プロダクトデザイナーは生活用品を制作するデザイナー職です。
物作りが好きでプロダクトデザイナーを目指している方も多いのではないでしょうか?
プロダクトデザイナーになるには、アイデアを具現化する個々の作画スキル・3DCGスキルと、知識を長年かけて身に付ける必要があるため、「なれない」「難しい」話をよく耳にします。
今回Pacific Metaマガジンではプロダクトデザイナーになるのが難しい理由について以下の内容をメインで深堀りしていきます。
- プロダクトデザイナーとは?
- プロダクトデザイナーになるには?
- プロダクトデザイナーになるのが難しい理由を解説
- プロダクトデザイナーになるために必要なスキルについて
- プロダクトデザイナーを目指すためにおすすめの専門学校を紹介!
- プロダクトデザイナーの向き・不向きはある?
- プロダクトデザイナーを辞めたくなる時とは?
- プロダクトデザイナーの平均年収を紹介
プロダクトデザイナーの将来性も考察していきます。
プロダクトデザイナーとは?
こちらではプロダクトデザイナとはどんな職業かについて紹介していきます。
インダストリアルデザイナーとの違いなど、前提知識を解説していくので、気になる方は最後まで読んでみてください。
プロダクトデザイナーの仕事内容
プロダクトデザイナーとは身近にある生活用品・文房具や雑貨をデザインする仕事です。
身の回りにある便利な生活用品は、プロダクトデザイナーが問題点を洗い出し、最も世間に受け入れられやすく、使いやすい形状をデザインし製品化した物です。
プロダクトデザイナーの仕事内容は、クライアントの要望を元に、以下の手順を踏んで行きます。
- 企画・立案
- ラフスケッチ
- レンダリング
- 模型・試作品の作成
- 最終デザイン案を決定
- 生産
最終デザイン案を決定しCADソフトで設計していくのが、プロダクトデザイナーの仕事です。
googleのアレクサやドローンのようなIoTガジェットも、近未来的デザインに移り変わっている傾向があります。
デザインできる力は世界的に需要があるので、プロダクトデザイナーの将来性にも期待ができるでしょう?
インダストリアルデザイナーとの違いは?
インダストリアルデザイナーとの違いは何でしょうか?
意味から考えるとプロダクト(Product)は、「製品全般」を意味し、インダストリアル(industrial)は「産業の、工業の」を意味します。
意味の通り、プロダクトデザイナ―とインダストリアルデザイナーとの違いは、デザインする製品の種類❗
プロダクトデザイナーは主に生活用品を中心にデザインしますが、インダストリアルデザイナーは大量生産する機械・工業製品をデザインする仕事です。
プロダクトデザイナーの働き方
こちらではプロダクトデザイナーの働き方について解説していきます。
働き方には、
- インハウスデザイナー
- デザイン事務所
- フリーランス
に所属して働く方法があります。
働き方1つで仕事の内容や進め方が微妙に異なります。
自分に合いそうな働き方を選択しましょう。
インハウスデザイナーになる
デザイナーの働き方の一つにインハウスデザイナーがあります。
インハウスデザイナーの働き方は、一般企業に勤めながらプロダクトデザインをする人たちです。
クライアントの意向ではなく、務めている企業の製品全般を、デザイン・リニューアルしていきます。
0からデザインをすることはインハウスデザイナーだと少ないようですね。
ただ、ブランド力が高い企業ほど扱う商品が多く、業務範囲が広くなり、数多のデザイン制作に関われるのが特徴です✨
デザイン事務所に就職する
デザイン事務所に就職するのもプロダクトデザイナーの働き方の一つです。
デザイン事務所ではインハウスデザイナーとは違い、クライアントの意向を元に、プロダクトデザインをしていきます。
作品のビジュアル方針が毎回異なります。
新規の案件が多く、毎回クライアントが違うので日々刺激が得られ、飽きることはありません✨
デザイン事務所で働くことで、様々な表現方法を身に付けられるでしょう。
企画から商品開発まで、物づくり一連の作業を全面的に携われるのが、制作会社のメリットです?
