本文へスキップ
ブロックチェーン総研by Pacific Meta

ロシア財務省がデジタルルーブルによる職員への給与支払いを初実施。予算プロセスへの本格導入を進める方針

ロシア財務省は、同国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルルーブルを用いた職員への給与支払いを初めて実施したと発表しました。この給与支払いは希望する職員を対象とした任意の形式で開始され、ロシア銀行(中央銀行)と財務省が共同で進める予算プロセスへの導入作業の一環とされています。中央銀行が発行するデジタル通貨が国家機関の実務的な人件費支払いに直接適用された事例であり、公的支出におけるCBDCの運用基盤が実用段階へ移行しつつあることを示す動きと見られます。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

給与支払いの実施と実証実験の応用

ロシア財務省の発表によると、デジタルルーブルによる給与支払いは希望者への任意の選択肢として10月1日より開始されました。今回の支払いに参加した職員の人数や支払われた給与の総額については公表されていません。

同省は、2025年に行われた連邦予算支出の実証実験において約1,600万デジタルルーブル(約19万2,245米ドル)が支出された実績を受け、検証済みの決済ルートを自身の給与支払い手続きに適用したと説明しています。国家の予算執行プロセスにデジタルルーブルを組み込む取り組みは、通貨発行元であるロシア銀行と財務省が共同で進めています。

デジタル通貨の展開経緯と運用の背景

デジタルルーブルは、従来の法定通貨であるルーブルを補完する新たな通貨形態として2021年に開発が開始されました。当初は金融機関や信用機関での取り扱いから開始され、2026年9月1日には大手銀行や小売企業が取引への対応を開始するなど、社会的なインフラ整備が進められていたとされています。

一方で、デジタルルーブルを巡っては、欧州連合(EU)当局が2026年4月に制裁措置の一環として利用制限を発表するなど、対外的な規制環境への影響も生じています。こうした外部環境の制約が存在するなかでも、ロシア国内では公的支出や行政機構における決済手段としての統合が着実に推進されている状況にあります。

ポイント

  • ロシア財務省が希望する職員に対し、同国初となるデジタルルーブルでの給与支払いを開始した点
  • 予算プロセスへのCBDC導入に向け、ロシア銀行と財務省が連携して決済基盤の整備を進めている点
  • 2025年に実施された約1,600万デジタルルーブル規模の予算支出実験を経て、公的給与支払いへの適用が実現した点
  • 民間決済だけでなく、国家予算の支出インフラとしてCBDCが具体的に活用され始めた点

総研プライム

ブロックチェーンを、
徹底的に読み解く。

技術の仕組み、企業の戦略、市場の構造まで。独自の調査・分析で掘り下げる専門レポート。

初月無料で読む

記事を検索する