アニメ制作の現場において、アニメプロデューサーは最も重要なポジションといっても過言ではありません。
ですが、実際のアニメプロデューサーの仕事やなり方などは複雑そうなイメージがあるため、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回Pacific Metaマガジンでは、アニメプロデューサーの仕事内容や必要なステップについて解説していきます。
- アニメプロデューサーの仕事内容とは
- アニメプロデューサーになるための4つのステップとは
- アニメプロデューサーに必要なスキル・ステップとは
アニメプロデューサーを目指していくのであれば、この3つの項目は必ず押さえておきましょう。
アニメプロデューサーの勉強におすすめの専門学校も紹介しているので、進学先を選ぶ際の参考にしていただけると幸いです。
アニメプロデューサーとは?
アニメプロデューサーとは、アニメ制作においてのリーダー・まとめ役のような立ち位置の職業です。
アニメ制作では、演出部と制作部に分かれるのが一般的ですが、その制作部の全工程を統括するのがアニメプロデューサーです。
スタッフを集めたり、予算やスケジュールを管理したりなど、幅広い仕事を効率よくこなしていかなければならないので、大変ではあるものの魅力が多くあります。
アニメプロデューサーの仕事内容は?
アニメプロデューサーといっても、厳密には2種類の仕事内容に分かれます。
- 企画のプロデューサー
- 制作のプロデューサー
企画を中心に担当するのか、制作を中心に担当するのかで仕事内容は大きく異なります。
どちらもアニメ制作において重要なポジションなので、アニメ業界への就職・転職などを考えている人は、必ず押さえておきたい知識です。
企画のプロデューサーについて
企画のプロデューサーというのは、アニメの企画を発案して、作品の方向性などを決めていくのが主な仕事です。
また、制作委員会(資金を出してくれる会社)に入ってくれる会社を探して、アニメを制作するにあたって必要な資金を調達するのも重要な役割です。
どの作品をどのように表現するのか、どれぐらいの資金をかけて制作するのかなど、アニメ制作においての根幹の部分を担います。
そのアニメがどれぐらいヒットするかどうかは、企画プロデューサーの腕にかかっているといっても過言ではありません。
世間の評価やニーズを参考に、企画発案から資金調達までを行うのが企画のプロデューサーの仕事です。
制作のプロデューサーについて
制作のプロデューサーは、アニメ制作全体においての運営や管理が主な仕事です。
納期に間に合わせつつクオリティを担保できるよう、スタッフの数やスケジュールなどの細かい調整が必要となってきます。
また、企画全体の指揮をとっているため、多くの人と入念に打ち合わせをして、より質の高い作品へと仕上げていくことが重要です。
- 監督
- ディレクター
- サウンドクリエイター
- デザイナー
など、様々な業種・職業の人と密接にコミュニケーションをとっていきます。
リーダーシップを発揮して、適切な指示を出していかなければならないため、ハードな仕事内容となっていますが、その分やりがいがあるのも制作のプロデューサーの特徴です。
アニメプロデューサーになるためのステップ
アニメプロデューサーになるにあたって必要なステップは4つです。
- 専門学校・大学/短大に進学し、アニメ制作の勉強をする
- アニメ制作会社に就職する
- アニメ制作デスクになる
- アニメプロデューサーにキャリアアップ
アニメプロデューサーに採用されるのは決して容易な道ではありませんが、基礎から着実に知識や経験を積んでいくことで、ステップアップできます。
それぞれのステップで何が大事なのかを解説していきます。
より具体的にはこちらの記事でまとめられています。
専門学校・大学/短大に進学し、アニメ制作の勉強をする
アニメ制作会社にいきなり入社することも不可能ではありませんが、まずは専門学校や大学などでアニメ制作について学ぶのがおすすめです。
会社としては即戦力が欲しいので、事前に専門学校等で学んでおき、より有利な状態で就活に臨みましょう。
