対象期間: 08/10(月)〜08/16(日) / データ取得日: 2026-08-17(月) / 公開日: 2026-08-17(月)
本レポートは、特定の取引所やサービスの利用を推奨するものではありません。暗号資産市場全体を定点観測の対象とするのは、価格・出来高・資金の所在の変化を公開データの数字で横断的に観測できるためです。暗号資産市場のいまを掴むための市場観測レポートとして、読者のみなさま向けに毎週発行します。数値は公開データの当社集計に基づく情報提供であり、投資勧誘・投資助言を目的としません。
目次
- 市場全体スコアボード
- ビットコイン(BTC): 週内の値動きと出来事
- イーサリアム(ETH): 週内の値動きと出来事
- 主要銘柄と注目銘柄(時価総額上位100の急騰・急落)
- セクター別の動き(11セクター指数の週間騰落)
- 資金の所在(ステーブルコイン残高・ETFフロー)
- デリバティブ(未決済建玉・資金調達レート)
- 今週の出来事: マーケットに大きな影響を与えた出来事3選
- 米7月CPIは予想一致、ビットコインの反応は現物ETF上場以来最小
- SECが包括規則案「Regulation Crypto」の採決を前日に取り消し
- ビットコインETFが週3.9億ドルの流出に転換
- アナリストコメント
1. 市場全体スコアボード
暗号資産市場全体と周辺市場の今週の位置を1つの表にまとめました。時価総額・売買代金・ドミナンスの週間変化は前週号の取得値(毎週月曜朝)との比較で、BTC・ETHの騰落率は取得時点から遡る7日間の値です(注1・注2)。
| 指標 | 今週の値 | 週間変化 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 暗号資産の時価総額全体 | 2.24兆ドル(約357兆円、注9) | -2.7%(注1) | CoinGecko |
| 24時間売買代金(全体) | 333億ドル | +3.0%(注1) | CoinGecko |
| ビットコイン・ドミナンス(時価総額全体に占める比率) | 56.2% | -0.5pt(注1) | CoinGecko |
| イーサリアム・ドミナンス(同) | 10.1% | ±0.0pt(注1) | CoinGecko |
| ビットコイン(BTC) | 62,731ドル(約997万円、注9) | -3.3%(注2) | CoinGecko |
| イーサリアム(ETH) | 1,872ドル(約29.8万円、注9) | -2.3%(注2) | CoinGecko |
| S&P500 | 7,785.76 | +0.4% | FRED |
| ナスダック総合 | 26,729.16 | +0.1% | FRED |
| Fear & Greed Index(市場心理) | 34(恐怖) | 前週31から+3pt | alternative.me |
米国株はS&P500・ナスダック総合ともに3週連続で上昇しましたが、上昇幅は前週より縮小しています。暗号資産は逆にビットコインが-3.3%と下落し、前週の「株高に暗号資産が追随する」構図から、「株は小幅高、暗号資産は下落」へ方向が分かれました。市場心理を0〜100で数値化するFear & Greed Indexは今週27〜34で推移し、全ての日が「恐怖(Fear)」の区分でした。前週にあった「極度の恐怖(Extreme Fear)」の日はありません。

2. ビットコイン(BTC): 週内の値動きと出来事
ビットコインは62,731ドルで、7日間で-3.3%でした(注2)。円建てでは約997万円と、前週の約1,031万円から1,000万円を下回りました(注9。円建ての変化には為替の変動も含まれます)。週初の8/10(月)午後に週間高値の65,235ドルを付けたあと、週を通じて水準を切り下げ、8/14(金)夜に週間安値の62,553ドルを付けました(注3)。週末は63,000ドル前後で推移しています。
週内の値動きと出来事の対応をチャートで示します。

| # | 日時(日本時間) | 何が起きたか |
|---|---|---|
| ① | 8/10(月)夜 | Strategy社が1,690BTC(約1.09億ドル)を前週8/3〜8/9に売却していたことをSECへの開示(8-K)で公表しました。売却代金は優先株(STRC)の買い戻しに充てられたと開示されています(出典: SECの8-K・The Block、8/10)。同日のビットコインは午後に週間高値65,235ドルを付けたあと、65,000ドルを割りました(注3) |
| ② | 8/12(水)21:30 | 米7月CPIが前月比+0.1%・前年比+3.4%と市場予想に一致しました。発表直後のビットコインの値動きは約0.3%の小幅にとどまり、発表をはさむ4時間の値幅はCPI発表日として現物ETFの上場(2024年1月)以来最小だったと報じられています(出典: BLS・crypto.news、8/13) |
