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週刊クリプトマーケット2026年8月31日

ビットコイン約1,252万円、PCE上振れとジャクソンホール初講演で80,000ドル台から反落

対象期間: 8/24(月)〜8/30(日) / データ取得日: 2026-08-31(月) / 公開日: 2026-08-31(月)

本レポートは、特定の取引所やサービスの利用を推奨するものではありません。暗号資産市場全体を定点観測の対象とするのは、価格・出来高・資金の所在の変化を公開データの数字で横断的に観測できるためです。暗号資産市場のいまを掴むための市場観測レポートとして、読者のみなさま向けに毎週発行します。数値は公開データの当社集計に基づく情報提供であり、投資勧誘・投資助言を目的としません。

目次

  1. 市場全体スコアボード
  2. ビットコイン(BTC): 週内の値動きと出来事
  3. イーサリアム(ETH): 週内の値動きと出来事
  4. 主要銘柄と注目銘柄(時価総額上位100の急騰・急落)
  5. セクター別の動き(11セクター指数の週間騰落)
  6. 資金の所在(ステーブルコイン残高・ETFフロー)
  7. デリバティブ(未決済建玉・資金調達レート)
  8. 今週の出来事: マーケットに大きな影響を与えた出来事3選
    • ウォルシュFRB議長がジャクソンホールで初講演、物価最優先の姿勢を表明
    • 米7月PCE物価指数が前年比3.7%と市場予想を上回る
    • NVIDIAの5〜7月期決算が予想を上回り、テック株とビットコインが連動して上昇
  9. アナリストコメント

1. 市場全体スコアボード|時価総額は2.64兆ドルで前週比+1.2%

ビットコインは78,401ドルで、7日間で+1.7%でした(注2)。週の前半に80,000ドル台へ乗せたあと、週の後半はインフレ指標と金融政策のイベントで押し戻され、週間では小幅の上昇にとどまりました。円建てでは約1,252万円です(注9)。暗号資産市場全体と周辺市場の位置を表にまとめました。

指標 今週の値 週間変化 出典
暗号資産の時価総額全体 2.64兆ドル(約422兆円、注9) +1.2%(注1) CoinGecko
24時間売買代金(全体) 492億ドル -44.8%(注1) CoinGecko
ビットコイン・ドミナンス(時価総額全体に占める比率) 59.5% +0.2pt(注1) CoinGecko
イーサリアム・ドミナンス(同) 11.3% +0.1pt(注1) CoinGecko
ビットコイン(BTC) 78,401ドル(約1,252万円、注9) +1.7%(注2) CoinGecko
イーサリアム(ETH) 2,472.37ドル(約39.5万円、注9) +1.9%(注2) CoinGecko
S&P500 7,711.76 +0.5% FRED
ナスダック総合 26,402.42 +0.8% FRED
Fear & Greed Index(市場心理) 69(強欲) 前週66から+3pt alternative.me

米国株はS&P500が+0.5%、ナスダック総合が+0.8%と、前週の下落から反発しました。暗号資産の時価総額全体も+1.2%と同方向ですが、前週の+16.4%からは勢いが大きく鈍っています。24時間売買代金は492億ドルで、前週取得時点の892億ドルから44.8%減少しました(取得時点の直近24時間の値のため振れが大きい点は注1のとおりです)。市場心理を0〜100で数値化するFear & Greed Indexは、週内65〜74の「強欲(Greed)」圏で推移し、週末は69でした(注1)。

Fear & Greed Index(直近90日)
Fear & Greed Index(直近90日)

2. ビットコイン(BTC): 週内の値動きと出来事

ビットコインは78,401ドルで、7日間で+1.7%でした(注2)。週初8/24(月)午後に週間安値の76,870ドルを付けたあと、現物ETFへの資金流入が続くなかで8/25(火)午後に週間高値の80,698ドルまで上昇しました(注3)。8/26(水)夜の米7月PCE発表後は78,000ドル前後へ下げ、8/27(木)〜8/28(金)はNVIDIA決算を受けたテック株の上昇と連動して80,000ドル台を回復する場面がありました。8/28(金)夜のウォルシュFRB議長の講演後は未明にかけて再び下げ、8/29(土)朝に77,346ドルまで下落したあと、週末は78,858ドルで引けています(注3)。

週内の値動きと出来事の対応をチャートで示します。

ビットコイン価格と今週の出来事(1時間足)
ビットコイン価格と今週の出来事(1時間足)
# 日時(日本時間) 何が起きたか
8/24(月)21:12 Strategyが週次開示で、8/17〜8/23にビットコインの売買がなかったことを示しました。同時にMSTR株を約20億ドル分売却し、うち15.9億ドルでドル建て流動性プール「USD Cash」を新設しています(出典: The Block、8/24)
8/26(水)21:30 米7月PCE物価指数が前月比+0.2%・前年比+3.7%となりました(出典: 米商務省経済分析局の発表)。前年比は市場予想の3.6%を上回ったと報じられ、ビットコインは発表後に78,000ドル前後へ下落しました(注3、セクション8②)
8/27(木)5:20 NVIDIAの5〜7月期決算が売上962億ドル・調整後EPS2.22ドルとなり、いずれも市場予想を上回ったと報じられました(米国時間8/26引け後)。翌8/27は同社株が8%上昇し、テック株とビットコインが連動して上昇したと報じられています(出典: CoinDesk、8/27。セクション8③)
8/28(金)23:00 ウォルシュFRB議長がジャクソンホール経済シンポジウムで基調講演を行い、PCEインフレの12か月率3.7%・6か月率4.1%を挙げて物価安定を最優先とする姿勢を示しました(就任後初のジャクソンホール登壇。出典: FRBの講演録、セクション8①)。ビットコインは講演後に下落しました(注3)

