アニメ制作になくてはならない大事な職業としてアニメーターが挙げられます✨
アニメーターはコンテを参考に原画を描いたり原画と原画を動画で繋いだりと、アニメ制作の核を担っています。
そんな絵を描くプロであるアニメーターと初心者の違いは一体どこにあるのでしょうか?
そこで今回eスポでは一流アニメーターと初心者の違いとしてイラストの描き方について以下の内容でご紹介していきます❗
- 一流のアニメーターと初心者の絵の描き方の違いはなに?
- アニメーターはどのようにして絵を描いている?
- アニメーターのような絵を描くためにおすすめの本
その他、いろんなパーツごとのあたりの取り方などもご紹介します。
一流アニメーターと初心者の描き方の違い
一流のアニメーターと初心者の描き方の違いはなにがあるのでしょうか。
一流のアニメーターには初心者とは違う、共通する描き方があるのでそれを詳しく見ていきましょう。
一流アニメーターは大雑把に描き始める
まず一流のアニメーターは絵を大雑把に描き始めます。
それに対して初心者は最初から細かく丁寧に描き始めるという違いがあります。
これは一見すると、初心者のやり方の方が上手に描けそうな気がするかもしれません。
しかし最初は大雑把に描いて全体のバランスを決めてから細部を描き始める方が最終的な仕上がりはよくなるのです。
丁寧に絵を描くことは大事ですが最初にラフとして下描きをしておくで、絵を描くときに全体も一緒に確認できるようになり、最終的な修正が少なくなります。
一流アニメーターは描きながら修正していく
一流のアニメーターは絵を描きながら、ポーズや角度、大きさなどを柔軟に修正しています。
それに対して初心者の人は一度描いた絵を修正せずに絵を描ききってしまう人が多いです。
せっかく描いた絵を修正するのは時間がかかるし、描き直したからと言ってクオリティが必ず上がるわけではないので、初心者の人はなるべく修正をせずに描き上げてしまうという特徴があるようですね。
しかし上手な絵を描くためには何度も色んな角度から見て修正を加えながら、細部までの完成度を上げないといけません。
絵が上手い人の方が修正をせずに一回でぱぱっと描いてしまいそうなイメージですが、気に入らないところは何度も修正を加えて完成度をあげているというわけです。
一流アニメーターは細かいところも見落とさない
原画の描き方ですが、一流のアニメーターは細かい部分も妥協せずにしっかりと描き上げます。
それに対して初心者の人は毛先や服のシワ、指先など細かい部分を妥協して作品を完成させてしまう人が多いのではないでしょうか。
絵をいかにリアルなものとして表現できるかは、細部をどこまで表現できるかにかかっています。
そのためアニメーターになるためには細かなところまでしっかりと描けないといけません。
練習から細かい部分まで描き込むことによって、難しい表現も苦手意識がなくなったり、単純な画力向上にも繋がります。
絵を描く際は細部まできっちりとこだわって描きあげる意識を常に持つようにしましょう。
アニメーターのイラストの描き方
続いてはアニメーターがどのようにしてイラストを描いているのかを見ていきます。
アニメーターが実際に使っているテクニックなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【パーツ別】アタリのとり方と描き方
まずはパーツ別のアタリのとり方と描き方について見ていきましょう。
「顔」のアタリのとり方&描き方
最初はアニメーターの顔の描き方です。
顔はイラストの中で特に大事な部分です。
顔にしっかりとアタリをとることで顔のバランスを整えて、ズレている際にも気付きやすくなります。
顔はまず楕円を描き、そこに十字に線を描くことでアタリをとります。
このとき性別やどのような絵柄を描きたいかで、十字の位置が変わってくるので参考にしたい絵のアタリを取ってみて、自分が描きたい絵はどのように線引いたら綺麗に描けそうなのかを見てみるといいでしょう。
「体」のアタリのとり方&描き方
続いてはアニメーターの体の描き方です。
体のバランスが悪いと作品全体に違和感が生まれて、チープに見えてしまいます。
それを防ぐためにはアタリをとってバランスが崩れないようにしましょう。
まず体には上半身とか下半身が1:1になるという基本があります。
顔から腰までが上半身。
腰から下が下半身とします。
その基本を抑えた上で、描きたいキャラクターの等身にこの法則を当てはめて描いていきましょう。
大まかなアタリをつけたら関節の位置を先に決める必要があります。
そうしないと腕と脚のバランスが悪くなってしまい、描き直しが発生しやすくなるからです。
先に体のアタリをつけて全体のバランスを確認しましょう。
「手」のアタリのとり方&描き方
手にアタリをつけないと関節などのメリハリがなくのっぺりとした印象となってしまいます。
アニメーターの手の描き方は、手の甲と指を分けて考え、指の関節もしっかりとアタリをとるようにしています。
手のアタリをとる際は、まず手の甲(手のひら)を描きます。
