スクリプターはスクリプト言語を使用して、ゲーム制作の中でキャラクターの動作や映像の切り替えをするゲームクリエイターです。
ゲームクリエイターというと、プログラミング言語や高難易度な3DCGというスキルを使用するため、敷居が高い職業と思われています。
簡易的なスクリプト言語を使用して、ゲーム制作を行うため、アルバイトや未経験からでもなれるのがスクリプターです?
今回Pacific Metaマガジンではスクリプターについて以下の内容をメインで紹介していきます。
- スクリプターとは?
- スクリプターの仕事内容は?
- スクリプターとゲームプログラマーの違いについて
- スクリプターになるにはマイナビクリエイターがおすすめ!
- スクリプターにおすすめの資格を紹介!
- スクリプターに必要なスキル
- スクリプターの平均年収は?
スクリプターとは何か、仕事内容やスクリプターにおすすめの資格を解説していきます。
スクリプターとは?
スクリプターとは映画・ドラマ・ゲーム制作の記録や管理に関わる仕事です。
カットされたシーン、セリフ、撮影方法、尺(時間)、照明、音をスクリプト用紙に細かく記録?
1カットごとにそれぞれの情報をスクリプト用紙に記録し、編集に立ち合いセリフを話すタイミングを伝達する専門職業の人をスクリプターと呼びます。
ゲーム制作の現場ではセリフの展開、キャラクターの個性、エフェクトの設定、レベルデザインの設定などは、簡易的なスクリプト言語を使用するのが特徴です。
それらスクリプト言語を使用しゲーム内でどんなポーズを入れるか、BGMを流し、表情を付け、演出を最高に面白くするために指定を入れるのがスクリプターの役割です。
スクリプターの英語の語源はScriptで、台本や脚本という意味になります。
ゲームや映像関係のスクリプターの仕事内容もあまり大差はありません。
映画でもBGMが変更するシーン、主人公の表情が変わるシーン、カメラワークが変わるシーンがあると思います。
映像かゲームだけの違いです。
要は映像関係のスクリプターは監督秘書でゲーム制作のスクリプターは演出家といった感じです。
スクリプターの主な仕事内容
スクリプターはスクリプト言語を使って、動作や表情を付け加え、ゲームをより面白くするように設定するのが仕事です。
こちらではゲーム制作のスクリプターが担当する仕事内容を紹介していきます。
ストーリーの設定
スクリプターの仕事の1つ目がストーリーの設定です。
シナリオライターが制作したセリフの指示から会話イベントを演出していきます。
たとえば、「ここでキャラクターの設定に基づいて表情を笑顔に」「ここで映像を切り替えて印象的な背景に」「カメラワークはこうしよう」など、ストーリーパートの画面仕様の設定をしていきます✨
ここはヒロインが告白されて泣くイベントなのに、次のシーンでヒロインが急に怒り出したらストーリーがちぐはぐになってしまいますよね?
会話イベントで変な混乱を招かないようにするのがストーリー設定です。
キャラクターの設定
スクリプターの仕事の2つ目がキャラクターの設定です。
ゲームで登場するキャラクターは一人、一人特徴が異なります❗️
ギャグを飛ばすキャラもいれば、人情に熱いキャラもいるでしょう。
逆転裁判を例で挙げると、成歩堂龍一、真宵ちゃん、糸鋸刑事、個性的なキャラクターが裁判中に喜んだ表情や涙を流すシーンがありますよね?
シナリオや仕様書に沿って表情やモーションをキャラクターに設定していきます。
ゲームを面白くするためにより個性を持ったキャラクターをどう味付けしていくかの作業ですね。
エフェクトの設定
ゲームに登場するエフェクトの設定もスクリプターの仕事です。
バトルパートにおいて、キャラクターが必殺技のモーションを繰り出したら、水や氷のような派手な視覚効果が表れるのがエフェクトと言います。
ポケモンで例えるとピカチュウが電気ショックを発動したらバチバチっと雷の映像が発動しますよね?
エフェクトがワンパターンだけではプレイヤーに飽きられてしまうでしょう?
