ロゴやパンフレットなど、多くの人が目にするデザインの制作に携わっているのがアートディレクターという職業です。
求人情報も多く、様々な媒体で紹介されていますが、実際の年収やキャリアなどに疑問を持った方もいるのではないでしょうか。
そこで今回Pacific Metaマガジンでは、アートディレクターの平均年収を地域や年齢、業種などに分けて解説していきます。
- アートディレクターの仕事内容とは
- 地域・年齢・企業規模別による平均年収とは
- アートディレクターの福利厚生や給与ボーナスとは
アートディレクターを目指すにあたって、必要な情報をまとめて解説していきます。
この記事を読むことで、アートディレクターへの理解が深まり、就職・転職する際の企業選びをスムーズに行うことができます。
アートディレクターとは?
アートディレクターとは、広告やパンフレットなどのビジュアルデザインを制作していくチームのまとめ役のような職業です。
クリエイティブディレクターはプロジェクト全体の責任者のような立場ですが、アートディレクターの場合はデザイン制作物の責任者というような違いがあります。
具体的な仕事内容としては、クライアントとのミーティングでコンセプトを明確にし、それをもとにスタッフを集めて制作を行うというのがメインです。
転職求人サイトやハローワーク以外にも、地元の求人情報誌、転職エージェントなどの様々な方法で求人を見つけることができます。
人と関わる機会が多い職業なので、コミュニケーション能力を積極的にアピールしていきましょう。
アートディレクターになる方法について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
アートディレクターの地域別平均年収
アートディレクターは、地域別によって給与に差があります。
地域別で比較すると最も平均年収が高い地方は関東で、その中でも東京都が526万円と高い水準になっています。 一方、最も給与水準の低い都道府県は400万円の京都府で、東京都との差は126万円にのぼります。※求人件数の少ない都道府県は集計対象外となっています。
引用元:求人ボックス アートディレクターの仕事の地域別給料
アートディレクターとして、より高い年収を目指しているのであれば、東京都や埼玉県などの都心部で働くのが最適です。
一方で、大阪府や京都府などの近畿地方では、関東の都心部に比べて給与が低い傾向があるので、場合によっては転職もおすすめです。
自分が住んでいる地域の平均年収をもとに、より高い給与が得られる地域へと転職することで、年収アップに繋げることができます。
アートディレクターの年代別平均年収
アートディレクターの平均年収は、年代によっても大きく差があります。
他の業種と同様、年代が高くなればなるほど年収も上がっていくのが一般的です。
ですが、アートディレクターの場合は、20代のような若手のうちから比較的高い年収なので、若いうちでも活躍次第では大きく収入を伸ばすことができます。
- 20代
- 30代
- 40代
- 50代
これらの4つに分けてそれぞれ解説していくので、ぜひ参考にしてください。
20代
アートディレクターの20代の年収は、20代前半・後半でこのようになっています。
20〜24歳:530万円
25〜29歳:445〜495万円
引用元:平均年収.jp アートディレクターの年齢別年収予想推移
平均であるため、20代でもこれ以上に高い給与がもらえる企業もあるでしょう。
ただその反面、締め切りまでの時間が短く、連日徹夜などが続くケースもあり得ます。
体調管理などが重要になってくるので、給与だけでなく、業態や社内の様子を踏まえたうえで企業を選んでいきましょう。
30代
アートディレクターの30代の平均年収は、このようになっています。
30〜34歳:468〜568万円
35~39歳:483万円~587万円
引用元:平均年収.jp アートディレクターの年齢別年収予想推移
30代を超えると平均年収が500万円を超える企業も出てきます。
アートディレクターという職業は、より経験や実績などが重視されるので、年齢とともに給与が高くなっていく傾向があります。
30代で年収500万円を超える職業はそれほど多くないので、給与面で恵まれているのも1つの魅力です。
40代
アートディレクターの40代の平均年収は、このようになっています。
40~44歳:539万円~660万円
45~49歳:617万円~739万円
引用元:平均年収.jp アートディレクターの年齢別年収予想推移
30代の平均年収と比較しても、100万円近く上がっていることが分かります。
仮に、40代で年収が600万円だとすると、月収は50万円程度になります。
40代で月収50万円というのは低い数字ではなく、全国的に見ても平均とほぼ等しい額となっているので、30代と同様、給与面でも満足度は高いでしょう。
50代
アートディレクターの50代の平均年収は、このようになっています。
50~54歳 682万円~792万円