| ③ | 8/13(木)21:30 | 米7月PPIが前月比0.0%(前年比+4.7%)となりました。同日は現物ETFから1.31億ドルが流出し(注5)、ビットコインは63,000ドル台前半へ下落しました(出典: BLS、8/13) |
| ④ | 8/14(金)5:30 | SECが、同日に予定していた包括規則案「Regulation Crypto」の採決を取り消したと公表しました(米国時間8/13夕方)。代替日程は示されていません(出典: crypto.news、8/15) |
| ⑤ | 8/14(金)午後〜夜 | 午後に63,000ドルを割り、23:00に週間安値の62,553ドルを付けました(当社集計、注3)。現物ETFの流出は4営業日累計で3.3億ドルに達したと報じられています(出典: CryptoSlate、8/14) |
週前半は高値圏から緩み、CPIの通過後も買いは回復せず、週後半はETFの流出と規制イベントの取り消しが重なって水準を切り下げた1週間でした。需給面では、現物ETFが5営業日中4日で流出し、週合計3.9億ドルの純流出でした(注5)。前週の8.5億ドルの純流入から反転しています。資金調達レート(決済期限のない無期限先物で、買い持ちと売り持ちの間で定期的に受け渡す手数料。注7)は、取得時点でHyperliquid年率+9.2%、Binance+4.5%、Bybit+1.4%です。買いと売りが釣り合った状態を示す基準水準(年率約11%、注7)を3市場とも下回っており、先物は売り寄りの状態です。
直近30日で見ると、8月初めの62,000ドル台後半から65,000ドル前後まで回復したあと、今週は再びほぼ同じ62,000ドル台後半へ調整した位置にあります。

ビットコインを大量保有するDAT企業(デジタル資産トレジャリー企業。暗号資産の保有を主目的とする上場企業)の状況です。mNAV(株式時価総額が保有暗号資産の時価の何倍かを示す倍率、注10)とあわせて示します。
| 企業 | 上場市場 | 保有BTC | 保有BTCの時価 | 株式時価総額 | mNAV |
|---|---|---|---|---|---|
| Strategy(MSTR) | 米国 | 840,447(8/9時点) | 527億ドル | 357億ドル | 0.68 |
| Metaplanet(3350) | 日本 | 43,000(7/1時点) | 27億ドル | 18億ドル | 0.66 |
| Strive(ASST) | 米国 | 20,167(8/7時点) | 13億ドル | 11億ドル | 0.83 |
3社とも1倍を下回る状態が続いています。Strategyは前週分の売却をSECへの開示で公表し(チャート注釈①)、Striveは8/3〜8/7に147BTCを買い増しています(出典: 8-Kを引用したCrypto Briefing、8/10)。Metaplanetは8/13の上期決算で、ビットコインの評価損1,842.97億円と経常損失1,828.74億円を開示しました(保有43,000BTCは変わっていません。出典: 会社開示、8/13)。8/12〜13には同社ウォレットからの大口送金を材料に売却の憶測が広がりましたが、CEOが売却を否定しています(出典: Cryptonomist、8/13)。
3. イーサリアム(ETH): 週内の値動きと出来事
イーサリアムは1,872ドル(約29.8万円、注9)で、7日間で-2.3%でした(注2)。時価総額全体に占める比率は10.1%と、下落の中でもほぼ横ばいを保っています。

イーサリアムの現物ETF(米国上場)は週合計226万ドルの純流出で、ほぼ横ばいでした(注5)。前週まで5週続いた週間の純流入が途切れたと報じられています(出典: Coin Edition、8/15)。資金調達レートは取得時点でHyperliquid年率+11.0%、Bybit+7.9%、Binance+3.1%です(注7)。Hyperliquidは基準水準(年率約11%、注7)とほぼ同じ中立の位置にあり、他の2市場は下回っています。
開発面では、Vitalik Buterin氏が8/10にXで、開発計画の最新版「Strawmap」と旧計画の比較を投稿し、プライバシー保護と量子コンピュータ耐性を最優先に据える方針を示しました(出典: The Block、8/10)。
イーサリアムを大量保有するDAT企業の状況です(注10)。
| 企業 | 上場市場 | 保有ETH | 保有ETHの時価 | 株式時価総額 | mNAV |
|---|---|---|---|---|---|