必殺技のエフェクトが飛び出すタイミングを指定するのもスクリプターの仕事です。
基本エフェクトはCGデザイナーが行いますが、スクリプターが担当することがあります。
レベルデザインの設定
レベルデザインは聞きなれない言葉ですが、キャラクターのレベルを設定することではありません。
ゲームの面白さを設定する難易度調整のことです。
物が落下して当たるとゲームオーバーになるというゲームがあるとしましょう。
物の落下速度、個数、当たり判定、出現方法などを選定して、フィールドやダンジョンを細かく難易度調整するのがレベルデザインです。
ゲームが簡単すぎてもプレイヤー飽きますし、難しすぎると逆にゲームが苦手な方には受け入れられないでしょう?
このレベルデザインの設定もスクリプターの仕事です。
スクリプターとゲームプログラマーとの違いは?
スクリプターとゲームプログラマーの違いは何でしょうか?
スクリプターは仕様書やシナリオを元に、スクリプト言語を用いてゲームを演出していく仕事だと分かりました。
ゲームプログラマーはC++言語やJava言語のオブジェクト指向を元に、ゲーム設計をしていきます?
仕様書やシナリオに合わせてゲーム上のオブジェクトから動きを付け加え、面白く演出するのがゲームスクリプターの役割です。
一方、ゲームプログラマーは企画や仕様書の作成から担当し、ゲームシステムの根幹をプログラミング言語で、1から表現していくのが役割と言えるでしょう。
つまり、スクリプターは下流の工程を担当し、プログラマーは上流工程を担当するということです。
ゲーム会社によってはスクリプターとゲームプログラマーを兼任していることもあるようですね。
「ゲームプログラマーが使用する言語」についてより詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
スクリプターになるならマイナビクリエイター
スクリプターという職業で正社員になるにはアルバイトから昇給する方法が一般的です。
しかし、スクリプターは一般には求人がほとんど出回っていないため、就活・転職の知識がない人がなるには、まず不可能な職業と言えるでしょう?
そこで、スクリプターになるならマイナビクリエイターという、転職エージェントの登録がおすすめです。
マイナビクリエイターはゲーム・IT・Webに強く、スクリプターのようなレアな職業の求人を探す時に便利です。
公開求人に出回っていなくても、マイナビクリエイターに登録すれば転職エージェントが、マッチしたスクリプターの求人を紹介してくれることもあります。
また、面接に受かる確率を上げるための戦略や模擬面接も実施してくれるので、マイナビクリエイターの転職エージェントは心強いですよ?
スクリプターの面接で、受かる確率を1%でも上げたい方はマイナビクリエイターに登録してみてはいかがでしょうか?
マイナビクリエイターの気になる評判やメリット・デメリットについて知りたい方は下記に詳しい記事を公開しているので読んでみてください!
スクリプターにオススメな資格
ゲーム制作で使用するスクリプト言語はプログラミングやCGのような難しい知識は必要ありません。
しかし、キャリアアップや年収アップには資格を持っておいて損はありません。
こちらでは、スクリプターが持っておいて損をしない資格やおすすめの参考書を紹介していきます。
英語検定
スクリプターは英語検定を取得しても損はありません❗️
なぜなら、UnityやLuaで使用するスクリプトコマンドは、英語圏で制作されたものばかりです?
人の書いたメソッドやプロパティのソースコードもすべて英語表記。
分担して作業するゲーム制作では、自分で書けるようになったり、読めるようになったりすると生産性も上がるので、英語検定を取っておくと良いでしょう。
こちらで紹介する英語の本は中学~高校までの文法を記載した参考書です。
10日間のカリキュラムで動詞から仮定法まで学び、英語の文法の基礎をマスターしていきます。
スクリプターになって英語を学び直そうと考えている方やこれから英語を学びたいという方におすすめの1冊です。
C言語プログラミング能力検定
簡易的なスクリプト言語を利用して設定していくのがスクリプターと言いました。
しかし、未経験やアルバイトでもスクリプターになるには、C言語プログラミング能力検定を取得すると有利です。
こちらで紹介している「スッキリわかるC言語」は高校の情報処理の授業にも取り入れられているC言語入門書の決定版です。
C言語で超難関のポインタについても分かりやすく、挫折しにくい内容となっています。
基本の応用としてパズルRPGの例題も載せてくれていました?
