対象期間: 8/12(水)〜8/18(火) / データ取得日: 2026-08-19(水) / 公開日: 2026-08-19(水)
本レポートは、特定の取引所やサービスの利用を推奨するものではありません。Hyperliquidを定点観測の対象とするのは、オンチェーン金融の中で取引量が最も大きく、資金の流れ・商品の広がり・収益構造の変化を数字で観測できるためです。オンチェーン金融のいまを掴むための市場観測レポートとして、読者のみなさま向けに毎週発行します。数値は公開データの当社集計に基づく情報提供であり、投資勧誘・投資助言を目的としません。
今週の目次
- 週間取引高とDEXシェア
- 資金フロー
- 銘柄別Top30とRWAシェア
- HYPE
- HIP-3市場
- ボルト
- ステーブルコイン・担保基盤
- 今週の出来事
- HYPEを保有する米上場企業の四半期純利益が3,100万ドルへ増加
- Hyperliquid Policy CenterがSECに全米市場システム規則の撤廃を支持する意見書を提出
- 米国でのperp提供に向けた規制対応の動きが報じられる
- アナリストコメント
1. 週間取引高とDEXシェア|取引が12.6%減少しても、建玉は6.3%積み上がった
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 週間perp取引高(8/12〜8/18) | 357億ドル(約5.7兆円) | 当社集計(注1) |
| 前週比 | -12.6%(前週409億ドル) | 同上 |
| 日次ピーク | 8/18の73億ドル | 同上 |
| デリバティブDEXシェア(主要11社ベース) | 47.0%(分散型を名乗る全23社では35.2%) | CoinGecko(注2) |
| 主要デリバティブDEX11社の合計取引高(推計) | 週約760億ドル | 当社推計(注2) |
| OI(未決済建玉、注9) | 116.3億ドル(8/19昼時点。前回取得の8/10朝は109.4億ドル) | Hyperliquid公式データ |
perp(無期限先物。決済期限がなく持ち続けられる先物取引)の週間取引高は357億ドルで、前週から12.6%減少しました。週5.7兆円は、東証プライム市場の1日平均売買代金11兆6,019億円(2026年7月、出典: 日本取引所グループ)の約5割にあたります。月間に換算すると約24.7兆円で、JPXのデリバティブ市場全体(同月401兆円)の6.2%です(注1)。

日次の内訳を見ると、平日と週末の差が前週よりも開きました。最も少なかった8/16(日)は9.4億ドルで、最も多かった8/18(火)の73.1億ドルの13%です。株式や指数を扱う外部運営市場(HIP-3)が取引の主役になったことで、原資産の市場が休みに入る土日は取引が細り、平日に戻るという波が定着しつつあります(注8)。
取引が減少する一方で、OI(未決済建玉。決済されずに残っているポジションの総額、注9)は116.3億ドルと6.3%増加しました。内訳は本体市場が75.0億ドル、HIP-3市場が41.3億ドルで、どちらも前回の取得時点を上回っています。ここだけは取得時点どうしの比較で、前回が8/10朝、今回が8/19昼と9日の間隔がある点にご注意ください(注9)。売買の量が減少しても、市場に残るポジションは積み上がりました。資金調達レート(perpの買い方と売り方の間で授受される調整金利)の週間平均は年率でBTC 7.1%、ETH 8.4%、HYPE 10.3%です。この指標は需給が中立でも金利成分により年率4%台半ばのプラスになる設計のため、いずれも買い方にやや傾いた水準にとどまります(注8)。
perpを扱うDEX(分散型取引所。企業ではなくブロックチェーン上のプログラムが運営する取引所)の合計取引規模は、継続比較のために固定している11社で週約760億ドルと推計され、Hyperliquidはその47.0%を占める首位です。パネル内2位のAster(9.2%)を5倍引き離す構図は変わりませんが、シェアは前週の52.1%から低下しました。低下の理由は、減少の度合いの差にあります。CoinGeckoの集計を前号の取得時点と比べると、Hyperliquidが20.1%減、Asterが18.1%減だった一方、Variationalは9.6%増、Extendedは13.0%増でした(注2)。

2. 資金フロー|3週続けて小幅な減少で、資金の総量は動いていない
取引の元手となるチェーン上のステーブルコイン残高(97.7%がUSDC、注3)は61.8億ドルで、対象週の減少は1,300万ドルでした。減少は3週続いていますが、幅は前週の3,400万ドルからさらに縮んでいます。6月末から7月初めにかけて約59億ドルまで落ち込んだ後、7月に62億ドル台へ戻り、そこから横ばいが続く形です。

