETHです)。

4. 主要銘柄と注目銘柄|上位100の±10%動意は55銘柄、全て上昇

時価総額上位10銘柄の状況です(注2)。円建て価格は1ドル=158.70円で換算しています(注9)。

順位 銘柄 価格(ドル) 価格(円) 時価総額 7日騰落
1 BTC $77,284 12,264,971円 15,512億ドル +23.4%
2 ETH $2,441.39 387,449円 2,946億ドル +31.3%
3 USDT $0.999875 159円 1,832億ドル
4 BNB $698.31 110,822円 930億ドル +16.9%
5 XRP $1.48 235円 928億ドル +51.1%
6 USDC $0.999914 159円 736億ドル
7 SOL $94.41 14,983円 551億ドル +28.0%
8 TRX $0.343416 55円 326億ドル +3.7%
9 FIGR_HELOC $1.00 159円 217億ドル
10 HYPE $80.50 12,775円 179億ドル +42.6%

最も動いたのはXRP(+51.1%)で、時価総額928億ドルとなり、USDCを抜いて5位に浮上しました(前週は6位)。Ripple社が発行するステーブルコインRLUSDの機関向け融資ファンドの組成が報じられるなど(出典: crypto.news、8/21)、XRP Ledger関連の材料が続いた週でした(RLUSDの残高の動きは姉妹レポートの週刊ステーブルコインが観測しています)。HYPE(+42.6%)は、トランプ大統領が8/19にHyperliquidを米国の規制下へ取り込む意向を示したと報じられたことと重なって上昇しました(出典: Bloomberg、8/19)。

注目銘柄として、時価総額上位100位以内で週間の騰落率が±10%以上となった銘柄を全て示します(注2)。今週は55銘柄が該当し、全てが上昇側でした。下落側の該当はありません。前週の該当が10銘柄(上昇6・下落4)だったことと比べると、物色が市場全体に広がった週です。

順位 銘柄 名称 7日騰落 時価総額 24h売買代金
53 ENA Ethena +97.8% 15.9億ドル 698百万ドル
46 PUMP Pump.fun +92.3% 19.5億ドル 498百万ドル
92 TRUMP Official Trump +83.4% 6.3億ドル 853百万ドル
11 ZEC Zcash +72.6% 140.2億ドル 1,356百万ドル
96 PENGU Pudgy Penguins +64.4% 6.0億ドル 384百万ドル
43 AAVE Aave +63.0% 21.4億ドル 705百万ドル
51 PEPE Pepe +57.7% 16.8億ドル 481百万ドル
74 LIT Lighter +56.3% 9.0億ドル 101百万ドル
5 XRP XRP +51.1% 927.6億ドル 5,030百万ドル
67 POL POL (ex-MATIC) +43.7% 11.4億ドル 72百万ドル
9 HYPE Hyperliquid +42.6% 179.1億ドル 880百万ドル
83 VVV Venice Token +41.4% 7.9億ドル 25百万ドル
49 MORPHO Morpho +38.6% 18.2億ドル 82百万ドル
36 UNI Uniswap +37.2% 27.5億ドル 571百万ドル
90 ARB Arbitrum +36.6% 6.6億ドル 91百万ドル
20 BCH Bitcoin Cash +36.1% 54.6億ドル 213百万ドル
16 WBT WhiteBIT Coin +33.2% 85.2億ドル 145百万ドル
10 DOGE Dogecoin +33.0% 142.5億ドル 1,061百万ドル
2 ETH Ethereum +31.3% 2,946.2億ドル 16,585百万ドル
55 SKY Sky +29.5% 15.8億ドル 16百万ドル
64 ETC Ethereum Classic +28.7% 12.2億ドル 66百万ドル
7 SOL Solana +28.0% 550.6億ドル 4,129百万ドル
17 ADA Cardano +27.9% 82.6億ドル 578百万ドル
88 JUP Jupiter +27.7% 7.0億ドル 48百万ドル
37 NEAR NEAR Protocol +27.6% 26.8億ドル 428百万ドル
34 CRO Cronos +26.5% 28.4億ドル 8百万ドル
19 XLM Stellar +26.1% 67.2億ドル 300百万ドル
29 SUI Sui +25.6% 33.8億ドル 759百万ドル
21 CC Canton +25.3% 47.7億ドル 16百万ドル
31 SHIB Shiba Inu +24.8% 32.0億ドル 105百万ドル
1 BTC Bitcoin +23.4% 15,511.5億ドル 30,271百万ドル
93 ETHFI Ether.fi +23.1% 6.3億ドル 110百万ドル
15 LINK Chainlink +22.8% 85.3億ドル 632百万ドル
41 TAO Bittensor +22.8% 22.7億ドル 237百万ドル
27 HBAR Hedera +22.4% 34.3億ドル 106百万ドル
56 DOT Polkadot +21.2% 15.4億ドル 109百万ドル
98 CAKE PancakeSwap +21.2% 5.6億ドル 49百万ドル
95 FLR Flare +20.0% 6.1億ドル 3百万ドル
84 RENDER Render +19.6% 7.7億ドル 59百万ドル
30 AVAX Avalanche +19.2% 32.3億ドル 264百万ドル
77 ALGO Algorand +18.1% 8.3億ドル 36百万ドル
25 LTC Litecoin +17.9% 40.1億ドル 320百万ドル
4 BNB BNB +16.9% 929.8億ドル 1,069百万ドル
60 BGB Bitget Token +16.9% 13.3億ドル 12百万ドル
80 NEXO NEXO +16.9% 8.2億ドル 4百万ドル
79 GT Gate +16.4% 8.3億ドル 2百万ドル
94 FIL Filecoin +15.5% 6.2億ドル 71百万ドル
52 MNT Mantle +13.6% 16.6億ドル 40百万ドル
73 QNT Quant +13.6% 9.3億ドル 16百万ドル
50 ONDO Ondo +13.3% 18.0億ドル 180百万ドル
82 KAS Kaspa +13.3% 7.9億ドル 10百万ドル
48 ASTER Aster +12.9% 18.1億ドル 150百万ドル
58 WLD Worldcoin +12.9% 14.3億ドル 189百万ドル
24 GRAM Gram (prev. Toncoin) +11.8% 40.6億ドル 56百万ドル
69 KCS KuCoin +11.2% 10.0億ドル 17百万ドル

