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特集・調査2026年10月30日

NYSEの親会社が、Hyperliquidの上で取引所を運営へ|ICEがtrade.xyzに出資、24時間の株式perpを米国の規制市場へ持ち込む計画

ニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に持つ米Intercontinental Exchange(ICE)が、ブロックチェーン上の取引所Hyperliquidで株式や原油の先物を24時間取引できる市場を運営するtrade.xyzに出資し、同じ市場を米国の規制の下で開く計画を2026年10月29日に発表しました。これまで米国の個人は、週末や夜間にも値が付くこの市場を外から見ているだけでした。計画が承認されれば、ICEが運営者になり、米国の証券会社や先物業者を通じて取引できるようになります。本記事では、ICEのプレスリリースとtrade.xyzの発表、Hyperliquidの公式データをもとに、発表の中身、米国市場の設計、ICEの狙いを整理し、日本の取引所と証券会社への含意をまとめます。

  1. 何が発表されたのか|戦略出資と、規制下の米国市場の単独運営
  2. trade.xyzとは|Hyperliquidの株式・コモディティ取引の大半を担う市場
  3. 米国市場の設計|取引はチェーン、本人確認と清算は規制業者
  4. ICEの狙い|機関投資家が99%超の取引所が、個人の24時間取引へ
  5. アナリストコメント

1. 何が発表されたのか|戦略出資と、規制下の米国市場の単独運営

ICEは10月29日、trade.xyz(社名表記はTrade[XYZ])と、同社の無期限先物(perp、注1)の市場を米国の規制の枠内に移す最終契約を結んだと発表しました。ICEはtrade.xyzの規制下の市場の単独の運営者となり、規制上の承認を得て、個人向けの新しい市場と清算(注2)の仕組みをHyperliquid上に構築する計画です。あわせてICEはtrade.xyzに戦略的な出資をします。出資額は開示されておらず、ICEはこの出資による2026年の調整後業績、株主還元、負債削減の計画への重要な影響はないと見込んでいます(出典: ICEのプレスリリース、10月29日)。

trade.xyzの発表によれば、計画は米商品先物取引委員会(CFTC)の承認が前提で、米国専用の取引所と清算の基盤をHyperliquid上に作ります。対象は株式、株価指数、コモディティ、為替、暗号資産の契約で、取引は参加する証券会社やプラットフォームを通じて行います。米国の市場は「ICE[XYZ]」の名前で示されました。商品、利用できる人の条件、開始時期は承認の進み具合に応じて公表するとしています。計画には少数の著名な市場関係者も加わり、その1人目が著名投資家のスタンレー・ドラッケンミラー氏です。既存のHIP-3の市場は、米国の市場と並行して拡充を続けるとしています。

両社の発表は、時期と手続きの具体を示していません。現時点で決まっているのは、ICEが出資と運営の役割を引き受けたことと、承認を得るまで米国の個人は取引できないことです。

2. trade.xyzとは|Hyperliquidの株式・コモディティ取引の大半を担う市場

Hyperliquidには、所定の量のHYPE(Hyperliquidのトークン)を預けた事業者が自らperpの市場を開ける仕組み「HIP-3」(注3)があります。trade.xyzはこの仕組みでxyzという市場を運営し、米国株、株価指数、原油や金などのコモディティを参照するperpを24時間取引できるようにしています。2026年3月には、S&P Dow Jones IndicesからS&P 500の名称の使用許諾を受けたと発表し、同社が「公式にライセンスされた初のS&P 500のperp」とする銘柄を米国外の適格な利用者向けに上場する計画を示しました(出典: The Blockの報道、3月18日)。この銘柄(SP500)は、10月30日時点でxyz市場で取引されています(当社確認)。

trade.xyzは、Hyperliquid上の同社の市場の累計取引高が1年あまりで6,500億ドルを超えたとしています。当社の集計で見た規模は次のとおりです。

指標 値 時点
取引できる銘柄数 120 2026年10月30日
建玉(注4) 39.0億ドル 2026年10月30日
Hyperliquid全体の建玉に占める比率 25.4% 2026年10月30日
HIP-3の市場全体の建玉に占める比率 97.5% 2026年10月30日
Hyperliquid全体の週間取引高に占める比率 34.6% 10月21日〜27日の週

Hyperliquidの週間取引高の約3分の1がxyz市場で生まれ、HIP-3で開かれた市場の建玉はほぼ全てがxyz市場にあります。外部の事業者に開かれた仕組みでありながら、株式やコモディティの取引は事実上trade.xyzの1社が担っている構図です。

trade.xyzの市場(xyz)の24時間取引高 上位10銘柄
trade.xyzの市場(xyz)の24時間取引高 上位10銘柄

直近24時間の取引高の上位には、SK hynix、Alphabet、Intel、Micronなどの半導体・テクノロジー株と、WTI原油、米国株価指数が並びます。米国の取引所が閉まっている時間帯にも、これらの銘柄には価格が付いています。trade.xyzは発表の中で、自社の市場が伝統的な市場の閉まっている時間の価格の目安として、個人と機関の双方に使われていると述べています。

3. 米国市場の設計|取引はチェーン、本人確認と清算は規制業者

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