フリーランスとして働く
プロダクトデザイナーの働き方の一つにフリーランスとして働く方法も挙げられます。
フリーランスは業務委託という働き方です。
仕事は本人の裁量で選ぶため基本自由。
しかし、
- 案件の確保
- 確定申告
- 報酬の交渉
- 面接の日程
- 参画の日時
- 人材の確保
全ての雑務を一人でこなさなければいけません?
基本は事務作業をしてくれるフリーランスの人材派遣会社に登録して仕事をするのが特徴です。
ビジネスを横に展開することで年収1,000万円も2,000万円も狙えます。
プロダクトデザイナーになるには?
プロダクトデザイナーになるには、専門的なセンスや知識を養わなければいけません。
高校進学後に美大・専門学校等で、デザインスキルと画力を付ける必要があります。
その後、採用試験に合格し、各種企業やデザイン事務所に所属するのが、プロダクトデザイナーになれる正攻法です❗
就職しても、本格的に作品を任されるようになるには、3~5年の下積み期間があります。
業務経験を積み、ようやく、メインデザインを任されるのです。
「プロダクトデザイナーになるには」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
プロダクトデザイナーになるのが難しい理由
プロダクトデザイナーになるのは数々の難関を潜り抜け、ようやく仕事に就ける専門職です。
若いうちから戦略的に未来をヴィジョンできる人が目指せる職業と言っても過言ではありません。
プロダクトデザイナーになるのが、いかに大変で難しいのか理由が分かるかと思います。
美術系の大学や専門学校で学ばなければいけない
プロダクトデザイナーは、イメージを紙やデザインに落とし込む必要があるため、美術系の大学や専門学校の学歴を所持している方が多いようです。
作画・作図・造形スキルを習得できる、美術系の大学や専門学校で学ばなければいけません。
しかし、美術系の大学は入学試験の他に、実技試験を設けている大学も多いので、入学自体難しいのが難点です?
中学・高校の時点で鉛筆を何十本も持っており、毎日デッサンをし、作画の基礎体力がある人が美大に入学できます。
専門学校のプロダクト専攻や美大で、2~4年間デッサンを練習して作画・作図スキルを身に付け、ポートフォリオも作成してく必要があるでしょう。
選考を通りポートフォリオが評価されてようやく、デザイン制作会社やメーカーに就職できるのです?
スキル、センス、PD検定の資格があり、人脈が豊富でない限り、99%なれないと思います。
「プロダクトデザイナー 大学」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
求人が少ない
プロダクトデザイナーになるのが難しい理由に新卒・既卒の求人が少ないことが挙げられます。
プロダクトデザイナーはメーカーの製品製作に携われる人気職種ですが、専門職ため大量に雇用する企業が多くありません?