Ethena(ENA、+97.8%)が上昇率の首位です。EthenaはステーブルコインUSDeの発行プロトコルで、無期限先物の資金調達レートを収益源とするため、市場全体の建玉と資金調達レートの回復が収益環境の改善と受け止められた面があるとみられます。当社集計では、USDeの残高も今週1.2億ドル(+3.0%)増加し、40.8億ドルになっています(出典: DefiLlama、8/24取得)。Pump.fun(PUMP、+92.3%)Official Trump(TRUMP、+83.4%)Pepe(PEPE、+57.7%)Pudgy Penguins(PENGU、+64.4%)はいずれもミーム系(インターネット文化に由来する銘柄群)で、後述のセクター別でもMemeが騰落率の首位です。Zcash(ZEC、+72.6%)は時価総額140億ドルと今回の該当銘柄では大型で、1日の売買代金も13.6億ドルと厚く、匿名性を高めたプライバシー系銘柄への物色が続いています。Aave(AAVE、+63.0%)Morpho(MORPHO、+38.6%)Uniswap(UNI、-18.8%だった前週から+37.2%へ反転)とDeFi(分散型金融)の主要銘柄もそろって上昇しました。個別の材料よりも、セクション2で述べた市場全体の反転が上昇の主因とみられる週です。

5. セクター別の動き|11セクター全てが上昇、首位はMemeの+57.8%

キリフダ株式会社が算出するセクター指数「KIRIFUDA Digital Assets Sector Index」(188銘柄を11セクターに分類、注8)の週間騰落です。総合指数(KFI)は+27.2%でした。

セクター別の週間騰落率
セクター別の週間騰落率

前週は11セクター中6セクターの下落でしたが、今週は11セクター全てが上昇しました。上昇の上位はMeme(+57.8%)、Privacy(+56.0%)、Gaming(+43.1%)、Trading(+39.3%)、DeFi(+36.2%)で、下位はOthers(+5.9%)とAI(+9.1%)です。Memeの上昇は、構成銘柄のPEPE(+57.7%)、PENGU(+64.4%)、TRUMP(+83.4%)の騰落と整合します。Privacyは、構成銘柄で時価総額・売買代金とも最大級のZcash(ZEC、+72.6%)の上昇と整合します。DeFiはENA(+97.8%)、AAVE(+63.0%)、MORPHO(+38.6%)、UNI(+37.2%)が対応します。下位のAIは、構成銘柄のWLD(+12.9%)やTAO(+22.8%)が上昇したものの、市場全体(KFI+27.2%)には届いていません(構成銘柄の値はいずれもCoinGecko、8/24取得。組入比率が非公開のため寄与度は断定できません。注8)。

