SBIホールディングスは2026年10月1日、国内で暗号資産取引所を運営するビットバンクの完全子会社化を完了したと発表しました。ビットバンクがMIXIおよびセレスの保有株式を自己株式として取得したことで、取得価額等の合計が467億円にのぼる買収手続きが完了した形です。これに伴い、SBI VCトレードとビットバンクの間で経営陣を相互に役員として受け入れる新経営体制へと移行しました。暗号資産取引所「bitbank」のサービス内容に変更はなく、今後はSBIグループの金融機能や顧客基盤を活用して事業拡大を図る方針です。
株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。
新経営体制への移行と役員の相互派遣
完全子会社化に伴い、ビットバンクは経営体制を刷新しました。SBIグループで暗号資産交換業を展開するSBI VCトレードの代表取締役社長である近藤智彦氏が、ビットバンクの取締役に就任しています。
ビットバンクの代表取締役社長CEOである廣末紀之氏は引き続き同職を務めるとともに、今後はSBI VCトレードの社外取締役に就任する予定です。一方で、ビットバンクの社外取締役を務めていた都木聡氏、金山伸宏氏、久保田雅也氏の3名は退任しました。
ビットバンクは今後、SBIグループが有する金融機能、顧客基盤、経営資源を活用し、暗号資産交換業をはじめとするデジタルアセット関連事業の成長や提供価値の向上に取り組むとしています。なお、暗号資産取引所「bitbank」の提供サービスに変更はなく、利用者は従来どおりサービスを利用できます。
467億円規模の買収完了と資本関係の変遷
今回の完全子会社化は、SBIホールディングスが2026年6月25日に完全子会社SBICAHを通じて基本合意書および株式譲渡契約を締結したことから進められていました。当時の発表における株式取得と第三者割当増資引き受けなどに係る取得価額の合計は467億円とされています。
ビットバンクは2014年5月に設立され、設立以来ハッキング被害による顧客資産流出ゼロを維持してきた実績をセキュリティ面の強みとしています。同社は2021年9月にMIXI(当時ミクシィ)と資本業務提携を締結し、セレスからの追加出資を含め総額約75億円の資金調達を実施していました。2024年7月には、持分法適用関連会社としていたMIXIがビットバンクの東京証券取引所への株式上場準備を公表していましたが、最終的にSBIグループ傘下へ入る形となりました。
なお、ビットバンクは完全子会社化完了に先立つ2026年9月25日、デジタルアセットのカストディ(保管・管理)サービス提供を目指す子会社「日本デジタルアセットトラスト設立準備(JADAT)」の全保有株式を三井住友信託銀行へ譲渡すると発表しており、事業体制の再編が進められています。
ポイント
- SBIホールディングスが完全子会社SBICAHを通じてビットバンクの全株式取得手続きを完了し、買収総額467億円規模の再編が成立した点
- SBI VCトレードの近藤社長がビットバンク取締役に就き、ビットバンクの廣末社長がSBI VCトレード社外取締役に就任するなど、グループ内の連携を強化する人事体制となった点
- 過去に公表されていた東証への単独上場準備から方針転換し、SBIグループの金融機能や顧客基盤を活用する体制へ移行した点
- 暗号資産取引所「bitbank」のサービス仕様は維持され、顧客資産流出ゼロの実績を持つセキュリティ基盤がそのままグループ事業に組み込まれる点
総研プライム
ブロックチェーンを、
徹底的に読み解く。
技術の仕組み、企業の戦略、市場の構造まで。独自の調査・分析で掘り下げる専門レポート。
初月無料で読む