| BitMine Immersion(BMNR) | 米国 | 5,805,238(8/9時点) | 109億ドル | 109億ドル | 1.00 |
| SharpLink Gaming(SBET) | 米国 | 888,938(8/3時点) | 17億ドル | 14億ドル | 0.82 |
BitMine Immersionは8/10に、保有が約580.5万ETH(約1.2億ETHの総供給量の約4.8%)に達し、直近の1週間で7,391ETHを買い増したと公表しました(出典: 会社公表、8/10)。mNAVは1.00倍で、株式時価総額と保有ETHの時価がほぼ等しい水準です。SharpLink Gamingは8/10の四半期決算で、ETHの評価損を主因とする純損失3.94億ドルを計上しました。保有888,938ETH相当は維持しています(出典: 会社公表、8/10)。
4. 主要銘柄と注目銘柄
時価総額上位10銘柄の状況です(注2)。円建て価格は1ドル=159.01円で換算しています(注9)。
| 順位 | 銘柄 | 価格(ドル) | 価格(円) | 時価総額 | 7日騰落 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | BTC | $62,731 | 9,974,856円 | 12,590億ドル | -3.3% |
| 2 | ETH | $1,871.64 | 297,609円 | 2,259億ドル | -2.3% |
| 3 | USDT | $0.999212 | 159円 | 1,830億ドル | — |
| 4 | BNB | $600.95 | 95,557円 | 800億ドル | -0.4% |
| 5 | USDC | $0.999537 | 159円 | 718億ドル | — |
| 6 | XRP | $0.988875 | 157円 | 620億ドル | -4.2% |
| 7 | SOL | $74.42 | 11,834円 | 434億ドル | -2.9% |
| 8 | TRX | $0.33096 | 53円 | 314億ドル | +0.4% |
| 9 | FIGR_HELOC | $1.001 | 159円 | 214億ドル | — |
| 10 | HYPE | $57.11 | 9,081円 | 127億ドル | +5.7% |
価格がほぼ一定のステーブルコイン(米ドルに価値を連動させたトークン)とFIGR_HELOC(米Figure Technology Solutionsが住宅担保ローン枠の債権をトークン化したもの。注2)を除くと、上位10銘柄で上昇したのはHYPE(+5.7%)とTRX(+0.4%)の2銘柄だけでした。下落の最大はXRP(-4.2%)です。
注目銘柄として、時価総額上位100位以内で週間の騰落率が±10%以上となった銘柄を全て示します(注2)。
| 順位 | 銘柄 | 名称 | 7日騰落 | 時価総額 | 24h売買代金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 65 | BTW | Bitway | +81.5% | 10.7億ドル | 39百万ドル |
| 96 | ETHFI | Ether.fi | +30.1% | 5.1億ドル | 43百万ドル |
| 17 | LINK | Chainlink | +13.8% | 70.0億ドル | 228百万ドル |
| 57 | WLD | Worldcoin | +12.5% | 12.8億ドル | 141百万ドル |
| 43 | WLFI | World Liberty Financial | +12.3% | 18.9億ドル | 61百万ドル |
| 38 | OKB | OKB | +10.6% | 21.8億ドル | 30百万ドル |
| 18 | ADA | Cardano | -11.3% | 65.0億ドル | 162百万ドル |
| 64 | PEPE | Pepe | -11.5% | 10.8億ドル | 61百万ドル |
| 88 | BDX | Beldex | -13.1% | 6.2億ドル | 15百万ドル |
| 41 | UNI | Uniswap | -18.8% | 20.3億ドル | 123百万ドル |
Bitway(BTW、+81.5%)は、前週の+121.7%に続く2週連続の急騰で、時価総額は10.7億ドルと上位100の65位に入りました。8/1に始まった8月のステーキング(トークンや資金を預けて報酬を得る仕組み)のプログラム(9/1まで)の期間中で、上場来高値を0.3988ドル(8/17朝の取得時点)まで切り上げています(出典: CoinMarketCal掲載の公式発表・CoinGecko、8/17取得)。時価総額10.7億ドルに対して1日の売買代金は3,900万ドルと、値が動きやすい規模である点は前週と変わりません。