55~59歳 675万円~785万円
引用元:平均年収.jp アートディレクターの年齢別年収予想推移
50代となると、定年後の生活も視野に入れなければならないので、給与面もかなり重要視されます。
アートディレクターの場合は、50代で平均年収700万円前後となっており、30代・40代と同様、全国的に見ても平均的な年収とほぼ等しい傾向があります。
東京都などの都心部であれば、これよりも年収が高い企業も多くあるでしょう、
20代~50代と、それぞれの年収を踏まえたうえで、より好条件な企業への就職・転職を目指しましょう。
アートディレクターの企業規模別平均年収
アートディレクターの平均年収は、企業規模によっても異なります。
- 小規模企業(10~99人)
- 中規模企業(100~999人)
- 大規模企業(1,000人以上)
より年収が高い企業に勤めたいのであれば、その企業の規模を踏まえて選ぶことが重要です。
就職・転職する会社を選ぶ際は、その企業の人数規模などを参考にして選びましょう。
小規模企業
小規模企業の平均年収は、このように記載されています。
中小規模のデザイン会社や広告代理店では、アートディレクターの平均年収に差が出るのが特徴です。400〜800万円が最も多くなっており、実力に応じた報酬設定を取り入れている企業もあります。
引用元:Offers 中小規模のデザイン会社や広告代理店
少なくとも400万円、多い場合だと800万円ぐらいの年収が相場だといわれています。
アートディレクターとしての実力に応じて、年収に大きく差が出るというのも特徴的です。
中規模企業
中規模企業の場合も、先ほどの小規模企業と同様で平均年収は、400~800万円のところが多いそうです。
ただ、平均としてみると、小規模企業よりも中規模企業のほうが平均年収は高い傾向にあります。
規模が大きい分、多くの案件をこなすことができるので、年収が高い傾向にあります。
基本的には小規模企業とそこまで大きな差はないので、年収よりも労働環境などを優先するのがおすすめです。
大規模企業
大規模企業になると、中小企業よりも平均年収が高い傾向にあります。
社員数が1000名を超えるような大企業では、デザイナー全体の平均年収も500万円以上が一般的です。ビジュアルデザインを総括する立場のアートディレクターになると、年収が1000万円を超えるケースも出てきます。
引用元:Offers 大手のデザイン会社・広告代理店
実際に求人情報などを見ると分かりますが、大規模企業の場合は年収500~600万円を超えてくるケースがほとんどです。
また、アートディレクターとしての実力や経験に応じて、年収が1,000万円を超えてくることもあります。
大規模企業になると、より多くのスタッフを管理・調整しなければならないので、長期間かけて実力をつけていくことが重要です。
アートディレクターの業種別平均年収
企業規模によって平均年収が異なるということを踏まえたうえで、具体的な業種別の平均年収を解説していきます。
この記事では、以下の3つの業種について解説します。
- 電通などの広告代理店
- ソーシャルゲーム
- デザイン会社
それぞれの業種によっても平均年収は異なるので、企業選びの参考にしてください。
電通などの広告代理店
電通などの広告代理店の場合、平均年収は高い傾向にあります。
電通の社員の平均年収は1271万円で博報堂の社員の平均年収は1036万円で、電通や博報堂のような大手広告代理店に勤務するアートディレクターであれば年収も社員の平均年収を超えています。
電通や博報堂などの大手の企業であれば、それだけ年収も高いということが分かります。
なので、社員としてアートディレクターで高い年収を目指すのであれば、大手の広告代理店で実力を積んでいくのが良いでしょう。
年収1,000万円を超える企業は数少ないので、選択肢としてはかなりおすすめです。
ソーシャルゲーム
次に、ソーシャルゲーム会社の場合を見ていきましょう。
次にソーシャルゲームのアートディレクターの年収ですが都内のソーシャルゲームのアートディレクターの求人情報を見ると新宿区にあるソーシャルゲームの会社では、年収450万~900万円で自らの手でエンターテイメントを作り出したいアートディレクターを募集しています。
年収450~900万円であれば、アートディレクターとしては決して低くない数字です。
おそらく最初は年収450万円前後でのスタートになると思いますが、実力や経験に応じて年収900万円も達成可能ということでしょう。
ソーシャルゲームの会社で高年収を目指すのであれば、都内の企業を選びましょう。
デザイン会社
デザイン会社の求人を見てみると、年収400~800万円の企業が多い傾向にあります。
出典:求人ボックス アートディレクター デザイン会社
地域によって差はありますが、都内であれば年収500万円以上を目指すことも可能です。
Webサービスやアプリ、飲食関係など、幅広いジャンルがあるので、より自分の経験を生かした業種に就くこともできます。