C言語プログラミング能力検定の参考書ではありませんが検定の応用としても使えます。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はITの国家資格です。
パソコンのソフトウェア、ハードウェア、データベースを操作する上でITを利活用できる基本情報技術者試験の資格は、スクリプターが取得しても損はありません❗️
こちらで紹介する参考書は、基本情報技術者試験を目指す人のための初心者決定版解説書!
「2進数?アルゴリズム?何それおいしいの?」というIT初心者レベルの方にも可愛いキャラクターのイラスト・漫画付きで分かりやすく解説してくれます。
例題もあるので試験対策にもなるでしょう。
IT特有の専門用語が苦手な方にもおすすめの1冊です?
スクリプターに必要なスキル
マニュアルを読むだけでも実装や入力が簡単にできるため誰にでもスクリプト言語が操作可能です。
未経験からも就職できますし、アルバイトから募集しているのが魅力の職業ですね✨
しかし、スクリプト言語がいくら簡単とは言え、ゲームクリエイターとして職務をこなすには、最低限必要なスキルがあります。
こちらではスクリプターに求められる最低限必要なスキルを紹介していきます。
基本的なPC操作と知識
いくら簡易的なスクリプト言語を使用すると言っても、スクリプターにも基本的なPC操作と知識は必至。
専用のスクリプトエディタを操作してコマンドを書いていく必要があるからです。
ちなみに、ゲームのスクリプトエディタでは、Lua、Unity、Live2D、WebならPHPやCGI、ExcelではGASが使用されています?
スクリプトエディタではゲーム素材を頻繁に使用するため、画像の「.png」「.jpg」音源を表す「.mp4」といった拡張子の知識。
それらのデータにアクセスするにはファイルパスといったPCの基本知識がいります。
また、アセットにドラッグ&ドロップをしてスクリプトを対応させる、基本的なPC操作も必要でしょう。
C言語などのプログラミングスキル
ゲーム開発の現場ではゲームプログラマーがスクリプターを兼任することもあります。
そのため、C言語のようなプログラミングスキルを持っていると鬼に金棒です。
スクリプターの求人も見てみてください?
スクリプターの応募条件には大抵「C言語が使える人」と求人に記載されていることが多いと思います。
C言語のプログラミングスキルを持っていると上司からの査定やスキルアップに起因しますし、スクリプターのアルバイトの面接や就職にも優遇され、採用される確率も上がります。
C言語のプログラミングスキルを持っていても損はしません。
観察力
スクリプターに必要なスキルはプログラミングやスクリプト言語を書く力も必要です。
しかし、ゲームを面白くさせるには、観察力といったヒューマンスキルがいります。
表情を1つキャラクターに落とし込む場合、普段から人の動きや表情を観察している人と気に留めていない人とでは、明らかな差が生じてきます?
たとえば、「訝しむ」といった表情の指定が入っていた時、それを指定のキャラクターにスクリプトで落とし込めるでしょうか?
シーンの表情や動きを正確に作るには、普段から細部を隅々まで見渡し、表情や動きの観察をして、注意力と集中力を鍛えておく必要があります。
発想力
スクリプターにはアイデアを引き出せる発想力が必要です。
発想力の意味はパッと思いついたことを、何かで表現できる力と言えるでしょう。
「このシーンにはどういう背景が相応しいか」「このキャラクターのモーションの動作はどんな動きが相応しいか」など、スクリプターには咄嗟に判断できる発想力が必要です。
発想力を鍛えるには普段からボードゲームでトレーニングしてみてください。
有名なゲームプランナーや専門学校でも発想力の鍛え方に、ボードゲームのトレーニングを推奨しています?
