対象期間: 8/26(水)〜9/1(火) / データ取得日: 2026-09-02(水) / 公開日: 2026-09-02(水)
本レポートは、特定の取引所やサービスの利用を推奨するものではありません。Hyperliquidを定点観測の対象とするのは、オンチェーン金融の中で取引量が最も大きく、資金の流れ・商品の広がり・収益構造の変化を数字で観測できるためです。オンチェーン金融のいまを掴むための市場観測レポートとして、読者のみなさま向けに毎週発行します。数値は公開データの当社集計に基づく情報提供であり、投資勧誘・投資助言を目的としません。
今週の目次
- 週間取引高とDEXシェア
- 資金フロー
- 銘柄別Top30とRWAシェア
- HYPE
- HIP-3市場
- ボルト
- ステーブルコイン・担保基盤
- 今週の出来事
- Hyperliquid LabsがKraken親会社と米国向けperp提供を協議とBloombergが報道
- HYPEの上場来高値更新と、月次アンロック約1,418万枚の予定日が同じ週に重なった
- HIP-3市場「HyENA」が運営終了を告知し、8/31から全市場の廃止を開始
- アナリストコメント
1. 週間取引高とDEXシェア|取引高は588億ドルへ37%減少した一方、未決済建玉は増加した
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 週間perp取引高(8/26〜9/1) | 588億ドル(約9.4兆円) | 当社集計(注1) |
| 前週比 | -37.2%(前週936億ドル) | 同上 |
| 日次ピーク | 8/27の117億ドル | 同上 |
| デリバティブDEXシェア(主要11社ベース) | 50.0%(分散型を名乗る全23社では42.9%) | CoinGecko(注2) |
| 主要デリバティブDEX11社の合計取引高(推計) | 週約1,180億ドル | 当社推計(注2) |
| OI(未決済建玉、注9) | 136.7億ドル(9/2朝時点。前回取得の8/26昼は130.5億ドル) | Hyperliquid公式データ |
perp(無期限先物。決済期限がなく持ち続けられる先物取引)の週間取引高は588億ドルで、前週の936億ドルから37.2%減少しました。前週は米大統領の発言と同じ週に取引が2.6倍に増加した週であり、その反動が出た形です。週約9.4兆円という規模は、東証プライム市場の1日平均売買代金10兆4,501億円(2026年8月、出典: 日本取引所グループ)の約0.9日分に相当します。月間に換算すると約40.8兆円で、JPXのデリバティブ市場全体(同月290兆円)の14.1%です(注1)。

日次の内訳では、週前半の8/26(水)〜8/28(金)が97億〜117億ドルで推移し、8/30(日)に29.6億ドルまで落ち込んだ後、8/31(月)に94.8億ドルへ回復しました。前週の日次ピーク(8/20の198億ドル)と比べると、週内の最大値でも6割弱の水準です(注8)。
取引の減少とは対照的に、OI(未決済建玉。決済されずに残っているポジションの総額、注9)は136.7億ドルと前回取得時点から4.8%増加しました。取引が減少する中でポジションの名目額は増加しており、売買を繰り返すよりも建てた玉を持ち越す動きが優勢だった週と読めます(OIは名目額のため、価格の上昇分も含みます。注9)。資金調達レート(perpの買い方と売り方の間で授受される調整金利)の週間平均は年率でBTC 10.7%、ETH 9.8%、HYPE 7.9%でした。前週(BTC 11.5%、ETH 10.5%、HYPE 23.6%)と比べ、前週に買いが集中していたHYPEの水準は3分の1になりました。需給が中立でも年率4%台半ばになる設計を差し引いた偏りの部分では、約19ポイントから約3.5ポイントへ5分の1程度に縮小しています(注8)。
perpを扱うDEX(分散型取引所。企業ではなくブロックチェーン上のプログラムが運営する取引所)の中でのシェアは、主要11社ベースで50.0%と前週の51.8%から1.8ポイント低下しました。11社合計の取引高も週約1,180億ドルと推計され、前週の約1,810億ドルから市場全体が縮小しています。Hyperliquidの減少率が市場平均をわずかに上回った週です(注2)。

2. 資金フロー|残高は68.3億ドルで横ばい、前週に入った資金は場内に残った
取引の元手となるチェーン上のステーブルコイン残高(97.8%がUSDC、注3)は68.3億ドルで、対象週の増減は+0.3億ドルとほぼ横ばいでした。前週に6.2億ドルの流入超過があった後、その資金が引き揚げられることなく場内に残った週です。週の途中では8/27に67.6億ドルまで減少した後、8/30に68.7億ドルまで回復しており、週内の振れ幅は約1.2億ドル(丸め前の差は1.17億ドル)にとどまりました(注3)。

