韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は、政府機関の経費をブロックチェーン基盤のデジタル通貨で支払う実証事業について、規制特例を承認したと発表しました。この事業では、銀行預金を基盤とする「預金トークン」を活用し、公務員がスマートフォンのQRコード決済を用いて運営経費の支払いを行います。現行法の枠組みを超えて公的機関の決済に預金トークンとスマートコントラクトを導入し、業務効率化や不正防止を図る試みとして注目されます。
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規制サンドボックス指定による法的課題の解消と参加銀行
今回の実証事業は、9月21日に開催されたICT規制サンドボックスの審議委員会において実証特例に指定され、翌9月22日に科学技術情報通信部から発表されました。
現行の韓国における国庫金管理法では、対象経費の支払い手段が政府購入カードや銀行振込に限られており、デジタル通貨を充当するための法的な根拠がありませんでした。今回の特例指定によって法的課題が整理され、実証段階としてデジタル通貨による支払いが可能になります。
本事業には、民間および政策金融を含む主要銀行が参画します。参加行として名を連ねているのは、KB国民銀行、NH農協銀行、新韓銀行、ウリィ銀行、IBK企業銀行(中小企業銀行)、ハナ銀行の計6行です。
預金トークンとスマートコントラクトがもたらす利点
実証で利用されるのは、銀行預金を裏付けとして発行されるデジタルな支払い手段である預金トークンです。公務員は、金融決済院が提供する共通アプリを利用し、スマートフォンのQRコード決済を通じて経費を支払います。
この仕組みの導入により、従来の決済手段に比べて手数料を抑制できるほか、代金の即時精算が可能になります。加盟店が代金をすぐに受け取れるようになるため、小規模事業者の資金繰り改善に寄与すると科学技術情報通信部は期待を寄せています。
さらに、あらかじめ設定した条件に従って処理を自動実行する技術であるスマートコントラクトの活用も想定されています。購入できる品目の制限や自動精算をシステム上で制御することで、経費の不正利用を防止し、事後監査に関わるコストを削減する狙いがあります。
世宗市を中心とする計画と今後のスケジュール
韓国の財政経済部は、4月の段階で業務推進費などの政府機関運営経費に預金トークンを活用する方針を示していました。4月16日の発表時点では、2026年第4四半期に世宗(セジョン)市を中心として実証を開始し、その成果を踏まえて適用範囲を段階的に拡大する計画が提示されていました。
なお、今回の9月の発表においては、実証の具体的な利用開始日についての明記は行われていません。
ポイント
- 韓国の科学技術情報通信部がICT規制サンドボックスの特例を承認し、国庫金管理法上認められていなかったデジタル通貨による政府経費支払いの実証が可能になりました。
- KB国民銀行や新韓銀行など国内の6銀行が参加し、公務員が共通アプリのQRコード決済を用いて預金トークンで支払う体制を整えます。
- 即時精算による小規模事業者の資金繰り改善や手数料削減に加え、スマートコントラクトによる品目制限と自動精算によって不正防止や監査コスト削減が見込める点で重要です。
- 財政経済部は4月時点で2026年第4四半期に世宗市から段階的に開始する計画を示していましたが、今回の発表では具体的な開始日は明記されていません。
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