対象期間: 10/30(金)12:00〜11/6(金)12:00 / 公開日: 2026-11-06(金)
今週の重要テーマ(編集部ピックアップ)
ブロックチェーン総研編集部が今週の重要テーマをピックアップしました。日本の金融プレイヤーの意思決定への影響が大きいと考える順に、国内外を分けずに並べています。
- 金融庁の研究会がステーブルコインの100万円の移転上限と銀行本体による発行を議論、JPYCとSBI VCトレードは上限の見直しを要望し全国銀行協会は慎重な検討を求める(11/2)
- 農林中金グループがデジタル証券に初参入、ProgmatでケネディクスやSBI証券と不動産STを組成へ(11/5)
- Binanceが不正出金の初期調査を公表、開発ツールの改ざんと偽の採用面接が侵入の起点で影響額は約63.4億ドル、98%を補填しFBIは北朝鮮の関与と発表(10/31〜11/3)
- デジタル証券の基盤を提供するSecuritize Japanに不正アクセス、ソニー銀行とNTTデータのサービスで顧客情報が漏えいし取引を停止(10/30〜11/4)
- 三菱UFJ銀行やJPモルガンなど5機関がシンガポールでGL1 Orgを設立、トークン化市場の共通標準づくりを業界主導へ(11/4)
- SBI VCトレードのJPYSCのレンディング残高が100億円を突破、取扱残高は300億円超(11/2)
- CircleがUSDCの流通額739億ドルの7〜9月期決算を発表、シンガポールの企業間送金のTazapayを買収へ(11/4)
- 香港金融管理局がトークン化預金の銀行間決済を24時間365日に拡大、参加銀行は12行に(11/2)
- 米中間選挙後、下院民主党がSECの権限を広げる暗号資産の市場構造法案を次の議会で検討と報道(11/4〜11/5)
- 米CFTCが個別株の無期限先物の取引を認める、SECにも登録した取引所が対象(11/3)
1. 金融庁の研究会がステーブルコインの100万円の移転上限と銀行本体による発行を議論、JPYCとSBI VCトレードは上限の見直しを要望し全国銀行協会は慎重な検討を求める(11/2)
金融庁は11月2日、「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」の第2回を開きました。事務局資料は、ステーブルコイン(注4)の裏付け資産、1件100万円の移転上限(注5)、レンディング(注6)、銀行など預金取扱金融機関の本体による発行とトークン化預金(注7)の4点を論点に挙げました。裏付け資産は、信託型について発行額の50%を上限に短期の国債と中途解約できる定期預金での運用が2026年6月に認められており、今回は海外の規制の動向を踏まえて現行の制度をどう考えるかを問うています(研究会の議事次第)。
ヒアリングでは、JPYCが、自治体や企業が給付金や給与の原資をまとめてJPYCに換える発行の段階で上限に当たると説明しました。1人5万円を10万人に配る給付では、原資50億円の発行が5,000回に分かれるとの試算を示し、全額保全と償還義務を条件に発行の上限を見直すよう求めています。SBI VCトレードは、米ドル建てのUSDCとRLUSDに1回100万円の移転と保有の上限がかかり、法人の利用の妨げになっているとして、日本の制度との同等性を要件とする4号電子決済手段(RLUSDが該当)の上限の撤廃を要望しました。全国銀行協会は、現行の枠組みを維持したまま上限だけを撤廃または緩和することは極めて慎重に検討すべきとし、高額の取引は認可制の第一種資金移動業で扱うことが基本になるとの見解を示しました。銀行本体による発行についても、直ちに進めるべき具体的なニーズは明確になっていないとしています。
編集部コメント: 1件100万円の上限は、給付や給与のように受取人ごとの金額が小さい用途でも、原資をまとめて発行する段階で効いています。発行体と取扱業者が見直しを求め、銀行界は高額の取引を既存の厳格な区分で扱うべきだと主張しており、上限を見直すかどうか、見直すならどの用途や類型に限るかが、今後の制度設計の焦点になります。自治体の給付や企業の支払いでステーブルコインの利用を検討している事業者は、研究会の議論を設計の前提として追う必要があります。
