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週刊ステーブルコイン2026年8月11日

総残高は13週で140億ドル減少、円建ては239億円に増加

対象期間: 8/3(月)〜8/9(日) / データ取得日: 2026-08-10(月) / 公開日: 2026-08-11(火)

本レポートは、特定の発行体やサービスの利用を推奨するものではありません。ステーブルコインを定点観測の対象とするのは、トークン化された資産の中で発行規模が最も大きく、発行量・流通チェーン・使われ方の変化を数字で観測できるためです。オンチェーン金融のいまを掴むための市場観測レポートとして、読者のみなさま向けに毎週発行します。数値は公開データの当社集計に基づく情報提供であり、投資勧誘・投資助言を目的としません。

目次

  1. 円建てステーブルコイン
  2. ドル建てステーブルコイン(全体と定点10銘柄 / USDC / USDT / 価格ウォッチ)
  3. 1週間の出来事
    • JPYCがシリーズB累計約60億円の調達を発表
    • ローソンがPOSレジでのステーブルコイン決済の実証実験を発表
    • RippleがRLUSDを約1.33億ドル新規発行と報道
  4. 所感

1. 円建てステーブルコイン

円建ての残高は合計239.2億円で、前週から1.2億円(+0.50%)増加しました(注5)。

銘柄 発行者と型 残高(8/10時点) 前週差
JPYSC SBI新生信託銀行(信託型) 200.5億円 ほぼ横ばい(-0.04億円)
JPYC JPYC株式会社(資金移動業型) 流通27.5億円 +1.2億円(+4.7%)
GYEN GMO Trust(米国の信託会社) 10.2億円 ほぼ横ばい(-0.00億円)
その他 CJPY等 1.1億円

上位2銘柄は、JPYSCが信託型、JPYCが資金移動業型と、日本の制度上の枠組みが異なります(それぞれの仕組みは注5)。

首位は信託型のJPYSCです。SBIグループのSBI新生信託銀行がStartale Groupと組み、6月24日に先行提供を始めました(出典: SBIホールディングス https://www.sbigroup.co.jp/news/2026/0624_16425.html )。発行残高は7月31日、約100億円の発行(6件)と約16億円の償還の差引で1日に83.7億円増加し、116.8億円から200.5億円になりました。その後は200億円台で推移しています。この発行と償還は、Ethereum上の取引記録で当社が直接確認したものです(注5)。

JPYCは流通残高が27.5億円(前週比+4.7%)と、円建ての中では今週最も増減が大きかった銘柄です。発行済みの88.1億円は変わらないまま、発行体の保有分(60.5億円)から1.2億円が市場に移りました。チェーン(ステーブルコインが発行・流通する基盤のブロックチェーン)別では、Kaiaが流通の69%(19.1億円)を占め、Ethereum・Polygon・Avalancheの合計を上回ります。JPYC社は8月5日にシリーズB累計約60億円の調達を発表しており(セクション3)、流通の増加が続くかが次の観測点になります(注9)。

13週前の5月10日時点では、円建ての合計は約44.4億円でした(注5)。JPYSCの登場で、円建て市場の規模は3か月で5倍を超えています。

2. ドル建てステーブルコイン

2-1. 全体と定点10銘柄

指標 数値 出典
ドル建て総残高(8/10時点) 3,063億ドル DefiLlama(注1)
前週差 +4.8億ドル(+0.16%) 同(注2)
直近13週 -140億ドル(-4.4%) 同(注2)
年初来 +0.1% 同(注2)
1年前比 +13.9% 同(注2)

円換算で約48.5兆円(158.34円/ドル、注6)という規模は、日本の外貨準備高1兆2,871億ドル(2026年7月末、財務省)の約24%にあたります。1年前より14%大きい一方で、年初からはほぼ横ばいです。1月から5月にかけて3,209億ドルまで拡大した後、5月中旬からの13週のうち8週で残高が減少し、水準はピークを4.6%下回っています(図1)。今週は増加側の週でしたが、縮小局面の中の小幅な回復にとどまります。

定点観測する10銘柄です。合計でドル建て全体の93%を占めます(注3)。

銘柄(発行体・運営) 残高(億ドル) 前週差(百万ドル) 前週比
USDT(Tether) 1,826 -688 -0.38%
USDC(Circle) 723 +332 +0.46%
USDS(Sky) 67 +133 +2.02%
DAI(Sky、旧MakerDAO) 48 -9 -0.20%
USD1(World Liberty Financial) 40 +12 +0.31%
USDe(Ethena) 39 +60 +1.56%
USDG(Paxos系) 34 +56 +1.65%
PYUSD(PayPal) 28 +69 +2.57%
RLUSD(Ripple) 16 +98 +6.73%
USDD(トロン系) 15 +139 +10.19%

今週の前週差+4.8億ドルは、増加した銘柄の合計+13.4億ドルと、減少した銘柄の合計-8.6億ドルの差引です(注3)。増加側はUSDC(+3.3億ドル)を筆頭にUSDD、USDS、U(United Stables)、RLUSDなどへ広く分散する一方、減少側は8割をUSDT(-6.9億ドル)が占める一極でした。

直近13週の純減は140億ドルです。銘柄別に把握した減少分(約160億ドル)は、USDT(64億ドル)、USDC(57億ドル)、USDS(21億ドル)の3銘柄が9割弱を占め、増加側の最大はUSDG(+7.6億ドル)でした(注4)。減少額では大手2銘柄が総額を押し下げた3か月です。

チェーン別では、USDTとUSDDの増加が重なったTron(+2.7億ドル)が増加側の中心で、Avalanche(+0.8億ドル)、RLUSDが発行されるXRP Ledger(+0.7億ドル、+8.8%)、BSC・Base(各+0.7億ドル)、Stellar(+0.6億ドル、+7.3%)が続きます。減少側では、ステーブルコイン特化をうたう新興チェーンPlasma(-1.7億ドル、-16.7%)が最大で、Polygon(-1.0億ドル)、Solana(-0.8億ドル)と続きます(注3)。残高首位のEthereumはほぼ横ばいでした。Hyperliquid L1は62.1億ドルで5位に入っており、この中身は姉妹レポートの週刊Hyperliquidが毎週追っています。

2-2. USDC: 増加はSolanaに集中

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