ブラジルの中央証券保管機関であるCSD BRは、米リップルとの戦略的提携における第1段階を9月29日に発表しました。この取り組みでは、ブラジルの大手投資銀行BTGパクチュアルが取り扱う投資ファンドの持分をトークン化し、その所有権の記録をパブリックブロックチェーンであるXRPレジャー(XRPL)上に複製します。認可を受けた中央証券保管機関がパブリックブロックチェーン上で証券の所有権を記録する事例であり、既存の規制枠組みを維持しながら透明性や業務効率の向上を図るモデルとして重要性を持っています。
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既存システムとXRPLを併用する監査・照会基盤の構築
提携の第1段階では、CSD BRに保管されているBTGパクチュアルの投資ファンド持分を対象に、XRPLのトークン規格であるマルチパーパス・トークン(MPT)を用いてトークン化が行われます。ただし、資産の登録、保管、精算に関する正式な記録は引き続きCSD BRの既存システムで管理されます。XRPLは正式記録を代替するものではなく、承認された参加者が記録の整合性をほぼリアルタイムで検証できるようにするための照会・監査の補完基盤として機能します。
基盤の構築には、リップルのカストディ基盤とXRPLの技術が組み合わされます。利用対象は、本人確認(KYC)およびマネーロンダリング対策(AML)の手続きに従うブラジルの法人や銀行顧客に限定されます。また、資産の発行や管理に関する権限はCSD BRが維持し、参加者の承認や個別資産の凍結に加え、規制当局や裁判所の命令に応じてトークンを回収するクローバック機能にも対応します。本取り組みは既存の規制枠組みの中で実施されるため、参加者の法的責任の変更や追加の規制当局による承認は不要と説明されています。
ブロックチェーン上での直接発行と対象資産の拡大計画
両社は第1段階において、実際の取引を通じたブロックチェーンによる業務効率や透明性の向上を評価する方針です。この記録複製による運用を検証した後の構想として、ブロックチェーン上での資産の直接発行や、承認された参加者間における直接取引への移行を段階的に進める計画が立てられています。
また、利用を拡大する次の段階の対象資産として、不動産債権証書(CRI)や農業関連債権証書(CRA)の取り扱いが検討されています。
ポイント
- 中央証券保管機関であるCSD BRが、大手投資銀行BTGパクチュアルの投資ファンド持分記録をXRPL上に複製する提携を発表した点
- 正式な記録は従来のCSD BRシステムで維持し、XRPLを照会や監査をほぼリアルタイムで行うための補完基盤として位置づけている点
- トークン回収(クローバック)機能や資産凍結機能を備え、追加の規制承認を必要としない既存の法規制の枠組み内で運用される点
- 運用の検証後は、ブロックチェーン上での直接発行や取引への移行、さらに不動産債権証書(CRI)や農業関連債権証書(CRA)への対象拡大が検討されている点
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