専門学校や大学では、アニメ制作に関する基礎から応用までの知識をできる限り熟知しておくことが重要です。
どれぐらい知識やスキルがあるかどうかで、入社後の作業効率や昇進に大きく関わってきっます。
専門学校等で知識やスキルを学びつつ、様々なアニメを見て観察力を身につけましょう。
アニメ制作会社に就職する
専門学校や大学を卒業後、アニメ制作会社に就職します。
アニメーターとして就職するのではなく、「制作進行」という職種で働ける会社を選びましょう。
アニメーターは演出部に含まれるので、アニメプロデューサーを目指すのであれば、制作部として入社することを覚えておきましょう。
就職後は、より実践的な知識を学んでいき、指示を聞いて下積みを積んでいくことが重要です。
自分から積極的にコミュニケーションをとることで、チームとしての連携力も高まり、より重要な仕事を任せられたりもします。
アニメ制作デスクになる
いきなりアニメプロデューサーにキャリアアップできるというわけではなく、アニメ制作デスクという担当になります。
アニメ制作デスクとは、アニメプロデューサーのサポーターな役割で、スケジュールの管理やスタッフの手配などを行います。
アニメプロデューサーからの指示に沿って、現場の作業などを調整することが中心となるため、制作において重要なポジションです。
アニメ制作デスクでは、幅広い作業をこなしながら、スケジュール管理能力や適切な指示を出す能力などを磨いていきましょう。
アニメ制作の細かい仕組みや流れを把握しつつ、実践でのスキルを高めていくことで、アニメプロデューサーとしてキャリアアップできます。
アニメプロデューサーにキャリアアップ
アニメ制作デスクとしての実績・経験を積んだ後、ようやくアニメプロデューサーとして活動することができます。
入社から8~10年以上かかることも多く、膨大な知識と努力が必要です。
今までの業務で得たスキル・能力に加え、リーダーシップを発揮していくことが重要です。
会社としての利益や売り上げにも関わるポジションなので、ミスを犯さず、全体を見られるよう視野を広げていきましょう。
アニメプロデューサーの勉強ができるオススメの専門学校
アニメプロデューサーを目指していくにあたって、おすすめの専門学校は以下の3つです。
- 代々木アニメーション学院
- アミューズメントメディア総合学院
- ヒューマンアカデミー マンガ・イラストカレッジ
それぞれ魅力やメリットは異なるので、ここでの解説をもとに、進学先を選ぶ際の参考にしてください。
代々木アニメーション学院
代々木アニメーション学院には、アニメ監督・演出科という学科があり、アニメ制作について深く学ぶことができます。
- 企画から納品まで制作の全てを学べる
- 入学後すぐにグループでの映像制作が行われる
- 2年間の集大成として全アニメ学部合同でアニメ制作ができる
などの魅力があり、アニメプロデューサーを目指すにあたって様々な体験をすることができます。
また、実際に現場で使われているソフトウェアの使い方や、アニメのビジネス知識などを学ぶことができます。
資料請求をして、代々木アニメーション学院についてより詳しく知っておきましょう。
アミューズメントメディア総合学院
アミューズメントメディア総合学院には、アニメーション学科 制作・プロデューサー専攻があります。
制作進行や監督業についてだけでなく、演出技法や作画についても学ぶことができます。
- チームとしてのコミュニケーション能力が高まる
- 現役監督から第一線でのノウハウを学べる
- 作画に必要なデジタル技法を学べる
作画やデジタル技法などの幅広い知識が身に着くので、就職後も制作進行としての力を発揮することができます。
RETASSTUDIOやPhotoshopなどのソフトで、デジタル作業の工程を学べるのも1つの魅力ですね。
アミューズメントメディア総合学院で、制作に関する最新のノウハウを学びたいなら資料請求をしましょう。
ヒューマンアカデミー マンガ・イラストカレッジ