週前半の上昇は、後述する現物ETFへの流入が支えでした。転機は②のPCE上振れで、そこから④の議長講演まで、マクロ側の材料が出るたびに80,000ドル台を維持できない展開が続いています。①のStrategyの開示は、最大の企業保有者の買いが2週連続で止まっていることを示しますが、当日の値動きへの目立った影響は確認できません(注3)。

需給面では、現物ETFが8/24(月)〜8/27(木)の4営業日で流入を続けたあと、8/28(金)分は2.0億ドルの流出に転じました。週合計は9.2億ドルの純流入で、前週の19.2億ドルから半減しています(注5)。

ビットコイン現物ETFの日次ネットフロー
ビットコイン現物ETFの日次ネットフロー

資金調達レート(決済期限のない無期限先物で、買い持ちと売り持ちの間で定期的に受け渡す手数料。注7)は、取得時点でHyperliquid年率+11.0%、Binance+7.6%、Bybit+7.5%です。買いと売りが釣り合った状態を示す基準水準(年率約11%、注7)に対しCEXの2市場が下回る売り寄りで、Hyperliquidは中立です。前週はHyperliquidだけが+18.8%と買い寄りでしたが、その傾きは1週間で解消しました。

直近30日で見ると、8月中旬までの62,000〜65,000ドル台のレンジを前週に上抜けたあと、今週は77,000〜81,000ドル台での値固めの位置にあります。

ビットコイン価格(直近30日)
ビットコイン価格(直近30日)

ビットコインを大量保有するDAT企業(デジタル資産トレジャリー企業。暗号資産の保有を主目的とする上場企業)の状況です。mNAV(株式時価総額が保有暗号資産の時価の何倍かを示す倍率、注10)とあわせて示します。

企業 上場市場 保有BTC 保有BTCの時価 株式時価総額 mNAV
Strategy(MSTR) 米国 840,447(8/23時点) 659億ドル 489億ドル 0.74
Metaplanet(3350) 日本 43,000(8/18時点) 34億ドル 28億ドル 0.82
Strive(ASST) 米国 21,356(8/24時点) 17億ドル 19億ドル 1.11

Strategyはビットコインの売買を止めたまま、自社株式の市場売却で約20億ドルを調達したと報じられています(上表①)。Striveは8/24の開示で1,110BTCを買い増し、保有を21,356BTCとしています(出典: SoSoValue集計、注10)。mNAVはStriveが1.11と、表の3社で唯一1倍を上回りました(前週は0.99)。Metaplanetの株価は8/28終値で346円と、前週終値の306円から13.1%上昇し、mNAVは0.82へ上昇しています(前週0.77。注10)。

3. イーサリアム(ETH): 週内の値動きと出来事

イーサリアムは2,472.37ドル(約39.5万円、注9)で、7日間で+1.9%と、ビットコインと同水準の小幅な上昇でした(注2)。時価総額全体に占める比率は11.3%で、前週から0.1pt上昇しています。

イーサリアム価格(直近30日)
イーサリアム価格(直近30日)

イーサリアムの現物ETF(米国上場)は5営業日全てで流入し、週合計8.2億ドルの純流入でした(注5)。前週の6.97億ドルから増加し、8/17から数えて10営業日連続の流入です。週合計の絶対額ではビットコイン(9.2億ドル)がなお上回りますが、ビットコイン側が流出に転じた8/28(金)もイーサリアムは1.0億ドルの流入を維持しており、流入の持続性ではイーサリアムが優位でした。

イーサリアム現物ETFの日次ネットフロー
イーサリアム現物ETFの日次ネットフロー

資金調達レートは取得時点でHyperliquid・Bybitが年率+11.0%と基準水準どおりの中立、Binanceが+9.1%とわずかに下回る水準です(注7)。先物の傾きに目立った偏りはありません。

イーサリアムを大量保有するDAT企業の状況です(注10)。

企業 上場市場 保有ETH 保有ETHの時価 株式時価総額 mNAV
BitMine Immersion(BMNR) 米国 5,847,611(8/23時点) 145億ドル 144億ドル 0.99
SharpLink Gaming(SBET) 米国 888,938(8/3時点) 22億ドル 18億ドル 0.81

BitMine Immersionは8/24に、保有が約584.8万ETH(8/23時点。当社計算でETHの流通供給量の約4.8%、注10)に達し、暗号資産・現金等の合計が149億ドルになったと公表しました。このうち約506.7万ETHをステーキング(トークンを預けて報酬を得る仕組み)に回しています(出典: 会社公表、8/24)。SharpLink Gamingの保有量の直近の公表値は8/3時点の888,938ETHのままで、mNAVは0.81です(前週0.79。注10)。

4. 主要銘柄と注目銘柄|±10%動意は13銘柄に収縮、上昇側は個別材料型

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