大手の場合、数百人応募してくるのに対して、採用人数は0~5人程度だそうです。
クリエイティブ職の求人倍率は、Dodaの転職求人倍率レポートによると、1.61で相当低いのが分かります。
高い専門性を求められ倍率も低いため、プロダクトデザイナーは狭き門と言われています。
2D・3D CADが使えないとさらに厳しい
プロダクトデザイナーは、頭で描いたアイデアをラフに起こす際、作画・作図のスキルでアプットします。
しかし、ラフスケッチを使わず2D・3D CADを操作し、データとして具現化する工程もあります。
2D・3D CADを使えないとプロダクトデザイナーになるのはさらに厳しいでしょう。
プロダクトデザインの仕事を請け負っている多くの企業・デザイン事務所は、2D・3D CADを使用してデザインしています。
ちなみに、求人の応募欄にも必ずと言っていいほど、「CAD経験お持ちの方」と記載されています。
2D・3D CADを操作できるスキルがあると、プロダクトデザイナーの仕事の幅が増えます✨
在学中でも企業との関わりを持つなどの積極性が必要
プロダクトデザイナーは求人倍率も低いことが分かりました❗
就職情報誌だけ眺めていただけでは、プロダクトデザイナーになれないでしょう。
在学中でもインターンや産学共同に参加し、企業・OBとの関わりを持つ積極性も必要です。
学生の実力はデッサン・スケッチのポートフォリオだけでは中々判断しきれない不透明な部分もあります。
実際に話してみないと仕事に対して忠実な人か、熱意がある人かを判断するのは不可能です。
産学共同・インターンを参加し、ポートフォリオでデザインの熱意と情熱を語り、印象の良さも講師(企業デザイナー)に知ってもらいましょう。
プロダクトデザイナーとしての資質、成果、熱意を見てもらう機会を積極的に作ってください。
プロダクトデザイナーになるために必要なスキル
こちらではプロダクトデザイナーになるために必要なスキルを4選紹介していきます。
コミュニケーション能力
プロダクトデザイナーは、企画段階から携わる仕事です。
クライアントの意向を元に、関係各社、各部署、技術者、設計士の人たちと協力し合い、一つの作品をゴールに向かって完成させいていきます。
各方面、つまり社内の人の立場になって分かりやすく提案でき、円滑に仕事を進められるコミュニケーション能力がプロダクトデザイナーに求められます✨
個々のデザインスキルよりも、コミュニケーション能力の方が重視されています。
周りのあらゆる物に対しての興味
プロダクトデザイナーは物作りに携わる職業です。
普段から周りのあらゆる物に対しての興味を持っている人でないと務まりません。
たとえば、生活用品の内部構造・各部位はどうなっているか調べて見るのも良いですし、横幅・高さ・奥行きの長さを実際に測るのもインプットに繋がります✨
常日頃から物に触れるだけではなく、内部構造を調べたり形状を観察したり、観察力を鍛えておきましょう。
使う人の気持ちになれる想像力
プロダクトデザイナーの仕事はデザイン案を元に製品化するのがゴールではありません。
多くの人の手に渡り、私生活の中で実際に使っていただき、ユーザーに役に立って貰うまでがゴールです❗
独りよがりのデザインでは、決して世間に受け入れてもらえないでしょう。
この製品を使えば利用者に、「どんな利益をもたらしてくれるのか」「どんな悩みを解決してくれるのか」使う人の気持ちになれる想像力が必要です。
製品のベネフィットをデザインに落とし込める、マーケティングスキルも鍛えておきましょう。
デザインセンス
プロダクトデザインは製品の見た目の美しさと使い勝手のバランスを調整しなければなりません❗
ただ美しくても機能性がなければ世間には受け入れられないでしょう。
消費者が求める、流行・トレンドと市場のニーズに合わせて制作できる、デザインセンスがプロダクトデザイナーには求められます。
センスは常日頃から感性を研ぎ澄ませ意識し、何度も試行錯誤しながらデザインをすることで身に付けられるスキルです✨
デザインセンスを鍛えるには、色彩感覚、書体・タイポグラフィ、レイアウト、完成させる力など、知識を磨いていきましょう。
プロダクトデザイナーを目指すなら総合学園ヒューマンアカデミーデザインカレッジ
プロダクトデザイナーを目指すなら、総合学園ヒューマンアカデミーデザインカレッジをおすすめします。
デザインカレッジには、
- グラフィックデザイン
- インテリア&空間デザイン
- アクセサリー&雑貨アート
- イラストレーション
- 総合デザイン
専攻があります。
2年間の短期間で、アナログの作画・製図を描けるスキルから、Illustrator・Photoshop・CADソフトでデザインに落とし込める力を養います。
美大とは違い、初心者でも気軽に入学できる点も、ヒューマンのメリットです✨
絵を描くのは得意ですかの問いに対して、71%の生徒が得意でないと回答したそうです。
このデータから未経験でもプロダクトデザインの基本スキルを身に付けられると分かります。
専攻のカリキュラムを確認したい方は資料請求してみてください。
プロダクトデザイナーになるのに向き・不向きはある?
