ブロックチェーン総研プライムBlockchain Research Institute Prime

週刊クリプトマーケット2026年9月14日

ビットコイン約1,191万円、米物価統計の上振れと原油100ドル台のなかで週間-3.1%

対象期間: 9/7(月)〜9/13(日) / データ取得日: 2026-09-14(月) / 公開日: 2026-09-14(月)

目次

  1. 市場全体スコアボード
  2. ビットコイン(BTC): 週内の値動きと出来事
  3. イーサリアム(ETH): 週内の値動きと出来事
  4. 主要銘柄と注目銘柄(時価総額上位100の急騰・急落)
  5. セクター別の動き(11セクター指数の週間騰落)
  6. 資金の所在(ステーブルコイン残高・ETFフロー)
  7. デリバティブ(未決済建玉・資金調達レート)
  8. 今週の出来事: マーケットに大きな影響を与えた出来事3選
    • 米8月のPPIとCPIが上振れ、9月FOMCの利上げ確率は60%台から85%へ上昇
    • 米国とイランがタンカーを相互に攻撃、ブレント原油は101ドル台で終値
    • ビットコインのサイドチェーンLiquid Networkから約4,000BTCが流出、返還と返還拒否が続く
  9. アナリストコメント

1. 市場全体スコアボード|時価総額は2.63兆ドルで前週比-2.7%、3週続いた拡大が途切れる

ビットコインは77,309ドルで、7日間で-3.1%でした(注2)。週明け9/7(月)朝に80,329ドルの週間高値を付けたあと、米国とイランの軍事衝突の再燃と原油高が続くなかで下げ、9/10(木)夜の米生産者物価指数(PPI)の上振れを受けた下落の翌朝、9/11(金)9:00に76,555ドルの週間安値を付けました(注3)。同日夜の米消費者物価指数(CPI)の公表後は一時上昇したものの、翌朝までに大半を戻しています。週間の下落は8月10日週以来です(当社集計)。暗号資産市場全体と周辺市場の位置を表にまとめました。

指標 今週の値 週間変化 出典
暗号資産の時価総額全体 2.63兆ドル -2.7%(注1) CoinGecko
24時間売買代金(全体) 497億ドル -24.8%(注1) CoinGecko
ビットコイン・ドミナンス(時価総額全体に占める比率) 58.8% -0.4pt(注1) CoinGecko
イーサリアム・ドミナンス(同) 11.6% +0.4pt(注1) CoinGecko
ビットコイン(BTC) 77,309ドル -3.1%(注2) CoinGecko
イーサリアム(ETH) 2,512.16ドル +0.9%(注2) CoinGecko
S&P500 7,656.98 -0.8% FRED
ナスダック総合 26,333.04 -0.7% FRED
Fear & Greed Index(市場心理、注1) 61(強欲) 前週73から-12pt alternative.me

米国株はS&P500が-0.8%、ナスダック総合が-0.7%と、金曜終値どうしの比較で下落しました。日次ではS&P500が9/8(火)から9/10(木)まで3日続けて下落し(-0.6%、-0.5%、-0.6%)、CPI公表日の9/11(金)に+0.9%と上昇しています。ビットコインも週初から9/11(金)朝までの方向は株式と同じ下方向で、CPI公表日の9/11(金)は両者とも上昇しました。暗号資産の時価総額全体は-2.7%と、株式より下落幅が大きくなっています。イーサリアムが+0.9%と上昇し、ビットコインが-3.1%と下落したため、ビットコイン・ドミナンスは0.4pt低下し、イーサリアム・ドミナンスは0.4pt上昇しました。24時間売買代金は497億ドルで、前週取得時点の661億ドルから24.8%減少しました(取得時点の直近24時間の値のため振れが大きい点は注1のとおりです)。Fear & Greed Indexは9/11(金)に56まで低下し、週末は61でした。前週の73から12pt下がり、8月17日週(66)を下回る水準です(注1)。

Fear & Greed Index(直近90日)
Fear & Greed Index(直近90日)

2. ビットコイン(BTC): 週内の値動きと出来事

ビットコインは77,309ドルで、7日間で-3.1%でした(注2)。8月17日週から3週続いた週間の上昇(+23.4%、+1.7%、+1.3%)が途切れています(当社集計)。週初9/7(月)0:00に79,527ドルで始まり、同日9:00に週間高値の80,329ドルを付けました(注3)。その後は米国とイランの軍事衝突の再燃と原油高が続くなかで下げ、9/8(火)23:00に77,958ドルまで下落しています。9/9(水)18:00に79,648ドルまで戻したあと、9/10(木)21:30の米8月PPIの公表を受けて21:00の77,831ドルから22:00の76,869ドルへ1時間で1.2%下落しました。9/11(金)9:00に週間安値の76,555ドルを付け、同日21:30の米8月CPIの公表後は21:00の76,996ドルから23:00の79,157ドルへ2時間で2.8%上昇しています。上昇は続かず、9/12(土)6:00には77,315ドルへ戻し、週末は76,828ドルで引けました(注3)。