Ether.fi(ETHFI、+30.1%)は、8/13に、トークン化株式・貴金属の取引や金利約4%のポートフォリオ担保ローンを加え、あわせてETHFIの買い戻しの仕組みを組み込むアップデートを開始したと報じられています(出典: The Block、8/13)。
Chainlink(LINK、+13.8%)は、AIエージェント(自律的にタスクを実行するAIプログラム)向けの新製品の発表が報じられ、無期限先物の建玉の増加とあわせて上昇しました(出典: Blockonomi、8/14)。
World Liberty Financial(WLFI、+12.3%)は、8/14に米通貨監督庁(OCC)が同プロジェクトの信託銀行の設立に条件付きの予備承認を出したと報じられています。承認が確定すれば、同社のステーブルコインUSD1の発行・保管を連邦の監督下で行える見通しと、同じ記事が伝えています(出典: CoinDesk、8/14)。
下落側では、Uniswap(UNI、-18.8%)が最大です。8/14にかけてテクニカルな節目割れと買い持ちポジションの清算を伴って下落したと報じられ、8/15には大口投資家が372万UNI(約1,300万ドル)を売却して別の銘柄に乗り換える動きも観測されています(出典: crypto.news、8/14。大口の売りはLookonchainの観測によります)。
Cardano(ADA、-11.3%)は、Grayscale社が8/7にCardanoの信託ETFの登録届出を自主的に取り下げたことが報じられ、その後の1週間で下落しました(出典: crypto.news、8/11。同記事は下落の背景に複数の要因を挙げています)。
5. セクター別の動き
キリフダ株式会社が算出するセクター指数「KIRIFUDA Digital Assets Sector Index」(188銘柄を11セクターに分類、注8)の週間騰落です。総合指数(KFI)は-2.0%でした。

11セクター中6セクターが下落しました。上昇の上位はGaming(+7.6%)、Infrastructure(+5.1%)、Meme(+5.1%)で、下落の最大はAI(-15.4%)です。DeFi(-5.3%)が下落の2番目に続きます。
Gamingの上昇は、構成銘柄の中で売買代金が最大のFusionist(ACE、7日+9.7%)が前週に続いて上昇していることと整合します(出典: CoinGecko、8/17取得)。なお指数の騰落の集計期間は8/8から8/15までで、起点の8/8は前週にGamingが急伸した直後の水準にあたります(注8)。Infrastructureの上昇には、構成銘柄で売買代金が最大のChainlink(LINK、+13.8%)の上昇が対応します。AIについては、構成銘柄のArtificial Superintelligence Alliance(FET、-11.0%)やBittensor(TAO、-4.0%)が下落した一方で、売買代金が最大のWorldcoin(WLD、+12.5%)は上昇しています。組入比率が非公開のため、構成銘柄の騰落から指数の下落幅を説明することはできません(注8。構成銘柄の値はいずれもCoinGecko、8/17取得)。
6. 資金の所在
市場に待機している資金の量を、ステーブルコインの流通総額で追います。

流通総額は3,064億ドルで、前週日曜から+1.4億ドル(+0.04%)でした(注4)。2週続けてほぼ横ばいです。DeFi全体の預かり資産(TVL)は747億ドルと前週比-1.4%でした(出典: DefiLlama、注4)。
ETF経由の資金は、ビットコインが3.9億ドルの流出、イーサリアムが226万ドルの流出(ほぼ横ばい)です(セクション2・3、注5)。価格が下落しETFから資金が流出した週でも、ステーブルコイン残高は減少していません。場内の待機資金は維持されたまま、ETF経由の資金だけが流出に転じました。
7. デリバティブ
デリバティブ取引所の未決済建玉(OI。まだ決済されていないポジションの総額)は、建玉上位100社・全上場銘柄の合算をビットコイン換算した値で288万BTC、ドル換算で約1,804億ドルです(注6)。前週の271万BTCから6.2%増加しており、価格の下落と建玉の増加が並行しました。取引所別ではBinance(42.7万BTC)が最大で、CoinW、Hyperliquid、Bybit、Gateと続きます。