プロダクトデザイナーに向き・不向きはあります。
物作りに対し貪欲に熟考でき熱意がある人で、尚且つ、心から物作りを愛せる人がプロダクトデザイナーに向いているでしょう?
生活用品のありとあらゆる物を作るので、1つの仕事に小さい・大きいと文句を付ける人は向いていません。
また、デザインをするばかりが仕事ではなく、企画から製品化まで携わるのがプロダクトデザイナーの仕事です。
各関係者、技術者・設計者とコミュニケーションが取ることを楽しい、と思えることもプロダクトデザイナーの資質の1つです。
苦労してなったプロダクトデザイナー 辞めたくなるのはどんな時?
大変な苦労をしてプロダクトデザイナーになっても、辞めたくなる時が誰にでも多々あります。
以下の理由が挙げられるでしょう。
- 下積み期間が多く自分の才能が見えない
- 売上を上げているのに給料に反映されない
- アイデアが枯渇している
- 仕事に慣れ刺激がなくンネリ化している
- デザインの評価が常に悪く才能がないと感じている
- 職場の人間関係が悪い
デザイナーの働き方は様々です。
たとえば、リモートのフリーランスに転向する方法もあります。
別の企業に転職してプロダクトデザイナーを副業にする、という選択肢も考えられるでしょう。
辞めたいと悩んでいる方は正社員の働き方に縛られず、辞める前に一度、自分のキャリアも見つめ直す期間も作ってみてください✨
プロダクトデザイナーの平均年収
こちらではプロダクトデザイナーの平均年収を調べてきました。
働き方別・年齢別で見て行きましょう。
働き方別
プロダクトデザイナーは、働き方で平均年収が異なります。
働き方 | 平均年収 |
インハウスデザイナー | 440万~825万円 |
デザイン事務所 | 394万~550万円 |
フリーランス | 200万~800万円 |
引用:求人ボックス/プロダクトデザイナーの仕事
引用:フリーランス白書2019
プロダクトデザイナーの平均年収は転職サイトのdodaで調べたところ、440万~825万円と推定されます。
日本のサラリーマンの平均年収が「432万円」に比べれば、少しばかり高いようですね?
IT・エンジニアのフリーランス、およそ半数の60%が、年収200万~800万円でした。
年収1,000万円~2,000万円のフリーランスも10%程度いますね。
年齢別
転職会議の工業デザイナー・モデラ―で平均年収を年齢別に調べると、以下のような年収になりました。
年齢 | 平均年収 |
20代 | 337万~353万円 |
30代 | 448万円 |
40代 | 588万円 |
引用:工業デザイナー・モデラーの年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)
プロダクトデザイナーの年収は、年功序列形式で上がっていく方式です。
10年以上勤務でディレクター職にキャリアパスできれば、年収700万~1000万円以上も可能です。
「プロダクトデザイナー 年収」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
プロダクトデザイナーになるのは難しいことまとめ
今回Pacific Metaマガジンではプロダクトデザイナーになるのが難しい理由について解説してきました。
- プロダクトデザイナーとは生活用品・工業製品をデザインする職業
- プロダクトデザイナーになるには専門のスキルを有し、就職できても3~5年の下積み期間がある
- コミュニケーション能力、デザインスキル、マーケティングスキル、物に対する興味がプロダクトデザイナーに必要
- プロダクトデザイナーは物作りが好きな人やコミュニケーションを楽しめる人に向いている
- 辞めたくなったら一度自分のキャリアを見つめ直す期間が必要
- プロダクトデザイナーの平均年収は「440万~825万円」で推移している
プロダクトデザイナーになるには相当難しいのが分かりました。
しかし、物作りが好きな人にとって、自分が制作したデザインが販売されて、お客さんが使い役立っている、と言ってくれることが何よりのやりがいです。
世の中にも役に立つ職業なので、大変な思いをしても目指す価値があります。
プロダクトデザイナーを目指したい方は、若いうちから戦略的に、人生設計を立てていきましょう。