その後に親指の根の部分をくっつけるように描きます。
そして最後に指のアタリを描くのがやりやすいでしょう。
この際に自分の手を見ながら実際の指の位置や指の長さのバランスを注意しながら描くのが参考になりますよ。
「背景」のパース・アタリのとり方&描き方
最後はアニメーターの背景のパース・アタリのとり方です。
背景を描く際はアタリだけでなく、パースも一緒に描くようにしましょう。
パースとは立体感や遠近感を表現する技法で絵をよりリアルに仕上げてくれます。
パースを適切にとることができれば、イラストのレイアウトを考えるときの参考にもなります。
背景も人物と同じようにアタリをとってから描いていくようにしましょう。
パースをとる上で抑えておかないといけないのが、アイレベルと消失点です。
アイレベルとは物を見ている視点の高さのことを指します。
消失点とは近くにあるものは大きく、遠くにあるものは小さく見えるという目の特徴を絵で表現するための点を置くことをいいます。
背景を描く際は、この2つを抑えた上で、あらかじめ描いたラフに対してアイレベルと消失点を定めます。
そして物体に対して消失点までを線で結ぶことによって背景をリアルに見せることができます。
パースは奥が深く、さまざまな技法があるので描きたい背景によって色々と使い分けてみるのがいいでしょう。
「走っている人」の描き方
続いてはアニメーターが描く、走っている人の絵の描き方を見ていきます。
「走る」というような動きのある動作は絵で表現するのはとても難しいのでプロがどのようにして、表現しているのかを参考にしてみましょう。
原画に着地と踏み出しを描く
走りを表現するためには走るために踏み出した足と、地面に着地した足を描く必要があります。
地面を蹴っているような動作は歩く動作にはないので、走りと歩きの差別化ができて、この絵は走っている絵なんだというのが一目でわかるようになります。
中割りに沈み込んだ瞬間を描く
アニメーションとして実際に走っているように表現するためには、中割りに沈み込んだ瞬間を描きます。
軸足は着地の衝撃を緩和させるようにわすがに屈伸させ、蹴り脚はかかとを持ち上げ折りたたむように表現しましょう。
中割りに宙に浮かんだ瞬間を描く
中割りに地面についていない瞬間を描きましょう。
この際頭の位置は一番高く、腕も大きく振り上げます。
体は前傾で前に進んでいるのを表現しましょう。
このように着地と踏み出しの間に沈み込みと、浮く瞬間を描くことで疾走感のある走っている人を表現することができます。
色付けは「アニメ塗り」で
色付けをする際はアニメ塗りでするのがおすすめです。
アニメ塗りとは陰影の境目がはっきりと分かれている塗り方です。
アニメ塗りには境界線の線がはっきりと描かれたイラストが適しています。
線が薄かったり余分な線があるイラストでアニメ塗りをしてしまうとイラストが汚く見えてしまうため、アニメ塗りをする際ははっきりとした線でイラストを描くようにしましょう。
そんなアニメ絵を塗る際の手順を見ていきましょう。
下地を塗る
線画が描けたら、パーツごとに下地を塗っていきましょう。
この際に彩度・明度の低い目立つ色で最初に塗ってから本来の色に置き換えるのが塗り残しなどが少なくなりやりやすいでしょう。
影を塗る
影を塗ることでイラストを立体的に見せることができます。
まずは広範囲にベースとなる影を入れます。
ベースの影ができたら先ほどよりも狭い範囲で、なおかつ濃いめの影を入れます。
このときパーツによって影の濃さが変わらないように気をつけましょう。
ハイライトを塗る
影が入ったらハイライトを塗っていきます。
ハイライトを入れる場所は髪の毛や瞳などです。
光がどこから当たっているかなどを意識してハイライトを当てる位置を決めていきましょう。
線の色を変える
最後に塗りの色と線画の色を馴染ませるために線の色を変えましょう。
パーツごとに色を変えることでイラストが自然な仕上がりになりますよ。
「アニメーター イラスト」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
アニメーターの描き方が学べる本
続いてはアニメーターの作画や原画の描き方が学べる本を5つご紹介します。
アニメーターが教えるキャラ描画の基本法則
魅力的なキャラクターを描くための線の選び方や描き方をアニメーターの手法から学べる一冊です。
アニメーターズ・サバイバルキット
アカデミー賞を受賞したアニメーション監督が著書のこちらの本は、実用的なアニメーション制作を学べます。
手描きからCGまで初心者にもわかりやすく解説されているので、アニメーターの基本が知りたい方はぜひ見てみてください。
アニメーションの基礎知識大百科
こちらの本はアニメーションの制作工程を図版でわかりやすく解説されています。
そのほか、デジタル作画やアニメーション用語集などアニメーターとして働く際に一冊は手元に置いておきたい本となっています。
アニメーションの本 動く絵を描く基礎知識と作画の実際
