米大手格付け会社のムーディーズは、Sky Protocolに対してB3の発行体格付けを付与しました。見通しは安定的とされたものの、投機的等級に分類されており、同社がステーブルコインプロトコルに対して格付けを実施した初の事例となります。ムーディーズは約100億ドルの管理資産に対して自己資本が約9,000万ドルにとどまっている点を取り上げ、資本バッファーの薄さを課題として指摘しました。今回の格付けは、ステーブルコイン「USDS」に対する機関投資家の関心が高まる中で下されたものと見られます。
株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。
ステーブルコインプロトコルに対する初の格付け付与
ムーディーズはSkyに対し、見通しを安定的とするB3の発行体格付けを付与しました。格付け機関がステーブルコインプロトコルを評価対象としたのは同社にとって今回が初めてです。
なお、Sky Protocolは分散型金融プロトコルのMakerDAOからリブランドした組織であり、米ドル連動型ステーブルコインUSDSなどを発行しているとされています。Skyはすでに大手格付け会社のS&PからもB-の格付けを取得しており、伝統的な金融評価機関による客観的な信用評価が相次いで示される形となりました。
管理資産100億ドルに対する資本基盤の薄さが課題に
ムーディーズの評価において懸念材料として挙げられたのが、資本バッファー(不測の損失に備える自己資本の余力)の薄さです。
Skyは管理資産が約100億ドル規模に達している一方で、自己資本は約9,000万ドルにとどまっています。この資産規模と自己資本の比率が慎重に見極められた結果、格付けは投機的等級にとどまったと見られます。機関投資家からの関心がUSDSに向かう一方で、財務的な耐久力や資本の厚みが今後の信用の鍵を握る要因として提示されました。
ポイント
- ムーディーズがSky ProtocolにB3の発行体格付け(見通しは安定的)を付与し、ステーブルコインプロトコルとして同社初の評価事例となりました。
- SkyはS&PからもB-格付けを取得しており、伝統的格付け機関によるDeFiプロトコルの審査が本格化している点で注目されます。
- 管理資産約100億ドルに対して自己資本が約9,000万ドルと少なく、資本バッファーの薄さを理由に投機的等級に位置付けられました。
- 機関投資家によるUSDSへの関心が高まる中、プロトコルの資本基盤の健全性を客観的に測る基準として重要な意味を持ちます。
総研プライム
ブロックチェーンを、
徹底的に読み解く。
技術の仕組み、企業の戦略、市場の構造まで。独自の調査・分析で掘り下げる専門レポート。
初月無料で読む