6. 資金の所在|ステーブルコイン残高は3,085億ドルへ21.9億ドル増加

市場に待機している資金の量を、ステーブルコインの流通総額で追います。

ステーブルコイン流通総額
ステーブルコイン流通総額

流通総額は3,085.5億ドルで、前週日曜から+21.9億ドル(+0.7%)でした(注4)。2週続いたほぼ横ばいから増加へ転じ、週次の増加幅としては5月中旬に縮小局面が始まって以降で最大です(注4)。増加の内訳は銘柄別ではUSDCが中心で、詳細は姉妹レポートの週刊ステーブルコインが観測しています。DeFi全体の預かり資産(TVL)は929.6億ドルと前週比+24.1%でした(出典: DefiLlama、注4。ドル建てのTVLには預かり資産自体の価格上昇も含まれます)。

ETF経由の資金は、ビットコインが19.2億ドルの流入、イーサリアムが6.97億ドルの流入です(セクション2・3、注5)。今週は、場内の待機資金(ステーブルコイン残高)と規制商品経由の機関マネー(ETFフロー)が、そろって流入方向を向きました。価格の上昇・ETFの流入・待機資金の増加が同時に起きた週です。

7. デリバティブ|建玉はBTC建てで減少、ドル建てで増加

デリバティブ取引所の未決済建玉(OI。まだ決済されていないポジションの総額)は、建玉上位100社・全上場銘柄の合算をビットコイン換算した値で267.2万BTC、ドル換算で約2,065億ドルです(注6)。前週の287.6万BTCからBTC建てでは7.1%減少した一方、ドル換算では前週の約1,804億ドルから14.5%増加しました。売り持ちの清算で建玉の枚数が減り、価格の上昇でドル建ての金額が膨らんだ形で、セクション2で述べた清算の規模(週の上昇局面で累計40億ドル超と報道)と整合する動きです。取引所別ではBinance(39.8万BTC)が最大で、Hyperliquid(17.7万BTC)、Bybit、MEXC、Gateと続きます。前週3位だったHyperliquidが2位に上がりました。

資金調達レートは、ビットコインがHyperliquidのみ年率+18.8%と基準水準(約11%、注7)を上回る買い寄りで、Binance・Bybitは基準水準どおりの中立です。前週の「3市場とも売り寄り」からの反転で、売り持ちの清算を経て先物の傾きが解消された状態です。イーサリアムは3市場とも中立で、価格の上昇に対して先物の過熱は見られません。オンチェーン取引所の動向は週刊Hyperliquidで毎週詳しく観測しています。

8. 今週の出来事: マーケットに大きな影響を与えた出来事3選

ブロックチェーン総研編集部が、今週マーケットに大きな影響を与えた出来事を3つ選びました。

米財務省が長期債買い戻しを倍増、ビットコインは記録的な売り持ちの清算を伴い上昇(8/19〜8/21)

米財務省が長期債の買い戻し(バイバック)の規模を少なくとも倍増したと報じられ、週初に5.31%まで上昇していた米30年債利回りは8/19に5.19%へ低下しました(買い戻しはFortune〔8/23〕、利回りはFRED DGS30)。ビットコインは発表と重なる8/20(日本時間)未明に62,000〜65,000ドル台のレンジを上抜け、8/20には単日約30億ドルとCoinGlassの統計で過去最大の売り持ちの清算が発生したと報じられています(出典: 同データを引用したtokenpost、8/20)。週の上昇局面を通じた清算は累計40億ドルを超えたと報じられ(出典: 前掲Fortune)、ビットコインは週間で23.4%上昇しました(注2)。国債市場の需給対策という伝統市場側の政策が、暗号資産の週間最大の材料になりました。

SECが暗号資産の包括規則案「Regulation Crypto Assets」を提案(8/18)

SECは米国時間8/18、暗号資産の募集・流通を包括的に扱う規則案「Regulation Crypto Assets」を提案しました(出典: SECの発表)。スタートアップ向けに4年間で最大500万ドル、一般に12か月ごとに最大7,500万ドルの資金調達を証券登録なしで認める免除枠と、発行者が約束した開発を終えて関与を止めたトークンを「投資契約」の該当から外す条件付きのセーフハーバー(免責の枠組み)を含みます。意見募集は連邦官報への掲載後60日間です。前週号で取り上げた「採決の直前取り消し」から1週間足らずで、同じ領域を扱う規則案が提案された形です(SECの発表は再提案とは位置づけていません)。アトキンス委員長は従来の「執行による規制」からの転換を改めて表明しました(出典: 委員長声明)。