資金調達レートは、ビットコインが3市場とも基準水準(年率約11%、注7)を下回る売り寄り、イーサリアムはHyperliquidのみ基準水準の近辺で中立です。前週に基準水準の近辺にあったビットコインのBinance・Bybitのレートは低下し(年率換算で10.7%→4.5%、11.0%→1.4%)、中立の近辺から売り方向へ傾きました。一方、前週に売り寄りが最も強かったHyperliquidのレートは0.3%から9.2%へ上昇し、基準水準へ近づいています。銘柄別の詳しい数字はセクション2・3に記載しました。オンチェーン取引所の動向は週刊Hyperliquidで毎週詳しく観測しています。
8. 今週の出来事: マーケットに大きな影響を与えた出来事3選
ブロックチェーン総研編集部が、今週マーケットに大きな影響を与えた出来事を3つ選びました。
米7月CPIは予想一致、ビットコインの反応は現物ETF上場以来最小(8/12)
米7月CPIは前月比+0.1%・前年比+3.4%、コアは前月比+0.2%・前年比+2.5%で、いずれも市場予想に一致しました(出典: BLS)。発表直後のビットコインの値動きは約0.3%の小幅にとどまり、発表をはさむ4時間の値幅はCPI発表日として現物ETFの上場(2024年1月)以来最小だったと報じられています(出典: crypto.news、8/13)。9月の利上げ観測は後退したと報じられています(出典: The Block、8/12)。株式市場は同日、S&P500が+0.3%、ナスダック総合が+0.5%と上昇しました(出典: FRED)。
SECが包括規則案「Regulation Crypto」の採決を前日に取り消し(8/14)
SECは、暗号資産の募集・流通を包括的に扱う規則案「Regulation Crypto」の採決を米国時間8/14に予定していましたが、前日夕方に取り消しを公表しました。代替日程は示されていません(出典: crypto.news、8/15)。規則案には、一定条件下で証券登録を免除する仕組みや、十分に分散化したトークンを証券分類から外すセーフハーバーが含まれると報じられていました。取り消しの公表後、8/14にビットコインは63,000ドルを割って週間安値を付けています。
ビットコインETFが週3.9億ドルの流出に転換(8/10〜8/14)
米国上場のビットコイン現物ETFは、5営業日中4日で資金が流出し、週合計3.9億ドルの純流出でした(注5)。前週の8.5億ドルの純流入から反転しています。8/13にはARKB(ARK 21Shares)・FBTC(フィデリティ)の2本のビットコイン現物ETFが流出を主導し、直前の流入分の約38%が4営業日で失われたと報じられました(出典: CryptoSlate、8/14)。
9. アナリストコメント
CPIという最大級のマクロイベントに対し、発表直後のビットコインの値動きは約0.3%の小幅にとどまり、発表をはさむ4時間の値幅は現物ETF上場以来最小だったと報じられています。代わりに週の値動きと対応していたのは、ETFフローの反転とSECの規則案採決の取り消しという、暗号資産市場の内側の材料でした。前週は雇用統計という伝統市場側の材料が価格を動かしたとみられますが、マクロが落ち着いた今週は、規制の予見可能性と規制商品経由の需給が再び価格の主材料になったとみられます。一方でステーブルコイン残高は3,064億ドルと2週続けてほぼ横ばいで、場内の待機資金は減少していません。日本の金融機関にとっては、SECが包括規則案を採決の直前まで進めた事実そのものが、米国のルール形成が製品設計の前提になる段階に入ったことを示すと考えています。取り消された規則案が再び上程されるかどうかは、来週以降の市場の関心事であり続けるとみられます。
注記(集計方法と出典の詳細)
- 総時価総額・24時間売買代金・ドミナンスはCoinGeckoの集計値で、2026-08-17(月)朝の取得時点のスナップショットです。CoinGeckoに登録された約1.8万銘柄の合算で、取引所の自己申告データを含みます。週間変化は前週号(2026-08-10取得)のスナップショットとの比較です。取得はいずれも月曜朝ですが、取得時刻には週により数時間の差があります。ポイント(pt)の変化は丸める前の値で計算しているため、表示値どうしの引き算とはわずかに一致しないことがあります。株価指数の週間変化は金曜終値同士(8/7→8/14)の比較です。Fear & Greed Indexの「今週の値」は対象週最終日(日曜)の値で、週間変化は前週日曜の値との比較です。
- 銘柄別の価格・時価総額・騰落率・売買代金はCoinGecko(取得時点)によります。7日騰落率は取得時点から遡る7日間で、対象週の境界とずれがあります。上位10銘柄・注目銘柄・セクター構成銘柄の値はいずれも8/17朝の取得です。図中の価格はUTC日次終値のため、本文の取得時点の値とわずかに異なることがあります。注目銘柄の抽出条件は「時価総額上位100位以内・週間騰落±10%以上・ステーブルコインとドル連動型を除く」です。ステーブルコインとドル連動型トークン(USDT、USDC、FIGR_HELOC)の騰落率は「—」としました。FIGR_HELOCの商品性の記述はCoinGecko・DL Newsの公開情報によります。
