対象期間: 9/7(月)〜9/13(日) / データ取得日: 2026-09-14(月) / 公開日: 2026-09-15(火)
目次
- 円建てステーブルコイン
- ドル建てステーブルコイン(全体と定点10銘柄 / USDC / USDT / 価格ウォッチ)
- 1週間の出来事
- SBI新生信託銀行がJPYSCの裏付け資産のうち10億円を短期国債で運用開始
- PayPal・M0・MoonPayがPYUSDを裏付けにするステーブルコインの発行基盤「PYUSDx」を公開
- Kaia DLT Foundationとネットスターズがアジア通貨建てステーブルコインの国内店頭決済で基本合意
- アナリストコメント
1. 円建てステーブルコイン|JPYCの流通は3週連続の減少で19.5億円、Kaia上の減少はUnifiの年5%特典終了後も続く
円建ての残高は合計230.4億円で、前週から2.1億円(-0.9%)減少しました(注5)。
| 銘柄 | 発行者と型 | 残高(9/14時点) | 前週差 |
|---|---|---|---|
| JPYSC | SBI新生信託銀行(信託型) | 200.3億円 | +0.02億円(+0.01%) |
| JPYC | JPYC株式会社(資金移動業型) | 流通19.5億円 | -1.9億円(-8.8%) |
| GYEN | GMO-Z.com Trust Company(米国の信託会社) | 9.5億円 | -0.2億円(-2.2%) |
| その他 | CJPY等 | 1.1億円 | — |
JPYCの流通残高は19.5億円(前週比-8.8%)となり、3週連続で減少しました。減少幅は前週の6.0億円から1.9億円へ縮小しています。減少は前週と同じくKaia上に集中しており、Kaia上の流通は11.9億円から9.8億円へ2.1億円減少した一方、Polygon上は0.4億円増加、Ethereum上は0.1億円減少し、Avalanche上はほぼ変わりませんでした。Kaia上の発行量35.0億円はブロックチェーンの記録の直接照会で前週から変わっていません。集計元が「未流通(発行体の管理分)」に分類している2つのアドレスの残高は対象週に合計2.1億円増加しており、流通の減少分と一致します(注5)。この週も、市場に出回っていたJPYCが集計上の発行体管理分へ移る動きが続きました。背景には、Kaia上のJPYCに年5%の利息特典を付けていたLINE NEXTのステーブルコインウォレット「Unifi」(注11)が、9月1日午前9時をもって特典を終了し基本の年2%へ移行すると告知したことがあるとみられます(出典: Unifiの告知、2026年8月24日)。Kaia上の流通の減少は告知の直後から続いており、特典終了後の引き揚げが2週目も続いたとみられます。減少は対象週の7日間すべてで記録されました。対象週のKaia上のJPYC送金は7,126件・約4.6億円で、前週の9,201件・約29.9億円から件数は23%減少し、送金額は前週の約15%の水準(6分の1弱)まで縮小しました(Dune上の当社集計、注5。当社とJPYC社の関係の開示は注9)。
首位のJPYSCは200.3億円で、前週からほぼ横ばい(+0.02億円)でした。ブロックチェーンの記録では、対象週に発行が4件(9/7〜9/10の平日午前、計0.65億円)、償還が1件(9/11の14時、0.63億円)記録されており、差引で0.02億円の増加です(注5)。償還を毎週金曜の日中に1件まとめて記録する型は7月24日以降8週続いていますが、金額は8月の5.6〜6.0億円から9月に入って0.8億円、0.6億円へ縮小しました。発行体のSBI新生信託銀行は9月7日、JPYSCの裏付けとなる信託財産のうち10億円を短期国債で運用し始めたと発表しました(セクション3①)。Ethereum上の発行量を照会した値は、集計値と1円単位で一致しています。
GYENは9.5億円で、前週から0.2億円(-2.2%)減少しました。減少はStellar上の残高(0.55億円から0.34億円)で記録された3週ぶりの動きで、発行体が2026年11月11日を期限に進める償還(出典: 発行体の告知、2026年5月15日)の期間中です。

13週前の6月13日時点では、円建ての合計は約41.8億円でした(注5)。円建て市場の規模は3か月で約5.5倍になっており、この拡大はJPYSCの登場1件でほぼ説明できます。JPYSCは円建て合計の87%を占めています。
2. ドル建てステーブルコイン
2-1. 全体と定点10銘柄|総残高は3,112億ドルで横ばい、3週続いた増加が止まる
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| ドル建て総残高(9/14時点) | 3,112.4億ドル | DefiLlama(注1) |
| 前週差 | -0.5億ドル(-0.01%) | 同(注2・注3) |
| 直近13週 | -23.5億ドル(-0.75%) | 同(注2・注4) |
| 年初来 | +1.4% | 同(注2) |
| 1年前比 | +8.5% | 同(注2) |
総残高3,112.4億ドルは、日本の外貨準備高1兆2,075億ドル(2026年8月末、財務省)の約26%にあたる規模です(注6・注10)。前週差は-0.5億ドル(-0.01%)で、8月25日号(+18.4億ドル)、9月1日号(+11.3億ドル)、9月8日号(+10.8億ドル)と3週続いた増加が止まり、横ばいに転じました(注2)。5月17日の過去1年の最高値3,208.7億ドルからは3.0%下の水準です。直近13週の縮小幅は-23.5億ドルで、前号時点の-35.6億ドルから縮まっていますが、これは13週の起点が1週進み、6月上旬の減少分(-15.0億ドル)が窓から外れたことによる部分が大きいです(注4)。

