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週刊Hyperliquid2026年8月12日

メモリ株の熱が冷め、資金はSpaceXへ回転した

対象期間: 8/3(月)〜8/9(日) / データ取得日: 2026-08-10(月) / 公開日: 2026-08-12(水)

本レポートは、特定の取引所やサービスの利用を推奨するものではありません。Hyperliquidを定点観測の対象とするのは、オンチェーン金融の中で取引量が最も大きく、資金の流れ・商品の広がり・収益構造の変化を数字で観測できるためです。オンチェーン金融のいまを掴むための市場観測レポートとして、読者のみなさま向けに毎週発行します。数値は公開データの当社集計に基づく情報提供であり、投資勧誘・投資助言を目的としません。

今週の目次

  1. 週間取引高とDEXシェア
  2. 資金フロー
  3. 銘柄別Top30とRWAシェア
  4. HYPE
  5. HIP-3市場
  6. ボルト
  7. ステーブルコイン・担保基盤
  8. 今週の出来事
    • SpaceXが上場後初の決算とロックアップ解除を迎え、SPCX perpの取引が急増
    • JPMorganがHYPE ETFへの資金流入の停滞と競争激化を指摘
    • HIP-3市場の手数料割引を縮小する方針が報じられる
  9. 所感

1. 週間取引高とDEXシェア

指標 数値 出典
週間perp取引高(8/3〜8/9) 448億ドル(約7.1兆円) 当社集計(注1)
前週比 -25.3%(前週599億ドル) 同上
日次ピーク 8/5の93億ドル 同上
デリバティブDEXシェア(主要11社ベース) 52.1%(分散型を名乗る全23社では41.4%) CoinGecko(注2)
主要デリバティブDEX11社の合計取引高(推計) 週約860億ドル 当社推計(注2)
OI(未決済建玉、注9) 109.4億ドル(前週105.6億ドル。いずれも月曜朝の定点) Hyperliquid公式データ

perp(無期限先物。決済期限がなく持ち続けられる先物取引)の週間取引高は、前週のメモリ株ラリーによる急増(+31.1%)がほぼ剥落し、2週間前(457億ドル)と同水準になりました。週7.1兆円は、東証プライム市場の1日平均売買代金11兆6,019億円(2026年7月、出典: 日本取引所グループ)の約6割にあたります。月間に換算すると約30.7兆円で、JPXのデリバティブ市場全体(同月401兆円)の8%弱です(注1)。

減少分151億ドルの内訳を見ると、株式などを扱う外部市場xyzが107億ドルと全体の70%を占め、なかでも前週の取引を主導したメモリ関連5銘柄だけで減少分の60%に達しました。5銘柄の内訳は、SK hynixの2契約(普通株連動のSKHXとADR連動のSKHY)、Micron、SanDisk、メモリ株ETFのDRAMです。本体市場の減少(BTC -21.4%、ETH -21.5%など)が残りの30%を占めます(注8)。一方で逆行して増加したのがSpaceX(+17億ドル)です。上場後初の決算(現地8/4)と9億株超のロックアップ解除(大株主等に課された売却制限の期限到来。8/6)が重なった週で、当社集計の日次ピーク(8/5、日本時間)も決算発表の直後にあたります(セクション8①、注8)。

取引が減少する一方で、OI(未決済建玉。決済されずに残っているポジションの総額、注9)は109.4億ドルと前週から増加しました。手仕舞いよりもポジションの持ち越しが優勢だったことを示します。資金調達レート(perpの買い方と売り方の間で授受される調整金利)の週間平均は年率でBTC 4.6%、ETH 7.3%、HYPE 6.3%でした。この指標は需給が中立でも金利成分により年率4%台半ばのプラスになる設計のため、BTCはほぼ中立、ETH・HYPEにわずかな買い寄りが残る水準で、急減の週でも売りへの傾き(大幅なマイナス)は観測されていません(注8)。

perpを扱うDEX(分散型取引所。企業ではなくブロックチェーン上のプログラムが運営する取引所)の合計取引規模は主要11社で週約860億ドルと推計され、Hyperliquidはその52.1%を占める首位です。2位のAster(9.9%)を5倍以上引き離しており、分散型を名乗るデリバティブ取引所全体(23社)まで広げてシェアが41.4%に低下しても、首位は揺らぎません(注2。シェアの対象はデリバティブDEXで、現物のみのDEXは含みません)。