資金の総量がほとんど動かないまま、取引だけが12.6%減少しました。週間出来高を預かり資産の総額(セクション7のTVL、60.1億ドル)で割った回転数は、前週の6.8回から5.9回に低下しています(注8)。前週に続いて、新規資金の出入りではなく場内資金の回転数の変化で取引高が変動した週でした。参考値として見ているArbitrumブリッジ経由の入出金は、対象週が1,310万ドルの入金超過でした(注3)。
3. 銘柄別Top30とRWAシェア|指数と原油が縮小し、RWAシェアは53.7%へ低下した
銘柄別の週間取引金額の上位30です(8/12〜8/18の当社集計、注4)。市場列の「本体」はHyperliquidの基本市場、xyzとparaは外部運営市場(HIP-3)を指します。前週比は、各銘柄の週間出来高の前週からの増減率です。
| 順位 | 銘柄 | 市場 | 週間出来高(百万ドル) | 前週比 | 区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | BTC | 本体 | 9,226 | +11.2% | 暗号資産 |
| 2 | ETH | 本体 | 3,555 | -22.2% | 暗号資産 |
| 3 | SNDK(SanDisk) | xyz | 2,756 | +29.4% | 株式 |
| 4 | SKHX(SK hynix) | xyz | 2,375 | -16.2% | 株式 |
| 5 | SPCX(SpaceX) | xyz | 1,512 | -43.8% | 株式 |
| 6 | XYZ100(株価指数) | xyz | 1,390 | -30.6% | 指数 |
| 7 | SP500(S&P500) | xyz | 1,266 | -40.5% | 指数 |
| 8 | HYPE | 本体 | 1,181 | -8.1% | 暗号資産 |
| 9 | MU(Micron) | xyz | 1,022 | -37.6% | 株式 |
| 10 | DRAM(メモリ株ETF) | xyz | 975 | -7.3% | 指数 |
| 11 | CL(WTI原油) | xyz | 901 | -41.7% | コモディティ |
| 12 | BRENTOIL(ブレント原油) | xyz | 678 | -25.0% | コモディティ |
| 13 | SKHY(SK hynix・別建て銘柄) | xyz | 650 | +16.1% | 株式 |
| 14 | SILVER(銀) | xyz | 592 | -1.5% | コモディティ |
| 15 | SOL | 本体 | 531 | -29.0% | 暗号資産 |
| 16 | GOLD(金) | xyz | 481 | -30.3% | コモディティ |
| 17 | SMSN(Samsung) | xyz | 443 | +4.4% | 株式 |
| 18 | NBIS(Nebius Group) | xyz | 383 | +274.3% | 株式 |
| 19 | INTC(Intel) | xyz | 305 | -31.2% | 株式 |
| 20 | NVDA(NVIDIA) | xyz | 258 | -29.6% | 株式 |
| 21 | ZEC | 本体 | 250 | -29.4% | 暗号資産 |
| 22 | PUMP | 本体 | 233 | -18.9% | 暗号資産 |
| 23 | GOOGL(Google) | xyz | 231 | +4.9% | 株式 |
| 24 | EWY(韓国株ETF) | xyz | 217 | -1.0% | 指数 |
| 25 | PLTR(Palantir) | xyz | 209 | -17.3% | 株式 |
| 26 | META(Meta) | xyz | 184 | -4.4% | 株式 |
| 27 | TSLA(Tesla) | xyz | 167 | +51.7% | 株式 |
| 28 | XRP | 本体 | 164 | -20.0% | 暗号資産 |
| 29 | CXMT(長鑫存儲) | xyz | 161 | +64.8% | 株式 |
| 30 | CBRS(Cerebras) | xyz | 158 | +152.2% | 株式 |
株式・指数・コモディティ・FXなど現実資産(RWA)のperpが週間取引全体に占める「RWA取引シェア」は53.7%で、前週の57.5%から低下しました(注4)。内訳は株式34.5%、指数11.3%、コモディティ7.8%、FX・債券0.1%です。株式の割合は前週と同じで、低下したのは指数(13.6%→11.3%)とコモディティ(9.4%→7.8%)です。

減少幅の83%は外部運営市場xyzで生じ(-18.4%)、本体市場の減少は4.7%にとどまりました(注8)。銘柄別では、前週の主役だったSpaceXが11.8億ドル減(-43.8%)と最も大きく落ち込み、イーサリアムが10.2億ドル減、S&P500が8.6億ドル減、WTI原油が6.4億ドル減と続きます。逆に増加したのは、ビットコインの9.3億ドル増(+11.2%)と、SanDiskの6.3億ドル増(+29.4%)です。指数や原油のように相場全体を取りにいく銘柄が減少し、個別の材料がある銘柄に取引が残った週といえます。
その個別の材料はAIのデータセンター投資に集まりました。Nebius Group(+274.3%)、Cerebras(+152.2%)、長鑫存儲(+64.8%)と、GPUクラウド・AI半導体・メモリの銘柄が揃って増加しています。ビットコインが増加に転じたことと、株式側の物色が絞り込まれたことが重なり、暗号資産の割合は42.5%から46.3%へ戻りました。
4. HYPE|取引が12.6%減る中で、手数料の減少は4.0%にとどまった
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