1978年に刊行されたこちらの本は、パラパラ漫画の要領で動く絵を描く際の基礎中の基礎を学ぶことができます。
動きのあるイラストを描くアニメーターにとっての入門書とも呼べる一冊でしょう。
京都アニメーション版作画の手引き
実際のプロである京都アニメーションの制作スタッフが書いた作画の基本知識が学べる一冊です。
プロが実際に制作現場で使っている手法を学ぶことができるので、これからアニメーターになりたい人にはとても参考になるのではないでしょうか。
「アニメーター 原画」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
アニメーターの描き方を学ぶなら専門学校がおすすめ
アニメーターの描き方を効率よく学ぶなら、やはり独学よりも専門学校に通うのがいいでしょう。
続いてはeスポがおすすめするおすすめの専門学校を3つご紹介します。
代々木アニメーション学院
学科・コース |
アニメーター科 |
---|---|
学費 |
初年度学費合計:1,597,000円 |
応募資格 |
義務教育修了以上 外国籍の場合は ・日本語能力試験N2以上の合格者 ・日本留学試験の日本語科目の200点以上の取得者 のどちらかに当てはまる |
ホームページ | https://www.yoani.co.jp |
代々木アニメーション学院のアニメーター科はアニメ業界で必要とされるアニメーターになるための学科となっています。
アニメーターに必要なキャラクターを動かす力を基礎の人体描写を使って徹底的に学びます。
そのほか、作画技法や業界のルールを把握して実践する力を身につけるためのスキルを身につけることができます。
こちらのアニメーター科ではアニメーターはもちろん、作画監督やアニメ監督、アニメキャラクターデザイナーなど幅広い職を目指すことが可能です。
基礎を徹底的に学びたい方はぜひ資料請求からしてみてくださいね。
総合学園ヒューマンアカデミー
学科・コース |
アニメーター専攻 |
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学費 |
初年度学費合計:約1,000,000円〜1,700,000 ※カレッジや校舎によって異なる |
応募資格 |
全日制学科4月生として入学が可能な方 |
ホームページ | https://ha.athuman.com/sp/ |
総合学園ヒューマンアカデミーでアニメーターを目指すならアニメーター専攻です。
アニメーター専攻では、基本の2Dはもちろん3DCGも学ぶことができます。
現在アニメ業界のみならず、映画業界などの映像を使う分野で3Dの技術は必須となってきています。
3DCGを学ぶことで収入面でもアップし、息の長いアニメーターになることができるでしょう。
このアニメーター専攻では2Dのアニメーターはもちろん3Dアニメーター、3DCGクリエイターなんかにも就職することが可能です。
気になった方はぜひ資料請求をお願いします。
アミューズメントメディア総合学院
学科・コース |
アニメーション学科 アニメーター・監督専攻 |
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学費 |
初年度学費合計:1,280,000 |
応募資格 |
高等学校卒業以上 高等学校卒業程度認定試験(旧大検)合格者 上記と同等以上の学力があると認められる者 |
ホームページ | https://www.amgakuin.co.jp |
最後に紹介するのがアミューズメントメディア総合学院です。
こちらの学校でアニメーターを目指すなら、アニメーション学科 アニメーター・監督専攻です。
本来アニメーターの専門学校に通う人はある程度イラストが描ける人が多いですが、アミューズメントメディア総合学院では、イラストの経験がない人でもアニメーターになるための基礎をみっちり学ぶことができます。
講師は全員現役のプロなので、プロになるためのノウハウも肌で感じることができるでしょう。
こちらのアニメーター・監督専攻で目指せる職種はアニメーター、作画監督、キャラクターデザイナーなどです。
気になった方はぜひ資料請求をしてみましょう。
「アミューズメントメディア総合学院」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
アニメーターの描き方についてまとめ
今回Pacific Metaマガジンではアニメーターの描き方について以下の内容でご紹介してきました。
- 一流のアニメーターと初心者には明確な描き方の違いがある
- イラストを描く際は頭、体、手、背景などアタリをしっかりとる必要がある
- 原画と原画を中割りで繋いでイラストが実際に動いているように見せる
描き方ひとつをとってもアニメーターは細かいところまでこだわりを持って描きあげているのが分かりましたね✨
アニメーターになるためにはかなりの技術が必要ですが、今回紹介した本や専門学校で学べば、アニメーターに大きく近づくと思うのでぜひ頑張りましょう❗