対象期間: 8/17(月)〜8/23(日) / データ取得日: 2026-08-24(月) / 公開日: 2026-08-24(月)
本レポートは、特定の取引所やサービスの利用を推奨するものではありません。暗号資産市場全体を定点観測の対象とするのは、価格・出来高・資金の所在の変化を公開データの数字で横断的に観測できるためです。暗号資産市場のいまを掴むための市場観測レポートとして、読者のみなさま向けに毎週発行します。数値は公開データの当社集計に基づく情報提供であり、投資勧誘・投資助言を目的としません。
目次
- 市場全体スコアボード
- ビットコイン(BTC): 週内の値動きと出来事
- イーサリアム(ETH): 週内の値動きと出来事
- 主要銘柄と注目銘柄(時価総額上位100の急騰・急落)
- セクター別の動き(11セクター指数の週間騰落)
- 資金の所在(ステーブルコイン残高・ETFフロー)
- デリバティブ(未決済建玉・資金調達レート)
- 今週の出来事: マーケットに大きな影響を与えた出来事3選
- 米財務省が長期債買い戻しを倍増、ビットコインは記録的な売り持ちの清算を伴い上昇
- SECが暗号資産の包括規則案「Regulation Crypto Assets」を提案
- ビットコイン・イーサリアムの現物ETFに週合計26.1億ドルの純流入
- アナリストコメント
1. 市場全体スコアボード|時価総額は1週間で16%増の2.61兆ドル
ビットコインは77,284ドルで、7日間で+23.4%でした(注2)。週初の63,000ドル前後から週後半にかけて水準を切り上げ、円建てでは約1,227万円と、前週の約997万円から1,000万円台を回復しました(注9。円建ての変化には為替の変動も含まれます)。暗号資産市場全体と周辺市場の位置を表にまとめました。
| 指標 | 今週の値 | 週間変化 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 暗号資産の時価総額全体 | 2.61兆ドル(約414兆円、注9) | +16.4%(注1) | CoinGecko |
| 24時間売買代金(全体) | 892億ドル | +167.7%(注1) | CoinGecko |
| ビットコイン・ドミナンス(時価総額全体に占める比率) | 59.2% | +3.1pt(注1) | CoinGecko |
| イーサリアム・ドミナンス(同) | 11.3% | +1.2pt(注1) | CoinGecko |
| ビットコイン(BTC) | 77,284ドル(約1,227万円、注9) | +23.4%(注2) | CoinGecko |
| イーサリアム(ETH) | 2,441ドル(約38.7万円、注9) | +31.3%(注2) | CoinGecko |
| S&P500 | 7,674.37 | -1.4% | FRED |
| ナスダック総合 | 26,180.45 | -2.1% | FRED |
| Fear & Greed Index(市場心理) | 66(強欲) | 前週34から+32pt | alternative.me |
米国株はS&P500が-1.4%、ナスダック総合が-2.1%と、そろって週間で下落しました。長期金利の上昇(米30年債利回りは8/17に5.31%と前週末の5.25%から水準を切り上げました。出典: FRED、セクション8①)が株式の重石になった一方、暗号資産は時価総額全体が1週間で16.4%増加しており、前週の「株は小幅高、暗号資産は下落」から方向が完全に入れ替わりました。市場心理を0〜100で数値化するFear & Greed Indexは週初の31(恐怖)から8/20に62へ上昇して「強欲(Greed)」の区分に入り、8/21には72まで上昇しました。「強欲」の区分は5週間ぶりです(注1)。

2. ビットコイン(BTC): 週内の値動きと出来事
ビットコインは77,284ドルで、7日間で+23.4%でした(注2)。週初8/17(月)朝に週間安値の62,780ドルを付けたあと、8/19(水)までは65,000ドルを下回る水準で小動きでしたが、8/20(木)未明に数週間続いた62,000〜65,000ドル台のレンジを上抜け、同日中に72,000ドル台へ上昇しました。8/21(金)午後に75,000ドルへ到達し、8/22(土)午後に週間高値の78,525ドルを付けています(注3)。週末は77,000ドル台で引けました。
週内の値動きと出来事の対応をチャートで示します。

| # | 日時(日本時間) | 何が起きたか |
|---|---|---|
| ① | 8/18(火)〜8/19(水)未明 | SECが暗号資産の募集・流通を包括的に扱う規則案「Regulation Crypto Assets」を提案しました(米国時間8/18。出典: SECの発表)。前週に採決が取り消された規則案と同じ領域を扱う提案です(SECは新規の提案として公表しています。セクション8②) |
| ② | 8/19(水)〜8/20(木)未明 | 米財務省が長期債の買い戻し(バイバック)の規模を少なくとも倍増したと報じられました(米国時間8/19。出典: Fortune、8/23)。米30年債利回りは8/19に5.28%から5.19%へ低下し(出典: FRED DGS30)、ビットコインは日本時間8/20未明にレンジを上抜けて67,000ドルを超えました(注3) |
| ③ | 8/20(木)3:00 | 米7月FOMC議事要旨が公表され、3名の委員が現状維持に反対して0.25%の利上げを主張していたことが分かりました(出典: FRBの議事要旨)。同じ米国時間8/19には、ホワイトハウスで大統領と暗号資産企業の経営者らが会合し、トランプ大統領が市場構造法案(CLARITY法)の可決を議会に要求したと報じられています(出典: CoinDesk、8/19) |
| ④ | 8/20(木) | 単日の売り持ちの清算(強制的な買い戻し)が約30億ドルと、CoinGlassの統計で過去最大になったと報じられました(出典: 同データを引用したtokenpost、8/20)。現物ETFへの流入は8/19分の5.2億ドルから8/20分は6.1億ドルへ拡大しました(注5) |
| ⑤ | 8/21(金)14:00 | 75,000ドルに到達しました(当社集計、注3)。週の上昇局面を通じた売り持ちの清算は8/21(金)までに累計40億ドルを超えたと報じられています(出典: Fortune、8/23) |
週前半は方向感がなく、規則案の提案(①)にも大きな反応はありませんでした。転機は②の買い戻し倍増と重なる8/20未明のレンジ上抜けで、そこから売り持ちの清算を巻き込む形で2日半で1万2,000ドル超上昇しています。タカ派寄りの議事要旨(③)が出ても上昇は途切れませんでした。需給面では、現物ETFが5営業日全てで流入し、週合計19.2億ドルの純流入でした(注5)。前週の3.9億ドルの純流出から反転しています。