ビットコイン・イーサリアムの現物ETFに週合計26.1億ドルの純流入(8/17〜8/21)

米国上場の現物ETFは、ビットコインが週19.2億ドル、イーサリアムが週6.97億ドルの純流入で、いずれも5営業日全てが流入でした(注5)。当社集計の合計は26.1億ドルで、2026年で最大の週だったと報じられています(出典: CryptoSlate、8/22)。前週はビットコインが3.9億ドルの流出、イーサリアムがほぼ横ばいだったため、規制商品経由の機関マネーが1週間で流出から大規模な流入へ反転したことになります。

9. アナリストコメント

今週の上昇の起点は、暗号資産の内側ではなく米国債市場の需給対策でした。財務省の買い戻し倍増で長期金利が低下した8/20未明を境に、ビットコインは数週間のレンジを上抜け、40億ドル超の売り持ちの清算がそれを増幅しています。注目すべきは、株式(S&P500 -1.4%)が週前半の金利上昇局面の下落を週間で残した一方、暗号資産(時価総額+16.4%)は金利低下後の上昇が勝り、週間の方向が逆に分かれた点です。SECの包括規則案も取り消しから1週間足らずで提案し直され、規制の予見可能性への期待が資金の流入を後押しした可能性があります。ETFの週間26.1億ドルの流入とステーブルコイン残高の21.9億ドルの増加が同時に起きており、価格の上昇が借り入れ(レバレッジ)だけでなく現金の流入を伴っている点は、資金調達レートが中立圏に留まっていることとも整合します。日本の金融機関にとっては、米国のマクロ政策と証券規制の両方が同じ週に暗号資産の価格形成へ直接作用したこと自体が、この市場を伝統市場から独立した資産クラスとして扱う前提が崩れつつあることを示すと考えています。今週は8/28にジャクソンホール会議(カンザスシティ連銀の年次シンポジウム)でウォルシュFRB議長が講演すると報じられており(出典: Tech Times、8/21)、金利と暗号資産の連動が続くかが観測点になります。


注記(集計方法と出典の詳細)