なぜなら、ボードゲームでは自分たちで自由にゲームのルールが決められるからです。
3人用を5人で遊んでみたり、カードが足りなかったら自分たちで作ったりと、奇想天外なルールを企画して遊んでみましょう。
スクリプターの仕事の中で面白い発想が思いつくかもしれませんね。
スクリプターの年収はどれぐらい?
スクリプターはPCやノベルゲームで求人を出すことが多いのが特徴です?
それほど専門的な知識は必要ありませんので、ゲーム企業は正社員で初めからスクリプターで雇うということは少なく、アルバイトから雇うパターンも多いようですね。
そのため、ディレクターにキャリアアップし、年収アップも可能な職業と言えます。
こちらではそんなスクリプターの平均年収やスクリプターからキャリアパスできるゲームクリエイターについて紹介していきます。
平均年収は低い?
スクリプターはスキルや資格が必要ありません。
マニュアルを読んで簡易的なスクリプトコマンドが書ければ、アルバイトですらゲーム会社で務まります。
そこまで専門技術が必要ないため、スクリプターの平均年収は低いと言われています。
実際にスクリプターの平均年収はいくらぐらいでしょうか?
調査したところスクリプターの平均年収は330万円~580万円でした?
中央値は450万円ですね。
サラリーマンの賃金が平均433万円と言われているので、スクリプターの平均年収330万円~580万円は、低くもなく高くもないといった感じでしょうか?
ただ、年収が低い企業だと260万円台もありました?
ちなみに、多くのゲーム企業はスクリプターをアルバイトとして雇っており、平均時給はおおよそ、1,300円~1,580円です。
中には、2,500円というアルバイトとしては好待遇な時給を付けている企業もありました。
スキルや能力次第では年収アップも期待できる
スクリプターは未経験から挑戦できるため、ゲーム業界の登竜門的な職業と言われています。
ドラクエでたとえるとスクリプターは初期職業の戦士です。
スクリプターは実績が認められれば、上位互換のゲームクリエイターにキャリアパスできます。
たとえば、以下のゲームクリエイターがあげられます。
- 管理職のゲームディレクター
- 企画職のゲームプランナー
- 現場職のゲームプログラマー
- 現場職のイラストレーター
実務経験を1~5年ほど実績を積み、評価されたらディレクターという役職にキャリアパスできます。
他にも、スクリプターを1年~3年ほど実績を積み、企画職のゲームプランナーや現場のゲームプログラマー、イラストレーターのキャリアパスが可能です?
スクリプターからキャリアパスするには開発現場流れを把握し、現場のゲームクリエイターのスキルを磨くと良いでしょう。
スクリプターは最終的にディレクターとして活躍してもらおうとゲーム企業の方は考えているようですね。
そのため、本人のスキルや能力次第では、ディレクターのキャリアアップに繋がり、年収アップも期待できるのがスクリプターの魅力と言えるでしょう?
スクリプターについてのまとめ
今回Pacific Metaマガジンではスクリプターの仕事内容やスキルについて以下の内容について紹介してきました。
- スクリプターはスクリプト言語を使用しゲームを面白く演出する演出家
- ストーリー・キャラクター・エフェクト・レベルデザインなど、ゲームを面白く演出・設定するのがスクリプターの仕事内容である
- プロジェクト開発で下流の工程を担当するのがスクリプターで、上流の工程を担当するのがゲームプログラマー
- スクリプターになるにはゲーム・IT・Web業界に強いマイナビクリエイターの転職エージェントが頼りになる
- スクリプターになるには資格の取得は必要ないが、取得しておいても損がない資格がある
- スクリプターには最低限PC操作のスキルや観察力・発想力のようなヒューマンスキルがいる
- スクリプターの平均年収は低く330万円~580万円が相場である
スクリプターはゲームを面白くする演出家で、ゲーム制作に欠かせない重要なポジションです。
しかし、簡易的なスクリプト言語を使用するだけでゲームクリエイターとして務まるため、正社員としてガッツリ雇うことがあまりありません。
そのため、比較的に年収が低いですが、未経験からでもゲームクリエイターになれる魅力的な職業です。
ゲームクリエイターになりたい方はスクリプターの求人があれば積極的に狙ってみてください。