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週刊ステーブルコイン2026年8月24日

総残高は3,086億ドルへ18億ドル増、USDCが17億ドル増をけん引(8/24取得)

対象期間: 8/17(月)〜8/23(日) / データ取得日: 2026-08-24(月) / 公開日: 2026-08-25(火)

本レポートは、特定の発行体やサービスの利用を推奨するものではありません。ステーブルコインを定点観測の対象とするのは、トークン化された資産の中で発行規模が最も大きく、発行量・流通チェーン・使われ方の変化を数字で観測できるためです。オンチェーン金融のいまを掴むための市場観測レポートとして、読者のみなさま向けに毎週発行します。数値は公開データの当社集計に基づく情報提供であり、投資勧誘・投資助言を目的としません。

目次

  1. 円建てステーブルコイン
  2. ドル建てステーブルコイン(全体と定点10銘柄 / USDC / USDT / 価格ウォッチ)
  3. 1週間の出来事
    • 米財務省がステーブルコイン法(GENIUS法)の実装規則案を公表
    • トランプ大統領がHyperliquidの米国内取り込みに言及と報道
    • RippleらがRLUSD建ての機関向け融資ファンドを組成と報道
  4. アナリストコメント

1. 円建てステーブルコイン|GYENの償還が進行、JPYCの流通増加は4週連続に

円建ての残高は合計240.0億円で、前週から0.3億円(+0.15%)増加しました(注5)。

銘柄 発行者と型 残高(8/24時点) 前週差
JPYSC SBI新生信託銀行(信託型) 200.4億円 ほぼ横ばい(-0.04億円)
JPYC JPYC株式会社(資金移動業型) 流通28.8億円 +0.8億円(+2.7%)
GYEN GMO-Z.com Trust Company(米国の信託会社) 9.7億円 -0.4億円(-4.0%)
その他 CJPY等 1.1億円

JPYCの流通残高は28.8億円(前週比+2.7%)となり、4週連続で増加しました。発行済み残高は前号時点と同じ88.1億円で、増加分は発行体の保有分(未流通。8/24時点で59.2億円)から市場へ移ったものです。チェーン(ステーブルコインが発行・流通する基盤のブロックチェーン)別では、Kaiaが流通の69.0%(19.9億円)を占める構成が続いています。発行済み残高88.1億円は、4つのチェーン上の発行量をブロックチェーンの記録で直接照会した当社の集計と一致します(注5。当社とJPYC社の関係の開示は注9)。

GYENは9.7億円と前週から4.0%減少し、円建ての中で最大の減少になりました。発行体のGMO-Z.com Trust Companyは2026年5月にGYENの発行終了と新規購入の停止を発表しており、2026年11月11日を期限とする償還(1GYEN=1円)の手続きが進んでいます(出典: 発行体の告知、2026年5月15日)。今週の減少はこの償還の進行によるもので、残高の減少は償還期限まで続く見通しです。

首位のJPYSCは200.4億円でほぼ横ばいでした。7月末の大口発行以降、残高は200億円台で安定しています。

円建てステーブルコイン
円建てステーブルコイン

13週前の5月25日時点では、円建ての合計は約44億円でした(注5)。JPYSCの登場で、円建て市場の規模は3か月で5.5倍になっています。この拡大はJPYSCの登場1件でほぼ説明でき、直近4週はJPYCの流通増がこれに重なっています。

2. ドル建てステーブルコイン

2-1. 全体と定点10銘柄|総残高は18.4億ドル増、週次の増加幅は日次系列で5月以降最大

指標 数値 出典
ドル建て総残高(8/24時点) 3,086.2億ドル DefiLlama(注1)
前週差 +18.4億ドル(+0.6%) 同(注2・注3)
直近13週 -114.7億ドル(-3.6%) 同(注2・注4)
年初来 +0.9% 同(注2)
1年前比 +12.3% 同(注2)

総残高3,086.2億ドルは、日本の外貨準備高1兆2,871億ドル(2026年7月末、財務省)の約24%にあたる規模で、円換算では約49.0兆円(1ドル=158.7円、注6)です。週次の増加幅は、日次系列の比較(今週は+21.9億ドル)では5月以降で最大です(注2。取得時点スナップショットの前週差は+18.4億ドルです)。5月中旬からの13週は累計-114.7億ドルの縮小で、この累計の縮小幅は前号時点の-144.1億ドルから小さくなっています。

ドル建て総残高の52週推移
ドル建て総残高の52週推移

定点観測する10銘柄です。合計でドル建て全体の92.6%を占めます(注3)。

銘柄(発行体・運営) 残高(億ドル) 前週差(百万ドル) 前週比
USDT(Tether) 1,832 +103 +0.06%
USDC(Circle) 737 +1,725 +2.40%
USDS(Sky) 64 -319 -4.78%
DAI(Sky、旧MakerDAO) 48 +14 +0.30%
USDe(Ethena) 41 +118 +2.97%
USD1(World Liberty Financial) 40 -12 -0.29%
USDG(Paxos系) 33 -81 -2.39%
PYUSD(PayPal) 29 +121 +4.40%
RLUSD(Ripple) 21 +361 +21.04%
USDD(Tron系) 15 0 +0.03%

今週の前週差+18.4億ドルは、増加した銘柄の合計+28.0億ドルと、減少した銘柄の合計-9.6億ドルの差引です(注3)。増加側はUSDC(+17.3億ドル、+2.4%)が増加した銘柄の合計(+28.0億ドル)の6割を占め、RLUSD(+3.6億ドル)、PYUSD(+1.2億ドル)、USDe(+1.2億ドル)、USDT(+1.0億ドル)が続きます。減少側の最大はUSDS(-3.2億ドル、-4.8%)で、13週の累計でも-22.1億ドルと、春以降の縮小基調が続いています(注4)。

RLUSDは20.8億ドル(+21.0%)と、比率では定点10銘柄で最大の増加でした。率の高さは母数の小ささも寄与していますが、金額でも+3.6億ドルと今週2番目の増加です。チェーン別ではEthereum上で+2.2億ドル、発行元の台帳であるXRP Ledger上で+1.4億ドルと両方で増加しました。対象週の週末には、RLUSD建てで機関投資家向けに融資を行うファンドの組成が報じられており(セクション3③)、発行規模の拡大と使い道の拡張が並行した週になりました。

今週の増減の内訳(銘柄別)
今週の増減の内訳(銘柄別)

直近13週の純減は114.7億ドルです。銘柄別では、USDT(-63.8億ドル)、USDC(-28.9億ドル)、USDS(-22.1億ドル)の3銘柄の減少だけで計114.8億ドルに達し、純減の114.7億ドルをわずかに上回ります(他の銘柄の増加が一部を打ち消しました。注4)。今週はこのうちUSDT・USDCの2銘柄が増加側に回っており、来週以降この反転が続くかが観測点です。

直近13週の増減の内訳
直近13週の増減の内訳

チェーン別では、Tron(+8.5億ドル、+0.9%)とHyperliquid L1(+7.4億ドル、+12.0%)が増加側の中心です(注3)。TronはUSDTの増加、Hyperliquid L1はUSDCの増加によるもので、Solana(+4.6億ドル)がこれに続きます。減少側はEthereum(-5.8億ドル)が最大でした。Hyperliquid L1の残高は69.3億ドルとチェーン別で5番目の規模にあたり(ブリッジ重複を含む参考値、注3)、この内訳は姉妹レポートの週刊Hyperliquidが毎週観測しています。

チェーン別の前週差
チェーン別の前週差

2-2. USDC|Hyperliquid上で7.4億ドル増、Solana上は減少から増加へ反転

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