資金の総量が動かないまま、取引だけが減少した週でした。週間出来高を預かり資産の総額(セクション7のTVL、67.0億ドル)で割った回転数は8.8回で、前週の14.0回から低下しています(注8)。回転数の低下とOIの増加が同時に起きており、入った資金が短期の売買ではなく持ち越しのポジションに向かったと読めます。参考値として見ているArbitrumブリッジ経由の入出金は、対象週は0.2億ドルの入金超過(入金2.96億ドル、出金2.76億ドル)で、前週の1.1億ドルの出金超過から反転しました。ブリッジの残高は3.52億ドルです(注3)。
3. 銘柄別Top30とRWAシェア|暗号資産の取引が4割減少し、RWAシェアは25.2%へ上昇
週間出来高の上位30銘柄は次のとおりです(週間出来高ベース、注4)。
| 順位 | 銘柄 | 市場 | 週間出来高(百万ドル) | 前週比 | 区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | BTC | 本体 | 20,228 | -38.7% | 暗号資産 |
| 2 | ETH | 本体 | 7,969 | -53.0% | 暗号資産 |
| 3 | HYPE | 本体 | 4,495 | -39.7% | 暗号資産 |
| 4 | SOL | 本体 | 3,887 | +11.5% | 暗号資産 |
| 5 | ZEC | 本体 | 2,197 | -25.3% | 暗号資産 |
| 6 | SKHX(SK hynix) | xyz | 1,773 | -43.8% | 株式 |
| 7 | NVDA(NVIDIA) | xyz | 1,189 | +181.0% | 株式 |
| 8 | XYZ100(株価指数) | xyz | 1,174 | -22.2% | 指数 |
| 9 | CL(WTI原油) | xyz | 1,021 | +56.5% | コモディティ |
| 10 | SNDK(SanDisk) | xyz | 1,012 | -49.6% | 株式 |
| 11 | SP500(S&P500) | xyz | 964 | -32.5% | 指数 |
| 12 | PUMP | 本体 | 837 | -28.4% | 暗号資産 |
| 13 | SILVER(銀) | xyz | 705 | +15.1% | コモディティ |
| 14 | MU(Micron) | xyz | 681 | -31.0% | 株式 |
| 15 | XRP | 本体 | 642 | -71.9% | 暗号資産 |
| 16 | DRAM(メモリ株ETF) | xyz | 641 | -39.2% | 指数 |
| 17 | GOLD(金) | xyz | 583 | +19.3% | コモディティ |
| 18 | SPCX(SpaceX) | xyz | 513 | -45.3% | 株式 |
| 19 | BRENTOIL(ブレント原油) | xyz | 461 | -4.4% | コモディティ |
| 20 | SKHY(SK hynix・別建て銘柄) | xyz | 348 | -54.1% | 株式 |
| 21 | ENA | 本体 | 340 | -20.4% | 暗号資産 |
| 22 | SMSN(Samsung) | xyz | 309 | -47.8% | 株式 |
| 23 | CRCL(Circle) | xyz | 295 | -22.8% | 株式 |
| 24 | TRUMP | 本体 | 258 | -42.8% | 暗号資産 |
| 25 | LIT | 本体 | 246 | -51.7% | 暗号資産 |
| 26 | SNDK(SanDisk) | io | 230 | +176.5% | 株式 |
| 27 | XMR | 本体 | 191 | +21.8% | 暗号資産 |
| 28 | FARTCOIN | 本体 | 187 | -32.4% | 暗号資産 |
| 29 | CASHCAT | 本体 | 175 | +18.6% | 暗号資産 |
| 30 | META(Meta) | xyz | 171 | +24.2% | 株式 |
株式・指数・コモディティ・FXなど現実資産(RWA)のperpが週間取引全体に占める「RWA取引シェア」は25.2%で、前週の21.3%から3.9ポイント上昇しました(注4)。ただしこの上昇は、RWA銘柄の取引が増加したためではありません。RWA系perpの取引金額は148.0億ドルと前週から25.9%減少しており、分母の大半を占める暗号資産の取引が736.5億ドルから440.0億ドルへ40.2%減少したことで、割合として押し上げられました。内訳は株式14.7%、指数5.5%、コモディティ4.9%、FX・債券0.1%です(前週は株式13.8%、指数4.9%、コモディティ2.5%、FX・債券0.1%)。

減少分348億ドルの内訳は、BTCが128億ドル(減少分の37%)、ETHが90億ドル(同26%)、HYPEが30億ドル(同9%)で、本体市場の主要3銘柄で7割を占めます。本体市場全体で減少分の85.1%、xyz市場が15.8%です(io市場などが増加したため、合計は100%を超えます。注8)。一方、減少の中でも増加した銘柄があります。NVIDIA(+181.0%)は前週の4.2億ドルから11.9億ドルへ2.8倍になり、xyz市場の株式で最大の増加でした。WTI原油(+56.5%)、金(+19.3%)、銀(+15.1%)のコモディティ3銘柄も増加しており、コモディティ区分のシェアは2.5%から4.9%へ倍増しています。前週に取引が集中したSK hynix(-43.8%)は4割強、SanDisk(-49.6%)はほぼ半減の減少でした。
4. HYPE|上場来高値86.71ドルを付けた週に、買い戻しは半減した
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