イーサリアム互換ブロックチェーンのクロノス(Cronos)は、ネットワークアップグレード「v1.8」の実施スケジュールを発表しました。テストネットを9月30日にアップグレードし、メインネットは10月22日の実施を目標としています。シミュレーションでは持続的なスループットが最大66%向上することが確認されており、ネットワークの処理能力と開発環境の改善が進む見込みです。
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処理能力の強化に向けた通信基盤と実行エンジンの刷新
v1.8のアップグレードでは、ブロック生成時間の中央値が約20%短縮される予定です。また、ブロックに取り込まれる前のトランザクションを一時的に保持するメンプールについて、アプリケーション側で事前にトランザクションを検証する仕組みが導入されます。これによりブロック構築時の重い検証負荷が軽減され、ネットワーク遅延の低減とブロック生成の高速化が図られます。メインネットを想定したシミュレーションでは、ネットワークが一定時間に処理できるトランザクション量を示すスループットが、持続的な環境下で最大66%向上したとされています。
ノード間の通信基盤には、分散型システムでコンピューター同士を接続するP2Pネットワーク技術である「libp2p」が新たに採用されます。これにより通信遅延の低減に加え、ネットワーク構成やノード検出の改善が進められます。さらに、コスモスSDK(Cosmos SDK)のレイヤーに並列EVM実行エンジン「ネイティブ・ブロックSTM(Native Block-STM)」を統合することで、スマートコントラクトを高い並列性で実行できる体制が整えられます。
イーサリアム互換性の向上とアップグレード時の注意点
イーサリアム向けに開発されたスマートコントラクトやアプリケーションの移行しやすさを特徴とするクロノスは、v1.8においてイーサリアムとのAPI互換性をさらに強化します。対応するAPIメソッドを80以上に拡大し、EVM APIの互換性を90%以上に引き上げることで、イーサリアム向け開発ツールをクロノス上でより利用しやすくします。このほか、40件を超える重要なバグ修正も本バージョンに含まれています。
アップグレードのスケジュールは、テストネットが9月30日、メインネットが10月22日を目標に設定されています。なお、公開されているv1.8はプレリリース版であるため、公式からは直ちに当該バイナリへアップグレードしないよう注意が呼びかけられています。
ポイント
- メインネットのアップグレード目標日を10月22日、テストネットを9月30日とする計画が示された点で注目されます。
- アプリケーション側メンプールの導入や並列実行エンジンの統合により、スループットが最大66%向上しブロック生成時間の中央値が約20%短縮される見通しです。
- ノード間通信にlibp2pを導入し、遅延低減やノード検出の効率化が図られます。
- EVM APIの互換性を90%以上に高めることで、イーサリアム向けツールの活用が容易になり開発環境が向上する可能性があります。
- 提供されているソフトウェアはプレリリース版であり、直ちに対象バイナリへ更新しないよう注意喚起が行われています。
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