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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

米マイニング大手のライオットとHut 8が計2.3万BTCを売却。ライオットの保有量は1万8,005BTCから2,418BTCに減少

米上場の暗号資産マイニング大手であるライオット・プラットフォームズとHut 8が、保有するビットコインを大量に売却していたことが2026年第3四半期の決算で明らかになりました。両社は合計で約2万3,000BTC以上を現金化し、ライオットはAIデータセンター建設や債務返済に、Hut 8は自社株買いに資金を充当しています。ビットコイン価格の下落に伴う採掘事業の収益性低下を背景に、マイニング企業が保有インフラをAIデータセンター事業へ振り向ける事業モデルの転換が進んでいます。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

保有ビットコインの売却と資本配分の転換

ライオットは2026年に入りビットコインの売却を加速させ、年初から9月末までに計2万264BTCを売却して約15億ドルを調達しました。第3四半期単体での売却量は1万599BTCに達し、同四半期の生産量である1,637BTCの約6.5倍に相当します。これにより、年初に1万8,005BTCあった同社の保有量は9月末時点で2,418BTCにまで大きく減少しました。調達した資金はテキサス州でのAIデータセンター開発や、コインベースに対する2億ドルの信用枠の全額返済に充てられ、担保に差し入れていたビットコインも解除されています。同社は2026年に株式発行による資金調達を行っておらず、第3四半期末時点で現金とビットコインを合わせて9億5,020万ドル保有しています。

一方のHut 8は、第3四半期に戦略的準備金から約954BTCを売却し、10月にも約2,148BTCを追加で売却しました。第3四半期から10月までの売却量は計3,102BTC、売却額は約2億5,020万ドルに達しています。同社はこの資金で約333万株の自社株買いを実施し、11月2日には自社株買いの承認枠を10億ドルに拡大しました。9月末時点の保有量は、自社分が約8,360BTC、過半数の株式を持つ子会社アメリカン・ビットコインが約8,427BTCとなっています。

マイニング収益悪化とAIデータセンターへの事業転換

今回の資産売却の背景には、マイニング事業の収益性低下があります。ライオットの第3四半期のビットコイン生産量は前年同期比16パーセント増の1,637BTCとなったものの、ビットコイン平均価格が前年同期の11万4,361ドルから7万855ドルへ下落した影響により、マイニング売上高は前年同期の1億6,080万ドルから28パーセント減の1億1,600万ドルへ減少しました。

採算の悪化を受け、マイニング企業は自社の電力インフラと土地をAIデータセンター事業へ転用する動きを加速させています。ライオットはテキサス州コルシカナにおいて、匿名のAI企業と910メガワットのIT容量を対象とする15年間のトリプルネット・リース契約を締結しました。初期契約期間の総額は約280億ドル、平均年間賃料は約18億ドルを見込んでいます。既存契約を合わせた総契約容量は1,151メガワット、長期契約収益は約380億ドルに達し、施設の引き渡しは2027年9月から2028年7月を予定しています。

同様にHut 8もテキサス州ヌエセス郡の施設において、352メガワットのIT容量を対象に15年間で98億ドルの長期リース契約を結びました。同社CEOのアッシャー・ジェヌート氏は、開発資金をプロジェクト単位で調達する方針を示しています。こうしたインフラ転用の動きは、コア・サイエンティフィックやIRENなどの同業他社にも広がっています。

テキサス州知事選の結果による開発規制の懸念

電力インフラを活用したAI事業の拡大が進む一方、規制面での不確実性も浮上しています。11月3日に実施された中間選挙のテキサス州知事選において、新規データセンターの承認一時停止を掲げる民主党のジーナ・ヒノホサ氏が勝利しました。電力網への負荷や水資源、地域住民への影響を巡る議論が、今後の施設開発計画に影響を及ぼす可能性があります。これを受け、投資銀行バーンスタインはAIデータセンター事業に乗り出すマイニング企業7社の目標株価を最大54パーセント引き下げるなど、市場でも規制強化に対する懸念が示されています。

ポイント

  • マイニング大手のライオットとHut 8が計2.3万BTC以上を売却し、AIデータセンター建設や債務返済、自社株買いに資金を配分した点で注目されます。
  • ライオットの保有ビットコインが年初の1万8,005BTCから2,418BTCへと激減しており、ビットコイン価格の下落に伴う採掘採算の悪化と事業転換の進展を示しています。
  • ライオットが1,151メガワット、Hut 8が352メガワットのAI向け長期リース契約を締結するなど、マイニング設備をAIインフラへ転用する動きが具体化しています。
  • テキサス州知事選で新規データセンター承認の一時停止を掲げる候補が勝利したことにより、今後の建設計画において規制リスクが高まる可能性があります。

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