  1. 総時価総額・24時間売買代金・ドミナンスはCoinGeckoの集計値で、2026-08-24(月)朝の取得時点のスナップショットです。CoinGeckoに登録された約1.9万銘柄の合算で、取引所の自己申告データを含みます。週間変化は前週号(2026-08-17取得)のスナップショットとの比較です。24時間売買代金は取得時点の直近24時間の値のため、週間変化が大きく振れることがあります(前週333億ドル→今週892億ドル)。ポイント(pt)の変化は丸める前の値で計算しているため、表示値どうしの引き算とはわずかに一致しないことがあります。株価指数の週間変化は金曜終値同士(8/14→8/21)の比較です。Fear & Greed Indexの「今週の値」は対象週最終日(日曜)の値で、週間変化は前週日曜の値との比較です。「5週間ぶり」は同指数の日次系列(直近90日)の当社確認によります。
  2. 銘柄別の価格・時価総額・騰落率・売買代金はCoinGecko(取得時点)によります。7日騰落率は取得時点から遡る7日間で、対象週の境界とずれがあります。図中の価格はUTC日次終値のため、本文の取得時点の値とわずかに異なることがあります。注目銘柄の抽出条件は「時価総額上位100位以内・週間騰落±10%以上・ステーブルコインとドル連動型を除く」です。ステーブルコインとドル連動型トークン(USDT、USDC、FIGR_HELOC)の騰落率は「—」としました。注目銘柄表の順位はCoinGeckoの時価総額順位で、一部のドル連動型銘柄が採番の対象外になるため、上位10銘柄表の連番とは一致しないことがあります。前週の該当銘柄数(10銘柄)は前週号の同条件の集計です。
  3. ビットコインの週間安値・高値・時刻はCoinGeckoの1時間足の当社集計で、日本時間の対象週内(月曜0:00以上・翌月曜0:00未満の半開区間)の値です。1時間足のため、報道にある瞬間の高値(79,000ドル台)とは差が出ることがあります。チャートの時刻表記はUTCのため、日本時間とは9時間ずれます。チャート上の①〜⑤は報道・発表の時刻(日本時間に換算。時刻を特定できない発表は公表日の0:00 UTC)に打点しており、値動きとの対応は時刻の前後関係を示すもので、因果を断定するものではありません。
  4. ステーブルコイン流通総額はDefiLlamaの集計(ドルペッグ型、全チェーン合算)です。週次比較は日曜時点の値同士で行い、日次公表値のため集計境界は日本時間の週境界と最大9時間ずれます。「5月中旬に縮小局面が始まって以降で最大」は同系列の週次差分(日曜同士)の当社確認によります。DeFiのTVLのみ、取得できる最新値(取得日=月曜時点)を用いています。ステーブルコイン流通総額とDeFiのTVLの前週値は、出典側の遡及改定を反映して再取得しているため、前週号の表示値とわずかに異なることがあります。DeFiのTVLはドル建てのため、預かり資産の価格上昇局面では資金の流入がなくても増加します。
  5. ETFフローはSoSoValueの集計(米国上場スポットETFの合算、日次・ドル建て)です。週合計は8/17〜8/21の5営業日分です。日付はSoSoValueの集計日(米国営業日)によります。報道機関の集計(Farside等)とは日次の値が数千万ドル単位で異なることがあります。
  6. 未決済建玉はCoinGeckoのデリバティブ取引所一覧のうち建玉上位100社の合算で、ビットコイン以外も含む全上場銘柄の建玉をビットコイン建てに換算した値です。取引所の自己申告値を含み、独立に検証できない数値を含みます。ドル換算は取得時点のビットコイン価格($77,284)で行いました。前週比は前週号の同基準の値(287.6万BTC、ドル換算約1,804億ドル)との比較です。
  7. 資金調達レートはHyperliquid公式データの予想レート(取得時点の次回適用分)です。取引所ごとに適用間隔が異なるため、1時間あたりに換算して比較し、年率換算は時間あたりレート×24×365で計算しました。多くの取引所は、資金調達レートにあらかじめ金利相当分として8時間あたり0.01%(年率換算で約11%)を組み込んでおり、本文ではこの水準を基準水準と呼びます。基準水準からの上振れが買いの傾き、下振れが売りの傾きを示します。
  8. セクター指数はKIRIFUDA Digital Assets Sector Index(キリフダ株式会社)を出典明記のうえ引用しています。188銘柄を11セクターに分類した出来高加重の日次指数で、時価総額加重の指標とは動きが異なります。週間騰落の集計期間は8/15から8/22までです(指数の公表が取得時点で8/22分までのためです)。指数水準の基準日がセクターごとに異なるため、騰落率だけを使っています。各セクターの構成銘柄は同社サイトで公開されていますが、今週はページ構造の変更により構成銘柄リストを再取得できなかったため、本文の構成銘柄の記述は前号(8/17)取得のリストによります。組入比率は非公開のため、各銘柄が指数の騰落にどれだけ寄与したかは検証できません。構成銘柄の騰落率・売買代金はCoinGeckoの値で、取得時点から遡る7日間のため指数の集計期間とは数日ずれます。
  9. 円換算は1ドル=158.70円(ECB参照レート、8/21時点、出典: Frankfurter)で計算しました。銘柄別の円建て価格は、表示用に丸める前のドル建て価格に同レートを掛け、円未満を四捨五入した値です。このため、表のドル建て価格に158.70円を掛けた値とはわずかに差が出ることがあります。前週号の円換算は1ドル=159.01円(8/14時点)のため、円建ての週間変化には為替の変動も含まれます。
  10. DAT企業の保有量は、StrategyがSECへの開示を報じたThe Block(8/17。8-K原本はSEC EDGARに提出)、Metaplanetが会社発表(8/18。Super League社への2,100BTC拠出は取引完了前のため保有43,000BTCのまま記載)、StriveがSECへの開示(8-K添付、8/17)、BitMine・SharpLinkが会社公表・報道によります(表内に記載の時点のものです)。株式時価総額は、Strategy・StriveがSoSoValueの取得値(8/21終値ベース)、BitMine・SharpLinkがstockanalysis.com(8/21終値)、Metaplanetがstockanalysis.comの時価総額に8/21終値306円を反映した約4,053億円を1ドル=158.70円で換算した値です(発行済株式数は同サイトの時価総額と株価から逆算した推計値のため、公表の発行済株式数とはわずかに異なることがあります)。mNAVは「株式時価総額÷保有暗号資産の時価(保有量×取得時点の暗号資産価格)」の当社計算で、負債・暗号資産以外の事業・将来の希薄化を考慮しない単純な倍率です。mNAVは丸める前の値で計算しているため、表の丸めた金額どうしの割り算とはわずかに差が出ることがあります。前週のmNAV(0.66〜0.83)は前週号の同基準の値です。表の対象は、保有量の直近の開示を確認できた企業としています。個別企業・個別銘柄への言及は公開データの整理を目的とする情報提供であり、株式・トークンの売買を推奨するものではありません。
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