米国の予測市場プラットフォームであるカルシが、約10億ドル(約1570億円)の新たな資金調達に向けて投資家と最終段階の協議を進めていることが明らかになりました。今回の調達が成立した場合、同社の評価額は2026年5月時点の220億ドルから倍近くとなる約400億ドルに達する見通しです。対抗プラットフォームであるポリマーケットが規制調査などに直面する中、カルシは取引シェアを伸ばしており、幅広い資産クラスを扱う総合的な取引プラットフォームへの拡大を目指す動きとして注目されます。一方で、スポーツ関連のイベント契約を巡っては州規制当局との訴訟が続いており、事業拡大と規制への対応が並行して進む局面となっています。
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評価額400億ドルに向けた大型調達とIPOの検討
今回の資金調達は、既存投資家であるセコイア・キャピタルと資産運用会社ウェリントン・マネジメントが主導する方向で協議が進められています。また、タイガー・グローバル・マネジメントやドラゴニア・インベストメント・グループなどの投資会社も出資の協議に参加しています。
資金調達は今後数週間以内に完了する見通しとされており、実現すればカルシの評価額は約400億ドルに達する見込みです。同社は2026年5月にもCoatue主導のシリーズFラウンドで10億ドルを調達しており、その際の評価額は220億ドルでした。今回の調達が成立すれば、わずか約5カ月で評価額が約82パーセント上昇することになります。さらに同社は、今後数年以内の新規株式公開(IPO)の可能性についても初期段階の協議を進めているとされています。
対抗プラットフォームとの競争と総合取引所への展開
カルシによる今回の大型調達には、予測市場分野で対抗関係にあるポリマーケットに対する優位性を固める狙いがあるとみられます。過去1年間でカルシは取引シェアを伸ばしている一方、ポリマーケットは米国事業の立ち上げを巡る混乱や米商品先物取引委員会(CFTC)の調査に直面している状況にあります。
事業面において、カルシはこれまでスポーツや選挙などのイベント契約を中心に取引を拡大してきました。現在はそこからさらに進み、幅広い資産クラスを取り扱う総合的な取引プラットフォームへの展開を目指しているとされています。
州規制当局との管轄権を巡る訴訟と司法判断の動向
事業規模が急拡大する一方で、米国では投資家保護や市場監督を巡る議論が強まっており、カルシは州規制当局との法的な対立を抱えています。米連邦第6巡回区控訴裁判所は2026年9月25日、オハイオ州とテネシー州がカルシのスポーツ関連イベント契約を規制する権利を有するという判断を示しました。
カルシ側は自社のスポーツ関連契約が連邦機関であるCFTCの管轄下にあると主張していましたが、裁判所はその主張を退けました。カルシに対する規制権限を巡っては控訴裁判所間でも判断が割れる状況となっており、ネバダ州の案件では州側が支持された一方、ニュージャージー州の案件ではカルシ側が支持されるなど、法的な位置づけを巡る不確実性が残されています。
ポイント
- カルシが約10億ドルの新規調達に向けて投資家と最終協議を進めており、評価額は約400億ドルに達する見通しです。
- 資金調達が完了すれば2026年5月時点の220億ドルから約82パーセントの上昇となり、数年以内のIPOに向けた初期協議も開始されている点で注目されます。
- ライバルのポリマーケットがCFTCの調査などに直面する中、カルシはシェアを伸ばし、イベント契約から総合的な取引プラットフォームへの拡張を進めています。
- スポーツ関連契約の規制権限を巡っては控訴裁判所ごとに判断が分かれており、連邦規制と州規制の境界を巡る法的な課題が依然として存在しています。
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