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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

モカ財団とモカ・ネットワークがL1「Moca Chain」メインネットを公開。アニモカ傘下600社超と7億人規模のユーザーへID基盤を提供する方針

モカ財団(Moca Foundation)とモカ・ネットワーク(Moca Network)は、デジタルIDに特化したレイヤー1ブロックチェーン「モカ・チェーン(Moca Chain)」のメインネットをローンチしたと発表しました。モカ・チェーンは、個人情報の直接開示を最小限に抑えながら、本人確認や会員資格などの検証済み情報を複数サービス間で利用できる基盤を提供します。サービスごとに個人情報を提出・保管することで生じるセキュリティリスクを低減し、企業の本人確認プロセスを簡素化できると見られます。アニモカ・ブランズ(Animoca Brands)が抱える広大なネットワークを背景に、実社会やWeb3サービスにおけるデジタルIDの普及を後押しする動きとして注目されます。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

個人情報の分散保管を防ぐ検証可能クレデンシャルの仕組み

従来のデジタルID環境では、利用するサービスごとにユーザーが本人確認を求められるケースが一般的です。モカ・ネットワークは、この運用によってユーザーの個人情報が複数の事業者に分散して保管され、セキュリティ上の脆弱性が高まっていると指摘しています。

モカ・チェーンでは、金融、通信、小売、チケットサービスなどの事業者がユーザーデータを検証し、検証可能なクレデンシャル(資格・属性情報)を発行する仕組みを採用しています。これにより、例えば「本人確認を完了している」という事実のみを、身分証明書などの元データと切り離して扱うことが可能になります。ユーザーは自身のクレデンシャルを自ら管理し、どのサービスに開示するかを主体的に選択できます。

モカ・チェーンと連携するアプリケーションは、身分証明書の生データではなくデジタル認証された確認情報を受け取ります。クレデンシャルの更新や失効情報もブロックチェーン上に反映されるため、ユーザーがサービスごとに最新の証明書一式を再提出する負担を減らせるとされています。

企業向け機能を提供する「AIR」とAIエージェントへの拡張

企業がモカ・チェーンのID基盤を自社サービスに円滑に組み込めるよう、モカ・ネットワークはプロダクトレイヤー「エアー(AIR)」を構築しています。エアーは、ID、決済、ロイヤルティの3つの機能を提供します。

企業は自社の既存の顧客確認結果をモカ・チェーン上のクレデンシャルへ変換できるほか、信頼できる他社が発行したクレデンシャルを受け入れることも可能です。これにより、新規登録時の本人確認手続きの簡素化や、検証済みデータに基づくサービスアクセスの自動化が期待されます。

エアーは以下の3つの要素で構成されています。

  • エアー・アイデンティティ(AIR Identity):必要な属性のみを選択して開示する本人確認機能
  • エアー・マネー(AIR Money):外部サービスを利用した決済や支払い、精算機能
  • エアー・ロイヤルティ(AIR Loyalty):ポイントを利用したプログラム可能な報酬機能

モカ・ネットワークは今後、エアーのID基盤をAIエージェントへ拡張する計画を示しています。AIエージェントがユーザーに代わって商品の購入や予約を行う際、ユーザーは限定的かつ取り消し可能な権限を付与できるようになります。企業側はAIエージェントの背後にいるユーザーや権限の有効性を確認できるようになる見込みですが、このAIエージェント向け機能は現時点のメインネットでは提供されていません。

アニモカ傘下の巨大な顧客基盤と多業種にわたるパートナー連携

モカ・ネットワークは、アニモカ・ブランズが立ち上げたデジタルIDネットワークです。アニモカ・ブランズは600社以上のポートフォリオ企業を抱えており、同ネットワークの潜在的な対象ユーザー数は7億人以上にのぼるとされています。

現在、モカ・ネットワークとエアーのエコシステムには、韓国のエスケー・プラネット(SK Planet)、教育分野のオープン・キャンパス(Open Campus)、サッカープラットフォームのワンフットボール(OneFootball)、自動車メーカーのアウトモビリ・ランボルギーニ(Automobili Lamborghini)、ブロックチェーン分析企業のナンセン(Nansen)などが統合パートナーとして参画しています。

なお、モカ財団は2025年6月にモカ・チェーンをIDおよびユーザーデータ特化型レイヤー1として発表しており、計画に沿ってメインネットのローンチに至った形です。

ポイント

  • モカ財団とモカ・ネットワークが、デジタルIDに特化したレイヤー1ブロックチェーン「モカ・チェーン」のメインネットを公開しました。
  • 身分証明書の生データを開示することなく、検証済みクレデンシャルのみを複数サービス間で安全に共有・利用できる点が特徴です。
  • 企業向けプロダクトレイヤー「エアー(AIR)」を通じて、ID認証、外部決済、ポイントロイヤルティ機能を自社サービスへ容易に導入できる基盤を整えています。
  • 今後はAIエージェントに対する限定的な権限付与と検証を可能にする機能拡張が計画されており、自律的な取引の安全性を担保する仕組みとしても注目されます。
  • アニモカ・ブランズの600社以上の投資先と7億人規模の潜在ユーザーを背景に、通信、小売、教育、スポーツなど多岐にわたるパートナーとの統合が進められています。

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