週内の値動きと出来事の対応をチャートで示します。

ビットコイン価格と今週の出来事(1時間足)
ビットコイン価格と今週の出来事(1時間足)
# 日時(日本時間) 何が起きたか
9/8(火)1:09 ビットコインのサイドチェーン(注11)Liquid Networkから9/6(日)夜に約4,000BTC(約3.2億ドル)が流出した件で、運営のBlockstreamが修正の適用を告知したのち、攻撃者が3,400BTCを返還しました(出典: CoinDeskThe Hacker News、9/8)。ビットコインは返還の前後で9/8(火)0:00の79,180ドルから1:00に78,809ドルへ下げ、3:00には79,189ドルへ戻しており、持続的な反応は確認できません(注3、セクション8③)
9/9(水)4:14 米中央軍が米国時間9/8にイランの原油タンカー5隻を破壊したと発表し、イラン革命防衛隊は米艦2隻とタンカー8隻を攻撃したと主張しました(米側は米艦への命中を否定。出典: CNBC、9/8)。9/9にはイランの攻撃でタンカー乗員1人が死亡し、ブレント原油は同日に101ドル台で終値を付け、5月以来の高値と報じられました(出典: France 24CNBC、9/9)。ビットコインは9/8(火)23:00に77,958ドルまで下げたあと、9/9(水)18:00に79,648ドルまで戻しています(注3、セクション8②)
9/10(木)21:30 米8月PPIが前月比+0.4%、前年比+5.4%でした。エネルギーが前月比+4.2%と伸びを主導しています(出典: 米労働統計局の発表)。ビットコインは1時間で1.2%下落し、暗号資産のデリバティブでは24時間で約5.6億ドルの強制決済が発生したと報じられています(出典: Bitcoin.com News、9/10。注3、セクション8①)
9/11(金)21:30 米8月CPIが前月比+0.4%、前年比+3.4%、食品とエネルギーを除くコアが前月比+0.3%でした(出典: 米労働統計局の発表)。コアの前月比が市場予想の+0.2%を上回ったと報じられ(出典: KuCoin News、9/11)、9月会合の利上げ確率は85.6%へ上昇しました(出典: Yahoo Finance、9/11。CME FedWatchによる)。ビットコインは公表直前の76,000ドル台から2時間で2.8%上昇し、翌朝までに上昇分の大半を戻しました(注3、セクション8①)

今週のビットコインは、9/15〜16のFOMCで利上げがあるかどうかの観測に沿って動きました。9月会合の利上げ確率は、9/8(火)朝の60.6%(出典: The Motley Fool、9/10。CME FedWatchによる)から、PPIとCPIの公表を経て9/11(金)に85.6%まで上昇しています(前掲Yahoo Finance)。ビットコインは③の直後に下げ、④の直後は一時上昇したのち翌朝までに大半を戻しており、利上げ確率が上がる局面で下げ、上昇が続かない週でした。①のLiquid Networkの流出はビットコインの基盤の外側で起きた事象で、当日の値動きへの目立った影響は確認できません(注3)。

需給面では、現物ETFが9/8(火)から9/11(金)まで4営業日全てで流出となり、週合計は4.63億ドルの純流出でした。8月17日週から3週続いた流入(19.2億ドル、9.2億ドル、9.9億ドル)が途切れています(注5)。最大の流出は9/10(木)の2.83億ドルで、PPI公表日と重なります。

ビットコイン現物ETFの日次ネットフロー
ビットコイン現物ETFの日次ネットフロー

資金調達レート(注7)は、取得時点でHyperliquid年率+11.0%、Bybit+10.5%、Binance+9.9%です。買いと売りが釣り合った状態を示す基準水準(年率約11%、注7)に対し、3取引所とも中立の近くにあります。前週(Binance+8.3%、Bybit+1.6%)と比べ、Bybitの売り寄りが解消しました。価格が下落した週に、先物側の売りの傾きは前週より弱まっています。

直近30日で見ると、8月下旬に上抜けた77,000〜81,000ドル台のレンジの下端まで下げており、9/11(金)の週間安値76,555ドルはレンジの下限を一時的に割り込みました。

ビットコイン価格(直近30日)
ビットコイン価格(直近30日)

ビットコインを大量保有するDAT企業(注10)の状況です。mNAV(注10)とあわせて示します。

企業 上場市場 保有BTC 保有BTCの時価 株式時価総額 mNAV
Strategy(MSTR) 米国 845,050(9/7時点) 653億ドル 503億ドル 0.77
Metaplanet(3350) 日本 43,000(8/18時点) 33億ドル 21億ドル 0.62
Strive(ASST) 米国 24,531(9/4時点) 19億ドル 26億ドル 1.38