定点観測する10銘柄です。合計でドル建て全体の92.6%を占めます(注3)。
| 銘柄(発行体・運営) | 残高(億ドル) | 前週差(百万ドル) | 前週比 |
|---|---|---|---|
| USDT(Tether) | 1,834 | +98 | +0.05% |
| USDC(Circle) | 743 | -365 | -0.49% |
| USDS(Sky) | 67 | +120 | +1.82% |
| DAI(Sky、旧MakerDAO) | 48 | -19 | -0.40% |
| USD1(World Liberty Financial) | 43 | +70 | +1.64% |
| USDe(Ethena) | 46 | +244 | +5.60% |
| USDG(Paxos系) | 32 | +42 | +1.33% |
| PYUSD(PayPal) | 28 | -149 | -5.13% |
| RLUSD(Ripple) | 24 | +16 | +0.65% |
| USDD(Tron系) | 15 | +2 | +0.12% |
今週の前週差-0.5億ドルは、増加した銘柄の合計+7.3億ドルと、減少した銘柄の合計-7.8億ドルの差引です(注3)。増加側はUSDe(+2.4億ドル)、USDS(+1.2億ドル)、USDT(+1.0億ドル)、USD1(+0.7億ドル)の順で、減少側はUSDC(-3.6億ドル)、PYUSD(-1.5億ドル)、BUIDL(-0.8億ドル)、crvUSD(-0.5億ドル)の順です。
USDeは45.9億ドル(+5.6%)で、前週の+7.4%に続き2週連続で5%を超える増加になりました。増加はEthereum上(+1.3億ドル)とPlasma上(+1.0億ドル)に分かれます。発行元のEthenaが9月1日に決済アプリ「Ethena Pay」の提供を始めて以降(出典: Ethena Payの発表)、Ethereum上の発行残高の増加が2週続いています。同社は9月11日、USDeと利回り付きのsUSDeをTRON上で提供開始したと発表しました(出典: Ethenaの発表)。他チェーンからのブリッジ(注11)による提供で、取得時点の集計にTRON上の残高はまだ現れていません。PYUSDは27.6億ドル(-5.1%)となり、前週の+5.3%から減少に転じました。減少はEthereum上(-1.2億ドル。9月8日と9日の点に集中)とSolana上(-0.4億ドル。9月12日の点)で記録されています。USDSは67.1億ドル(+1.8%)で、日次では9月11日の点で2.8億ドル減少した後、取得時点までに回復しました。RLUSDは24.2億ドル(+0.65%)で4週連続の増加ですが、増加率は+21.0%、+14.3%、+2.4%、+0.65%と週ごとに縮小しています。USDGO(注11)は13.8億ドル(+2.0%)で、13週では+9.0億ドルと最大の増加銘柄です。減少側では、BUIDL(注11)が27.3億ドル(-2.9%)となり、Ethereum上で9月9日から12日の点にかけて計1.0億ドル減少しました。USYC(注11)は26.0億ドル(-0.8%)で、3週連続の減少です。

直近13週(6月13日→9月12日)の純減は23.5億ドルです。銘柄別では、USDT(-30.7億ドル)、USDS(-20.5億ドル)、USDC(-4.7億ドル)、USYC(-3.8億ドル)の4銘柄で計59.7億ドルの減少となりました。USDGO(+9.0億ドル)、RLUSD(+7.8億ドル)、USDG(+6.4億ドル)などの増加(その他の銘柄を含む増加側の合計は約36.4億ドル)が、4銘柄の減少額の約6割を打ち消しています(注4)。前号で観測点とした「USDCの増加が続くか」については、USDCは4週ぶりの減少となり、USDTは+1.0億ドルの小幅な増加でした。

チェーン別では、Tron(+4.3億ドル、+0.5%。USDTによる増加)が増加側の首位で、Plasma(+1.8億ドル。USDe +1.0億ドル、USDT +0.8億ドル)、Arbitrum(+1.4億ドル。USDC)が続きます(注3)。減少側はSolana(-2.6億ドル。USDTの-2.8億ドルが主因)、Ethereum(-2.6億ドル。USDC -3.5億ドル、PYUSD -1.2億ドル、BUIDL -1.0億ドルをUSDeとUSDSの増加が一部相殺)、Polygon(-2.3億ドル。USDC -1.7億ドル)、Hyperliquid L1(-1.2億ドル。USDC -0.9億ドル)です。Hyperliquid L1の残高は68.9億ドル(ブリッジ重複を含む参考値、注3)で、この内訳は姉妹レポートの週刊Hyperliquidが毎週観測しています。

2-2. USDC|Ethereum上で3.5億ドル減少し4週ぶりの減少、週2回のチェーン間の移し替え
続きは有料プランの会員向けです
ブロックチェーン総研プライムに申し込むと、このレポートを最後まで、過去のすべてのレポートも読めます。年払い110,000円(税込)、月あたり9,167円から。