資金調達レート(決済期限のない無期限先物で、買い持ちと売り持ちの間で定期的に受け渡す手数料。注7)は、取得時点でHyperliquid年率+18.8%、Binance+11.0%、Bybit+11.0%です。買いと売りが釣り合った状態を示す基準水準(年率約11%、注7)に対し、Hyperliquidだけが上振れて買い寄りで、他の2市場は中立です。前週は3市場とも基準水準を下回る売り寄りだったため、売り方向の傾きは1週間で解消し、Hyperliquidのみ買い寄りへ転じました。
直近30日で見ると、8月前半の62,000〜65,000ドル台のレンジから一段切り上がった位置にあります。

ビットコインを大量保有するDAT企業(デジタル資産トレジャリー企業。暗号資産の保有を主目的とする上場企業)の状況です。mNAV(株式時価総額が保有暗号資産の時価の何倍かを示す倍率、注10)とあわせて示します。
| 企業 | 上場市場 | 保有BTC | 保有BTCの時価 | 株式時価総額 | mNAV |
|---|---|---|---|---|---|
| Strategy(MSTR) | 米国 | 840,447(8/16時点) | 650億ドル | 458億ドル | 0.71 |
| Metaplanet(3350) | 日本 | 43,000(8/18時点) | 33億ドル | 26億ドル | 0.77 |
| Strive(ASST) | 米国 | 20,246(8/14時点) | 16億ドル | 16億ドル | 0.99 |
Strategyは8/17の開示(8-K)で、対象期間8/10〜8/16のビットコインの売買がなかったことを示しました。前週まで続いていた週次の売却が止まり、保有840,447BTCを維持しています(出典: The Block、8/17)。Metaplanetは8/18に、米国子会社を通じてSuper League社へ2,100BTC(保有の約4.9%)と現金を拠出して同社の約96%を取得すると発表しました(米国のビットコイン保有事業会社「Superplanet」を立ち上げる計画で、取引の完了前のため保有は43,000BTCのまま変わっていません)(出典: 会社発表、8/18)。Striveは8/10〜8/14に79BTCを買い増しています(出典: SECへの開示、8/17)。3社のmNAVはいずれも1倍未満のままですが、価格の上昇と株価の反応で前週(0.66〜0.83)から水準が切り上がりました(注10)。
3. イーサリアム(ETH): 週内の値動きと出来事
イーサリアムは2,441ドル(約38.7万円、注9)で、7日間で+31.3%と、ビットコインの上昇率を上回りました(注2)。時価総額全体に占める比率は11.3%と前週から1.2pt上昇しています。

イーサリアムの現物ETF(米国上場)は5営業日全てで流入し、週合計6.97億ドルの純流入でした(注5)。前週のほぼ横ばい(226万ドルの流出)から明確な流入へ転じ、日次では8/20分の2.21億ドルが週内最大です。ビットコインとあわせた現物ETFの週間流入は当社集計で26.1億ドルです。BTC・ETH合計の週間流入としては2026年で最大だったと報じられています(出典: CryptoSlate、8/22)。

資金調達レートは取得時点でHyperliquid・Binance・Bybitとも年率+11.0%で、3市場そろって基準水準どおりの中立です(注7)。価格が週30%超上昇した後でも、先物の傾きは買いに偏っていません。
イーサリアムを大量保有するDAT企業の状況です(注10)。
| 企業 | 上場市場 | 保有ETH | 保有ETHの時価 | 株式時価総額 | mNAV |
|---|---|---|---|---|---|
| BitMine Immersion(BMNR) | 米国 | 5,815,164(8/16時点) | 142億ドル | 138億ドル | 0.97 |
| SharpLink Gaming(SBET) | 米国 | 888,938(8/3時点) | 22億ドル | 17億ドル | 0.79 |
BitMine Immersionは8/17に、保有が約581.5万ETH(当社計算で総供給量の約4.8%)に達し、暗号資産・現金等の合計が114億ドルになったと公表しました(公表額は8/17時点の価格ベースで、表の保有時価142億ドルは8/24取得の価格ベースです)(出典: 会社公表、8/17)。SharpLink Gamingは8/21に39,319ETH(約9,100万ドル相当。報道時点の価格ベース)を新たにステーキング(トークンを預けて報酬を得る仕組み)に回したと報じられています(出典: Bitcoin.com、8/21。保有量の直近の公表値は8/3時点の888,938ETHです)。
4. 主要銘柄と注目銘柄|上位100の±10%動意は55銘柄、全て上昇
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