米証券取引委員会(SEC)のヘスター・パース委員が、10月2日付で退任することが明らかになりました。パース氏は21日付でホワイトハウス宛てに辞表を提出しており、約9年間にわたる委員としての任期を終えます。暗号資産(仮想通貨)業界で「クリプトママ」の愛称で支持を集めた同氏は、市場のルール整備や執行方針の転換において主導的な役割を果たしてきました。退任後の11月からは、バージニア州のリージェント大学ロースクールで准教授に就任する予定です。
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退任の経緯とSEC新体制への評価
パース氏はホワイトハウスへ提出した辞表の中で、委員としての務めを果たせた機会に感謝を示し、SEC委員としての期間を「専門家としての人生における名誉だった」と振り返りました。
同氏はまた、SEC委員長のポール・アトキンス氏とSEC委員のマーク・ウエダ氏の指導体制について言及しました。両氏のもとで委員会は今後もバランスを維持していくとの確信を示しており、自身の退任後も適切な組織運営が継続されるとの見方を示しています。パース氏は退任後、11月よりリージェント大学ロースクールで准教授として教育・研究活動に移行する計画です。
暗号資産市場のルール整備と執行方針の転換
パース氏は約9年間の在任中、暗号資産市場の環境整備において中心的な役割を担いました。新規トークンの発行体に対して3年間の猶予期間を与える「トークン・セーフハーバー」提案を主導したほか、複数の大型訴訟を一時停止や取り下げに導く執行方針の転換を後押ししました。
2025年にはSECの仮想通貨タスクフォースで責任者に就任し、業界に対する数百件の質問を通じてデジタル資産の分類体系の構築を進めました。さらに、米国の主要取引所に上場する株式のオンチェーン取引を試験的に認める時限的な適用除外や、オンチェーンでの証券法適用の考え方を示すガイダンス整備にも関与しました。このほか、従来の本人確認手続き(KYC/AML)における過剰なデータ収集を批判し、ゼロ知識証明(取引の正当性を証明しつつ不要な情報を開示しない暗号技術)を活用した属性証明型の本人確認への転換を提言するなど、技術を活用した規制改革を継続して訴えてきました。
ポイント
- 米SEC委員のヘスター・パース氏が21日付で辞表を提出し、10月2日付で約9年間にわたる任期を終えて退任します。
- 新規トークン発行体に3年の猶予を与える「トークン・セーフハーバー」提案やタスクフォース主導によるデジタル資産分類体系の構築など、市場のルール整備を牽引した点で注目されます。
- 主要取引所上場株式のオンチェーン取引に向けた時限的除外やガイダンス整備に関与し、複数の大型訴訟の停止や取り下げを後押ししました。
- 辞表の中でポール・アトキンス委員長とマーク・ウエダ委員による体制のバランス維持に確信を示しており、11月からはリージェント大学ロースクールの准教授に就任する予定です。
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