大手広告代理店やソーシャルゲーム会社の年収と比べると、やや低い傾向がありますが、実力次第では年収アップに繋げることも可能です。
アートディレクターの男女別平均年収
アートディレクターの場合、男女によっても平均年収に差があります。
女性よりも男性のほうが平均年収は高い傾向にありますが、経験や実績に応じて、女性が男性の年収を上回ることもあります。
男性
40代の男性アートディレクターから算数された平均年収は、このようになっています。
男性の平均年収:726万円
平均ではあるものの、40代で年収726万円というのは比較的高いのが事実です。
広告業界全体で見ると、7:3、もしくは6:4で男性のほうが多いと言われているので、少なからずその影響もあるでしょう。
女性
40代の女性アートディレクターから算数された平均年収は、このようになっています。
女性の平均年収:548万円
男性の平均年収と比べると、やや低い数値となっています。
ですが、最近では女性のアートディレクターも年々増えてきているので、今後はさらに差が小さくなっていくことでしょう。
アートディレクターの給与ボーナス
アートディレクターの給与ボーナスは、推定でこのような金額となっています。
ボーナスは年に2回、それぞれ給料の2ヵ月分が支給されるとなると、ボーナスの額は年間で110万円ほどと推定されます。
ですが、企業の規模などによっては、給与ボーナスが支給されないケースもあります。
企業の業績はもちろん、個人としての実力や経験によっても金額は異なるので、参考までに覚えておきましょう。
アートディレクターで年収を上げる方法
アートディレクターとして年収を上げる方法は、大きく分けて2つあります。
まず1つは、マネジメントスキルを高めていくことです。
人員やコストの管理をより効率化していったり、スケジュールの調整を見つめなおして改善していったりすることが重要です。
もう1つは、フリーランスとして独立するという方法です。
高いスキルや能力が必要となってきますが、自分の努力次第では会社員としての給料を超えることができるのが魅力です。
アートディレクターにおすすめの資格
アートディレクターになるにあたって、必ず必要な資格というのはありません。
ですが、アートディレクターに関する資格を取りたい場合であれば、おすすめの資格は以下の3つになります。
- Adobe Certified Associate(アドビ認定アソシエイト)
- Photoshopクリエイター能力認定試験
- Illustratorクリエイター能力認定試験
これらを取得することで、よりPC関連のツールについて理解を深めることができ、スキルアップに繋げることができます。
アートディレクターの福利厚生は?
一部上場企業や大手広告代理店などであれば、福利厚生が充実している企業は多いです。
給料も安定していて、世の中全体の労働環境や女性の社会復帰なども改善されてきているので、アートディレクターとしての福利厚生も満足度は高いです。
ですが、企業によっては手当などが年々減っている場合もあるので、入社する前に確認しておくのがおすすめです。
アメリカで活躍する日本人アートディレクターもいる
日本人のアートディレクターの中には、海外を拠点に活動している方もいます。
日本でキャリアを積みつつ英語を勉強し、その後NYのハリウッドや広告などで結果を残すという方が多いです。
実力次第では海外でも活躍できるので、アートディレクターとしての将来性はかなり高いといえるでしょう。
アートディレクターに転職したいならマイナビクリエイター
アートディレクターになるには、マイナビクリエイターに登録するのがおすすめです。
マイナビクリエイターは、クリエイターやデザイナー関連の職種に特化した転職エージェントサイトとなっています。
また、サポートも充実していて、無料でポートフォリオが作成できたり、キャリアアドバイザーに相談したりもできます。
- 専門性
- マッチング力
- 満足度
マイナビクリエイターでは、この3つの項目を重視しているため、より自分のニーズにあった転職先を見つけることができます。
初めての方にも使いやすいサービスとなっているので、アートディレクターを目指すのであればマイナビクリエイターを活用しましょう。
マイナビクリエイターの評判や口コミは、こちらの記事でチェックできます。
アートディレクターの年収についてのまとめ
今回Pacific Metaマガジンでは、アートディレクターの平均年収について解説してきました。
- アートディレクターはデザイン制作の責任者である
- 都内の企業や大手の広告代理店では平均年収が高い
- 福利厚生や給与ボーナスは充実している
アートディレクターの求人情報は様々な場所で確認することができ、業務形態や給与、規模などはそれぞれ異なります。
アートディレクターとして長期間での活動を考えているのであれば、自分が納得いく給料がもらえる企業を選びましょう。