分散型クロスチェーンプロトコルのTHORChainは、暗号資産取引所Bitgetから流出した約3億8,700万ドル規模の不正資金に関連するアドレスの遮断を拒絶しました。Bitget側は盗難資産の移動を食い止めるためプロトコル側に取引の停止を要請したものの、THORChain側は検閲を行わない分散型の原則を主張しているとされています。過去の自社被害時にはシステムを一時停止した経緯があることから、分散型金融における中立性と責任の所在を巡って業界内で議論が巻き起こっています。
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不正流出資金の遮断要請とパーミッションレスの主張
Bitgetにおいて発生したセキュリティインシデントでは、約3億8,700万ドルにのぼる暗号資産が不正に流出しました。攻撃者は盗難した資産を追跡困難なビットコイン等へ変換するため、本人確認なしで異なるブロックチェーン間のトークン交換を可能にするTHORChainを経由させたと報告されています。
これに対し、BitgetのCEOであるGracy Chen氏は、公開追跡されている攻撃者のウォレットアドレスへのサービス提供を拒否するようTHORChain側に公に求めました。しかしTHORChain側は、ビットコインやイーサリアムと同様にプロトコル自体は誰に対しても開かれたパーミッションレス(無許可型)な基盤であると主張し、特定の取引をブロックする責任はないとして要請を拒否したとされています。
5月のプロトコル一時停止を巡る業界内の議論
THORChainによる今回の対応に対しては、業界内からその一貫性を問う批判の声が上がっています。入力テキストおよび関係者の指摘によると、THORChainは2026年5月に約1,000万ドルのVault(資金保管庫)被害が発生した際、プロトコル自体の動作を一時停止させた過去を持っています。
自社の資金流出時にはシステム停止の措置を講じた一方で、外部取引所における3億8,700万ドル規模のハッキング資金については分散型の理念を盾に対応を拒絶している形となり、プロトコルの検閲耐性と不正資金対策の境界線を巡って対立が深まっています。
ポイント
- THORChainが、Bitgetから流出した3億8,700万ドルのハッキング資金に関連するアドレスの遮断を拒絶した点
- 攻撃者がクロスチェーン機能を利用して資産変換を図る中、プロトコル側は分散型かつ無許可型の設計を理由に取引停止に応じない方針を示した点
- 2026年5月に発生した約1,000万ドルの自社Vault被害時にはシステムを一時停止した経緯があり、対応の二重基準を巡って批判が生じている点
- 分散型プロトコルの検閲耐性という理念と、大規模な犯罪資金の移動防止に対する責任のあり方が問われている点
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