米国大統領選挙の開票が続く中、共和党のドナルド・トランプ氏が事実上の勝利を確実にしました。4年ぶりの返り咲きとなるトランプ大統領の再任は、米国内外に多大な影響をもたらすと見られており、その政策の方向性について各界の関心が高まっています。
本レポートでは、暗号資産市場に焦点を当て、トランプ大統領の就任が日米のマーケットに与える影響を掘り下げていきます。前回の任期中に暗号資産に対する規制強化を進めたトランプ氏が、今回の就任でどのような姿勢を示し、新たな市場環境を形成していくのか、その展望についても考察します。
1. 選挙結果と政治的影響
現在、米国で大統領選挙の集計が行われていますが、共和党候補であるドナルド・トランプ氏の勝利が、ほぼ確実な状況です。トランプ氏は、2017年1月〜2021年1月にも大統領を務めていましたが、今回の勝利により4年の期間を空けて2度目の大統領就任となります。
トランプ大統領の政策や人物像など注目すべきポイントは多岐にわたりますが、今回は、トランプ大統領就任により米国や国際的な暗号資産市場がどうなっていくかにフォーカスして、予測と考察を行っていきたいと思います。
結論から言うと、トランプ大統領の就任は米国の暗号資産市場にとってポジティブな影響を与えることが期待されています。
トランプ大統領は前回の大統領任期中、暗号資産に対して懐疑的な見方を示していました。しかし今回の大統領選挙ではその姿勢を一転し、たびたびビットコインや暗号資産に対してフレンドリーな発言を繰り返してきました。発言だけでなく、ビットコインカンファレンスに登壇したり、選挙資金として暗号資産での寄付を受け付けることを表明したことからも、トランプ大統領の本気度が見て取れます。
このような最近のトランプ大統領の姿勢を受けて、現在の米国の不明瞭な規制体制を見直す大きな転換になるのではないかと期待されています。【参考記事】
2. 政策面や暗号資産規制でのポジティブな影響
トランプ大統領は大統領選期間中から、暗号資産に対するポジティブな発言を繰り返してきましたが、それは政策面にも表されています。その発言の内容を大きく分けると「ビットコインを国家戦略に組み込むこと」と「暗号資産に対する規制緩和」です。
米国の暗号資産戦略とビットコイン超大国への道
トランプ大統領は、7月27日にナッシュビルで開催されたビットコイン・カンファレンスに登壇し、新政権では米国を世界の暗号資産市場の中心地とし、ビットコイン超大国を目指すことへの展望を発表しました。これには、米国の金融市場において新たな国際的競争力を獲得しようという狙いがあります。具体的には、トランプ政権下においてビットコインを国家戦略準備金に組み込み、経済政策の柱として活用していくという計画です。
また、共和党のシンシア・ルミス上院議員は、同カンファレンスで、米国政府が過去の犯罪捜査の過程で、差し押さえによって手に入れた20万BTCを米連邦準備制度の過剰準備金に変換できるように法律を整備し、将来的に100万BTC(供給量の約5%)に到達するまで備蓄を増やそうとしていると述べました。【参考記事】
ゲイリー・ゲンスラー現SEC委員長の解雇
米国では、暗号資産に対する法整備が遅れており、現行の証券法の中で暗号資産を規定し取り締まろうとしています。しかし、実際には暗号資産を全て証券と同等の規制の枠組みで取り締まることが難しいため、長年暗号資産業界からは曖昧な規制基準に対して不満の声があります。
その中心にいるのが、米証券取引委員会(SEC)という政府から独立した機関で委員長を務めるゲイリー・ゲンスラー氏です。ゲンスラー氏率いるSECは、これまで様々な暗号資産プロジェクトや関連企業に対して、対話を無視した強行的な規制を行なってきたことで、暗号資産推進派から度々否定的な声が上がる人物として有名です。
トランプ大統領は、前述したビットコイン・カンファレンスで「ゲンスラー委員長を初日に解任し、ビットコインと仮想通貨の大統領諮問委員会を組織する」と民衆の前で語っています。【参考記事】
これにより、暗号資産に対する規制の緩和と透明な市場環境の実現が期待されています。
さらに、フロリダ州選出の共和党下院議員バイロン・ドナルドは、暗号資産ベンチャーキャピタル会社ブロックタワーの投資家向け説明会で講演した際に、トランプ大統領との私的な会話があったことを明かしました。ドナルド氏は、SECの暗号資産規制の姿勢を強く批判した上で、「トランプ大統領は、大掃除をする準備ができている」と語り、トランプ氏からゲンスラー委員長の解雇を検討している旨の話を聞いたことを示唆したのです。【参考記事】
3. 暗号資産マーケットにもたらす影響
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