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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

米ビットワイズのニア現物ETFがNYSE Arcaの上場承認を取得。シード資金を200ドルから約50万ドル相当に拡大し9月29日前後に取引開始へ

米暗号資産運用会社のビットワイズが申請していたニア(NEAR)現物ETFが、NYSE Arcaによる上場承認と米証券取引委員会(SEC)による登録届出書の効力発生を受けました。ティッカーシンボルは「NRR」となり、米国初となるニア現物ETFとして2026年9月29日前後に取引が開始される見込みです。信託財産内のトークンを全量ステーキングして利回りを生み出す設計となっており、暗号資産の運用利回りを組み込んだ上場商品として市場の関心を集めています。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

保有トークン全量のステーキングと機関投資家向けの保管体制

本ETFはNEARトークンを直接保有し、その保有分のすべてをステーキングに回すことで、現物の価格変動による損益に加えて追加利回りを得る構造となっています。年間の運用管理手数料は0.75パーセントです。ステーキングによって発生した収益のうち約33パーセントはステーキング費用に充てられ、残る約67パーセントが信託資産に組み入れられます。

資産管理においては、NEARトークン自体のカストディ(保管業務)をコインベース・カストディが担当し、現金の管理や事務手続きをBNYメロンが担います。大手金融機関と暗号資産管理大手を組み合わせることで、機関投資家からの信頼性を高める体制が整えられています。

運用開始に向けた資金規模についても拡充が進められています。開示書類によると、2026年7月28日時点のシード資金は1株25ドルの株式8株のみで純資産総額は200ドルにとどまっていましたが、上場開始に先立ち、2万株規模となる約50万ドル相当のシードバスケットを用意して運転資金を確保する計画です。

AIエージェントの普及シナリオと連動する将来評価

ニア・プロトコルは、高速処理や安価な手数料、安全性、ユーザーフレンドリーな設計を特徴とするレイヤー1の分散型アプリケーション(dApp)プラットフォームです。足元では、AI(人工知能)エージェントが自律的に取引を執行する決済基盤としての活用が拡大傾向にあります。

ETF組成企業であるビットワイズの欧州法人が2025年第2四半期に公表したレポート(公表時点のNEAR価格は2.15ドル)では、AIエージェントの普及状況に応じた将来価格の試算が示されています。基本シナリオでは、2030年までに世界で164億に達すると予測されるAIエージェントのうち2パーセントがニアを利用することを前提とし、2030年末の価格を約156ドル(155.85ドル)と試算しています。

さらに、金融自動化やB2Bタスク実行の決済レイヤーを独占的に担い、317億のエージェントのうち3パーセントが年間1,250件の高頻度取引を行う極端な強気シナリオでは562ドルに達すると見込んでいます。一方で、オープンAI、アンソロピック、メタといった中央集権的なAIプラットフォームが調整機能を支配した場合には需要が落ち込み、1.63ドルにとどまる弱気シナリオも併記されています。

ポイント

  • 米国初となるニア現物ETF「NRR」がNYSE Arcaの上場承認とSEC登録の効力発生を受け、9月29日前後に取引開始となる見通しの点で注目されます。
  • 単なる現物保有にとどまらず全量をステーキングに回し、得られた利回りの約67パーセントを信託資産に組み込む商品設計となっている点で注目されます。
  • コインベース・カストディとBNYメロンによる資産管理体制を構築し、シード資金を200ドルから約50万ドル相当へ拡大して上場に備えている点で注目されます。
  • ニアの価値評価においてAIエージェントによる決済利用が主要な成長要因として想定されており、今後のWeb3とAIの統合動向を占う指標となる点で注目されます。

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