レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」の開発を手掛けるミステンラボは、グーグルクラウドと共同でAIエージェント向け証拠レイヤー「ベリファイアブル・エージェント・アービター(VAA)」を開発していることを発表しました。VAAは、企業がAIエージェントに与えた権限と実際の行動を、後から改ざんなく独立して検証可能にする仕組みです。企業間でのAI取引や決済が広がるなかで、機密データを非公開に保ちながら第三者による監査や規制対応を可能にする基盤として重要視されています。
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機密データの非公開管理とブロックチェーンによる証明の分離
VAAは、AIエージェントの詳細な活動記録と、その記録の改ざんを防ぐ暗号学的証明を分離して管理します。プロンプトやモデルの出力、外部ツールの呼び出し、設定ルールに基づく判断といった詳細データは、顧客自身が管理するクラウドストレージ「グーグル・クラウド・ストレージ」内に非公開のまま保持されます。
一方で、それらの活動記録に対する暗号学的証明は、ミステンラボが開発する分散型データプラットフォーム「ウォルラス(Walrus)」に保存され、スイのブロックチェーン上で調整されます。この構造により、企業は機密性の高い活動データそのものを外部に公開することなく、第三者や監査人、規制当局に対して記録が改ざんされていないことを検証させることができます。
企業間取引の検証とオンチェーン決済基盤との連携
VAAは、異なるAIエージェント同士が通信・連携するオープン規格「エージェント・ツー・エージェント(A2A)」を介した企業間取引の検証に活用されます。両企業が同じ検証可能な記録を参照できるため、約束や提供内容の確認、問題発生時の原因究明が容易になります。また、悪意ある指示で誤動作を誘発するプロンプトインジェクション攻撃やルールの回避、システム障害、事後のログ改ざんなどを識別・再構築することも可能です。さらに、EUのAI規制法への対応や、耐量子暗号を用いた将来的な証拠の再証明も想定されています。
加えてVAAは、AIエージェント向け決済基盤「スイ・エージェント・ペイメンツ」と接続し、機械間決済規格「x402」を用いた取引における権限付与や支出判断の暗号学的記録を担います。スイ側では、複数処理を一括して実行する「ペイメント・インテント」や、プロトコルレベルで支出金額や支払先を制限する仕組みが整備されており、これらと連動して自律的な経済活動の安全性を担保します。なお、VAAは一般提供に先立ち企業顧客への初期導入が予定されていますが、具体的な開始時期は現時点で示されていません。
ポイント
- ミステンラボとグーグルクラウドが共同開発するVAAにより、AIエージェントの権限付与と実行内容を第三者が独立して検証できるようになる点で注目されます。
- 詳細ログはグーグル・クラウド・ストレージで秘匿し、暗号学的証明をウォルラスとスイで管理することで、機密保護と改ざん耐性を両立している点が特徴です。
- プロンプトインジェクション攻撃などの原因究明やEU AI法への適合、耐量子暗号への将来的な対応が想定されている点で実用性が評価されます。
- スイ・エージェント・ペイメンツや機械間決済規格x402と連携し、AIエージェントの決済における支出判断や権限を正確に記録できる点が重要視されます。
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