- ビットコインの週間安値・高値はCoinGeckoの1時間足の当社集計で、日本時間の対象週内(月曜0:00以上・翌月曜0:00未満の半開区間)の値です。チャートの時刻表記はUTCのため、日本時間とは9時間ずれます。チャート上の①〜⑤は報道・発表の時刻(日本時間に換算)に打点しており、値動きとの対応は時刻の前後関係を示すもので、因果を断定するものではありません。
- ステーブルコイン流通総額はDefiLlamaの集計(ドルペッグ型、全チェーン合算)です。週次比較は日曜時点の値同士で行い、日次公表値のため集計境界は日本時間の週境界と最大9時間ずれます。ステーブルコイン流通総額とDeFiのTVLの前週値は、出典側の遡及改定を反映して再取得しているため、前週号の表示値とわずかに異なることがあります。
- ETFフローはSoSoValueの集計(米国上場スポットETFの合算、日次・ドル建て)です。週合計は8/10〜8/14の5営業日分です。
- 未決済建玉はCoinGeckoのデリバティブ取引所一覧のうち建玉上位100社の合算で、ビットコイン以外も含む全上場銘柄の建玉をビットコイン建てに換算した値です。取引所の自己申告値を含み、独立に検証できない数値を含みます。ドル換算は取得時点のビットコイン価格($62,731)で行いました。前週比は前週号の同基準の値(271万BTC)との比較です。
- 資金調達レートはHyperliquid公式データの予想レート(取得時点の次回適用分)です。取引所ごとに適用間隔が異なるため、1時間あたりに換算して比較し、年率換算は時間あたりレート×24×365で計算しました。多くの取引所は、資金調達レートにあらかじめ金利相当分として8時間あたり0.01%(年率換算で約11%)を組み込んでおり、本文ではこの水準を基準水準と呼びます。レートが基準水準の近辺にあるときは、先物価格と現物価格の乖離がほぼない中立の状態を意味します。基準水準からの上振れが買いの傾き、下振れが売りの傾きを示します。
- セクター指数はKIRIFUDA Digital Assets Sector Index(キリフダ株式会社)を出典明記のうえ引用しています。188銘柄を11セクターに分類した出来高加重の日次指数で、時価総額加重の指標とは動きが異なります。週間騰落の集計期間は8/8から8/15までです(指数の公表が取得時点で8/15分までのためです)。指数水準の基準日がセクターごとに異なるため、騰落率だけを使っています。各セクターの構成銘柄は同社サイトで公開されており、本文の構成銘柄の記述はそれによります。組入比率は非公開のため、各銘柄が指数の騰落にどれだけ寄与したかは検証できません。構成銘柄の騰落率・売買代金はCoinGeckoの値で、取得時点から遡る7日間のため指数の集計期間とは数日ずれます。構成銘柄の売買代金の比較は、Gamingは構成15銘柄全ての取得値で、InfrastructureとAIは時価総額上位250位以内の構成銘柄の範囲で行いました。
- 円換算は1ドル=159.01円(ECB参照レート、8/14時点、出典: Frankfurter)で計算しました。銘柄別の円建て価格は、表示用に丸める前のドル建て価格に同レートを掛け、円未満を四捨五入した値です。このため、表のドル建て価格に159.01円を掛けた値とはわずかに差が出ることがあります。前週号の円換算は1ドル=158.34円(8/7時点)のため、円建ての週間変化には為替の変動も含まれます。
- DAT企業の保有量は、Strategy・StriveがSECへの開示(8-K)、Metaplanetが会社開示、BitMine・SharpLinkが会社公表によります(表内に記載の時点のものです。SharpLinkはETH建て換算の合算値です)。株式時価総額は8/14終値ベースで、米国上場分はstockanalysis.comの値(MSTR・ASSTはSoSoValueの取得値と突合しました)、Metaplanetは8/14終値221円×発行済株式数1,281,283,624株(約2,832億円)を1ドル=159.01円で換算した値です。mNAVは「株式時価総額÷保有暗号資産の時価(保有量×取得時点の暗号資産価格)」の当社計算で、負債・暗号資産以外の事業・将来の希薄化を考慮しない単純な倍率です。mNAVは丸める前の値で計算しているため、表の丸めた時価総額どうしから再計算した値とはわずかに差が出ることがあります。表の対象は、保有量の直近の開示を確認できた企業としています。個別企業・個別銘柄への言及は公開データの整理を目的とする情報提供であり、株式・トークンの売買を推奨するものではありません。
