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今週のオンチェーン金融2026年9月11日

米シティが日本企業向けにトークン化預金の海外送金を年内にも開始と報道、Nasdaqはトークン化株式でKraken親会社へ約154億円出資

対象期間: 9/4(金)12:00〜9/11(金)12:00 / 公開日: 2026-09-11(金)

今週の重要テーマ(編集部ピックアップ)

ブロックチェーン総研編集部が今週の重要テーマをピックアップしました。日本の金融プレイヤーの意思決定への影響が大きいと考える順に、国内外を分けずに並べています。

  1. 米シティ、日本企業向けにトークン化預金による海外送金を年内にも開始と報道(9/9)
  2. Nasdaq、Kraken親会社Paywardへ1億ドル出資しトークン化株式を2027年第2四半期に開始予定(9/10)
  3. SBI新生信託銀行、円建てステーブルコイン「JPYSC」の裏付け資産10億円を短期国債で運用開始(9/7)
  4. 山陰合同銀行、NTTデータ・Securitize Japanと社債型セキュリティトークンの発行を検討、実現すれば地銀本体で初(9/8)
  5. 米U.S. Bank、独自ステーブルコイン「USBDC」でパブリックチェーン上の実証取引を完了(9/9)
  6. Visa、ステーブルコインによる精算額が年率200億ドル超に拡大しオンチェーン融資を精算データと接続(9/8)
  7. Circle、シンガポールの越境決済Tazapayの買収に合意し現地通貨への払い出し網を取得(9/8)
  8. Liquid Network、検証ソフトの不具合で約4,000BTCが流出し約85%が返還(9/6)

1. 米シティ、日本企業向けにトークン化預金による海外送金を年内にも開始と報道(9/9)

米シティグループが、トークン化預金(注2)を使った海外送金サービスを日本企業向けに2026年内にも開始する方針だと、日本経済新聞が9月9日に報じました。報道によれば、同社サービス部門のグローバル責任者シャミール・カリク氏が取材で明らかにしたもので、外資系金融機関による日本企業向けの同種サービスとしては初になると報じられています。利用企業は、シティが米国、英国、シンガポール、香港、アイルランドに持つ拠点との間で、夜間や休日でも外貨を即時に送金できると伝えられています。銀行間でSwiftの共有台帳を使う別の経路でも動きがあり、シンガポールのDBS銀行は9月7日、9月5日(土)にシティのニューヨーク拠点との間で、この台帳上のトークン化預金を使った米ドル送金を数分で決済したと発表しました。出典: 日本経済新聞あたらしい経済CoinPostDBSの発表

編集部コメント: 国内では3メガバンクが円建てステーブルコインの共同発行を2026年度中に始める計画を進め(3行の発表)、金融庁も決済高度化プロジェクトでトークン化預金の銀行間移転を支援しています(金融庁の実績評価書)。その途中で、外資系銀行が日本企業とシティの海外拠点との間の外貨送金を24時間化する商品を先に出す形になります。邦銀にとっては、自行のトークン化預金や共同ステーブルコインの商品化時期を判断する材料になります。

2. Nasdaq、Kraken親会社Paywardへ1億ドル出資しトークン化株式を2027年第2四半期に開始予定(9/10)

米Nasdaqは9月10日、暗号資産取引所Krakenの親会社Paywardとの関係を拡大し、投資部門のNasdaq Venturesが1億ドルを出資すると発表しました。両社は、Nasdaq上場株式をブロックチェーン上のトークンとして表現する「Nasdaq Equity Tokens(NET)」(注3)の運用・商業インフラの整備を進め、2027年第2四半期の開始を見込んでいます。Paywardは、暗号資産から株式、先物、オプションまでの自社の取引拠点にNasdaqの市場監視技術を導入します。CNBCの報道によれば、今回の出資でPaywardの企業価値は210億ドルと評価されました。米証券取引委員会(SEC)は2026年3月18日、上場株式をトークン化された形で取引・決済することを認めるNasdaqの規則改正を承認しています。出典: Nasdaqの発表CNBCSECの承認命令(連邦公報)

編集部コメント: 上場株式のトークン化を、発行体と無関係の第三者ではなく取引所自身が株主の権利を保ったまま進め、暗号資産取引所を販路と決済層に使う構成です。日本では振替株式をトークンの形で表す受け皿の整備が前提になるため、同じ構成をそのまま持ち込めませんが、取引所・証券会社・暗号資産交換業者の役割分担の参照例になります。

3. SBI新生信託銀行、円建てステーブルコイン「JPYSC」の裏付け資産10億円を短期国債で運用開始(9/7)

SBI新生信託銀行、SBIホールディングス、SBI VCトレードの3社は9月7日、信託型の円建てステーブルコイン「JPYSC」の裏付け資産のうち10億円について、償還までの期間が3か月以内の短期国債による運用を開始したと発表しました。2026年6月1日に施行された改正資金決済法と関係法令で、信託型ステーブルコインの裏付け資産は一定の要件のもとで発行額の50%を上限に短期国債や定期預金で運用できるようになっており、今回はこの枠組みを使ったものです(注4)。3社によれば、9月7日時点のJPYSCの発行残高は約201億円相当、SBI VCトレードのJPYSCレンディングの申込分は約69億円相当で、3社は両者を合わせた規模を約270億円相当としています。出典: SBI VCトレードの発表あたらしい経済

編集部コメント: 6月に施行された裏付け資産の運用の柔軟化を、発行済みの円建てステーブルコインで実際に使った公表例です。運用益の帰属と信託報酬の設計が、預金だけで裏付ける形とは別の論点になります。3メガバンクの共同ステーブルコインも信託契約に基づく発行であり(3行の発表)、同じ運用枠を使うかどうかが設計上の選択肢になります。

4. 山陰合同銀行、NTTデータ・Securitize Japanと社債型セキュリティトークンの発行を検討、実現すれば地銀本体で初(9/8)

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