ヒューマンアカデミー マンガ・イラストカレッジには、アニメーション・映像制作専攻があります。
最近では3DCGで制作されているアニメが増えているため、ヒューマンアカデミーでは2Dだけでなく3Dのグラフィックでの制作も取り入れています。
- 最新の3DCGアニメーション制作が学べる
- 年間2~3回の頻度で現役クリエイターのセミナーが聞ける
- 現役のプロ講師から常に最新の技術を学べる
就職後のことも考えられてカリキュラムが組まれているので、常に最新の知識やスキルが学べます。
3DCGのアニメーションやモデリング、コンポジットなどを使いこなすことができれば、就職後も様々な仕事に対応することができます。
ヒューマンアカデミーではアニメ制作の最新技術が学べるので、ぜひ資料請求をして詳しい詳細を確認してみましょう。
アニメプロデューサーに求められるスキル
アニメプロデューサーに求められるスキルは、以下の3つになります。
- 予算を管理する能力
- リーダーシップ
- スケジュール調整力
この3つがなければ、アニメプロデューサーとして大きな成果を残すことはできません。
長い年月をかけて、この3つのスキルを養っていきましょう。
予算を管理する能力
アニメ制作において、何よりも大切なのは利益を出すことです。
1クールのアニメの場合、制作するのに約3億円の資金が必要なうえに、そこから投資金額以上の利益を出さなければなりません。
様々な会社から資金を集めて、余計な予算を省きつつ、高いクオリティのアニメを作らなければならないので、予算を管理する能力は必須です。
どこを省いてどこに注力するかというバランス感覚を磨くことで、予算管理能力を磨くことができます。
リーダーシップ
アニメプロデューサーは多くの人に指示を出さなければならないため、リーダーシップも求められます。
様々な物事を同時に考えて発言する力がないと、チームとしての役割や意識がバラバラになってしまうので、常に広い視野をもっておく必要があります。
誰がどんなジャンル・分野を得意としているのかを把握しておくことで、適切な指示が出しやすくなります。
スケジュール調整力
アニメ制作には、公開までの納期が決まっているため、絶対に遅れてはいけません。
そのため、前もってできる限り時間を多く確保しておいたり、現状を見て細かく調節したりするスケジュール調整力が大事になってきます。
納期に遅れてしまうと、個人としての信用だけでなく、会社やチームとしての信用も失ってしまうので、自覚をもって調整していきましょう。
アニメプロデューサーに向いている人とは?
アニメプロデューサーは人と関わる機会が多い職業なので、社交的でコミュニケーション能力が高い人に向いています。
スタッフや監督、クライアントとの打ち合わせなどを同時進行していくので、人付き合いが苦手な人には厳しいこともあるでしょう。
その他にも、判断力が長けている人は適切な指示を出せるので、アニメプロデューサーとしてリーダーシップを発揮しやすくなります。
アニメプロデューサーに資格は必要?
アニメプロデューサーになるにあたって、必ず必要な資格はありません。
ですが、何かしらの資格を取っておきたいというのであれば、以下のようなマネジメントに関する資格を取っておくのがおすすめです。
- ビジネスマネジャー検定
- プロジェクトマネージャ試験
これらの資格を勉強することで、より高いマネジメント能力が身に着き、現場でのスキルアップやキャリアアップに繋げやすくなります。
アニメプロデューサーの仕事についてまとめ
今回Pacific Metaマガジンでは、アニメプロデューサーの仕事内容や必要なステップについて解説してきました。
- アニメプロデューサーは企画と制作の2種類に分かれる
- 専門学校などでアニメ制作を学んでから就職するのがおすすめ
- アニメプロデューサーには予算管理能力やリーダーシップが求められる
アニメプロデューサーになるには、より多くのスキルや知識を身に着けるとともに、積極的にコミュニケーションをとっていくことが重要です。
個人ではなく、チームとしての意識を持つことで、視野を広げて適切な指示を出していくことができます。