2. 資金フロー

取引の元手となるチェーン上のステーブルコイン残高(ほぼUSDC、注3)は62.2億ドルで、対象週の減少は0.1億ドルにとどまりました。6月に約6.4億ドル減少した後、7月に62億ドル台まで回復し、この3週間は62.2〜62.7億ドルの狭い範囲にとどまっています。5月のピーク(65.9億ドル)をなお5.7%下回っています。

資金の総量がほぼ動かないまま、取引だけが前週比-25.3%と大きく振れました。前週の取引急増も今週の急減も、新規資金の出入りではなく場内資金の回転数の変化で起きています。実際、週間出来高を預かり資産の総額(セクション7のTVL、60.4億ドル)で割った回転数は、前週の9.9回から7.4回に低下しました(注8)。

3. 銘柄別Top30とRWAシェア

銘柄別の週間取引金額の上位30です(8/3〜8/9の当社集計、注4)。市場列の「本体」はHyperliquidの基本市場、xyzは外部運営市場(HIP-3)を指します(今週の表に登場するのはこの2市場だけです)。前週比は、各銘柄の週間出来高の前週からの増減率です。

順位 銘柄 市場 週間出来高(百万ドル) 前週比 区分
1 BTC 本体 8,970 -21.4% 暗号資産
2 ETH 本体 4,593 -21.5% 暗号資産
3 SKHX(SK hynix) xyz 3,589 -49.9% 株式
4 SPCX(SpaceX) xyz 2,622 +178.5% 株式
5 SNDK(SanDisk) xyz 2,578 -38.7% 株式
6 XYZ100(株価指数) xyz 2,475 -19.3% 指数
7 SP500(S&P500) xyz 2,325 -20.3% 指数
8 MU(Micron) xyz 1,930 -46.4% 株式
9 CL(WTI原油) xyz 1,831 -17.5% コモディティ
10 HYPE 本体 1,447 -20.4% 暗号資産
11 DRAM(メモリ株ETF) xyz 1,287 -41.2% 指数
12 BRENTOIL(ブレント原油) xyz 951 -28.9% コモディティ
13 SOL 本体 771 -22.0% 暗号資産
14 SKHY(SK hynixのADR) xyz 697 -64.2% 株式
15 GOLD(金) xyz 601 +121.1% コモディティ
16 SMSN(Samsung) xyz 526 -50.8% 株式
17 SILVER(銀) xyz 520 -3.1% コモディティ
18 INTC(Intel) xyz 474 +37.0% 株式
19 NVDA(NVIDIA) xyz 436 -17.5% 株式
20 ZEC 本体 343 -4.5% 暗号資産
21 AMD xyz 320 +51.9% 株式
22 EWY(韓国株ETF) xyz 282 -47.7% 指数
23 GOOGL(Google) xyz 268 -5.1% 株式
24 MSFT(Microsoft) xyz 254 -11.1% 株式
25 CRCL(Circle) xyz 234 +55.7% 株式
26 PUMP 本体 227 +10.5% 暗号資産
27 PLTR(Palantir) xyz 196 +600.9% 株式
28 CASHCAT 本体 194 +230.0% 暗号資産
29 META(Meta) xyz 175 -26.7% 株式
30 XRP 本体 170 -10.0% 暗号資産

株式・指数・コモディティ・FXなど現実資産(RWA)のperpが週間取引全体に占める「RWA取引シェア」は59.7%で、前週(62.3%)から低下したものの、前週に続き6割前後です。内訳は株式36.1%、指数14.5%、コモディティ9.0%、FX・債券0.1%です(注4)。

取引高の推移は対照的でした。メモリ関連はSK hynix -49.9%(ADR連動のSKHYは-64.2%)、Micron -46.4%、SanDisk -38.7%と軒並み大幅な減少となる一方、決算とロックアップ解除を迎えたSpaceXは+178.5%、金は+121.1%、Palantirは+600.9%と急拡大しました。株式市場のテーマの入れ替わりが、そのまま銘柄別の増減に映っています。

4. HYPE

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