Strategyは9/8の8-Kで、8/31〜9/7にビットコインの売買を行わず、保有は845,050BTC(取得総額637.3億ドル、平均75,412ドル)のままと開示しました。同じ期間に優先株STRCを1,810,885株、1.763億ドルで買い戻し、買い戻し枠の上限を10億ドルから20億ドルへ引き上げています。株式(MSTR)の市場売却はありませんでした(出典: Strategyの8-K、9/8)。株価は9/11終値130.97ドルと前週終値の142.80ドルから8.3%下落し、mNAVは0.77へ低下しました(前週0.81。注10)。Striveは8/31〜9/4に1,375BTCを約1.09億ドル(平均79,281ドル)で取得し、保有を24,531BTCとしました。資金の7割は無期限優先株SATAの発行によるものと報じられています(出典: The Block、9/8)。mNAVは1.38と表の3社で唯一1倍を上回っています(前週1.25)。Metaplanetは9/11に、役職員向けの第10回新株予約権について1個あたりの株式数を696株から410株へ減らすと発表しました。潜在株式数は319,464,000株から188,190,000株へ41.1%減ります。すでに行使済みの株式は削減の対象外のため、削減分はすべて未行使の残存分から差し引かれ、残存分は236,640,000株から105,366,000株へ55.5%減ります(会社の説明を報じた値)。株主からの意見を受けた再修正で、最大90,000個を役職員のインセンティブに移す計画も撤回しています。会社の説明では、この削減で希薄化後の1株あたりの保有BTCは8.8%増加しました(出典: The Crypto TimesCRYPTO TIMES、9/11)。株価は9/11終値249円と、前週終値の293円から15.0%下落し、mNAVは0.62へ低下しています(前週0.70。注10)。

3. イーサリアム(ETH): 週内の値動きと出来事

イーサリアムは2,512.16ドルで、7日間で+0.9%と、ビットコイン(-3.1%)を4.0pt上回りました(注2)。時価総額全体に占める比率は11.6%で、前週から0.4pt上昇しています。日次終値(UTC)では9/11の2,438ドルを底に9/12の2,515ドルへ3.2%上昇し、9/13は2,525ドルでした。ビットコインがCPI公表後の上昇分を週末に戻したのに対し、イーサリアムは上昇分を保っています(注2)。

イーサリアム価格(直近30日)
イーサリアム価格(直近30日)

イーサリアムの現物ETF(米国上場)は、9/8(火)に0.24億ドル、9/10(木)に0.30億ドルの流出があったものの、9/9(水)に0.35億ドル、9/11(金)に2.16億ドルが流入し、週合計は1.97億ドルの純流入でした(注5)。流入は4週続いていますが、前週の2.18億ドルから9.8%減少しています。9/11の流入のうち1.49億ドルはBlackRockのETHAで、同ETFにとって1月以来で最大の1日流入と報じられています(出典: Crypto Briefing、9/12)。同じ9/11にビットコインの現物ETFは0.13億ドルの流出で、この日のETF経由の資金はイーサリアムに偏りました。

イーサリアム現物ETFの日次ネットフロー
イーサリアム現物ETFの日次ネットフロー

資金調達レートは取得時点でHyperliquidとBybitが年率+11.0%と基準水準どおりの中立、Binanceが+5.6%と基準水準を下回る売り寄りです(注7)。前週(Binance+6.4%、Bybit+9.1%)と比べ、Bybitが中立へ戻り、Binanceの売り寄りがわずかに強まりました。

開発面では、Vitalik Buterin氏が9/9(協定世界時)に、量子計算機に耐える署名を使ったプライバシー取引のコストを99%超削減するEIP-8288(同氏とThomas Coratger氏が6月に提案)をXで改めて推し、Hegotáの次のアップグレード(I-star)への組み込みを希望すると述べました。取引ごとに検証していた署名や証明を、ブロック単位で1つの証明にまとめて検証する設計で、対象の取引のガス消費を約1,000万から数万へ減らす見込みと説明されています(出典: Decrypt、9/10)。

イーサリアムを大量保有するDAT企業の状況です(注10)。

企業 上場市場 保有ETH 保有ETHの時価 株式時価総額 mNAV
BitMine Immersion(BMNR) 米国 5,929,198(9/7時点) 149億ドル 151億ドル 1.01
SharpLink Gaming(SBET) 米国 888,938(8/3時点) 22億ドル 19億ドル 0.86

BitMine Immersionは9/8に、保有が592.9万ETH(9/7時点。会社の説明でETHの総供給量の4.9%)に達し、暗号資産と現金等の合計が157億ドルになったと公表しました。前週から28,086ETHを買い増し、買い増しの規模は前週(53,501ETH)の約半分です(出典: 会社公表、9/8)。株価は9/11終値25.03ドルと前週終値の24.97ドルから0.2%上昇し、mNAVは1.01です(前週1.02。注10)。SharpLink Gamingの保有量の直近の公表値は8/3時点の888,938ETHのままで、mNAVは0.86です(前週0.85。注10)。

4. 主要銘柄と注目銘柄|±10%動意は17銘柄で10が下落、前週の上昇銘柄が反落

続きは有料プランの会員向けです

ブロックチェーン総研プライムに申し込むと、このレポートを最後まで、過去のすべてのレポートも読めます。年払い110,000円(税込)、月あたり9,167円から。

← レポート一覧へ戻る