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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

ゴールドペサのユニスワップv4向けフックが悪用被害へ。プロトコル保有流動性から約11万4,000ドル流出に

ベース(Base)上で展開する分散型金融プロジェクトのゴールドペサ(GoldPesa)において、ユニスワップv4(Uniswap v4)向けフックのロジックエラーを悪用した不正流出が発生しました。分散型金融セキュリティ監視サービスのディファイモン・アラーツ(Defimon Alerts)などの報告によると、ゴールドペサが管理するプロトコル保有流動性から約11万4,000ドル(約1,800万円)相当の資産が流出したとされています。今回の事象はユニスワップv4自体の脆弱性ではなく、独自に作成されたフック側の設計に起因するものであり、新機能を採用する際のスマートコントラクト実装における安全管理の難しさを示しています。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

フラッシュローンとリバランス処理を組み合わせた攻撃の手口

ディファイモン・アラーツやオンチェーンセキュリティ企業のオクル(Oculr)の分析によると、被害は2026年10月2日に発生しました。攻撃者はレンディングプロトコルのモルフォ(Morpho)から、1回の取引処理の中で借り入れと返済を完結させる担保不要のフラッシュローンを利用し、17万5,000 USDCを借り入れました。

続いて攻撃者はWETH/USDCの流動性ポジションを作成しましたが、必要なUSDCを支払わず、流動性ポジションを管理するPositionManagerに約11万5,000 USDCの未精算債務を残しました。その状態でゴールドペサのトークンであるGPXプールでスワップを実行し、GPXHooksのリバランス(資産ポジションの調整処理)を強制的に発生させました。GPXHooksは、前回のリバランスから1時間が経過するとスワップを契機に自動リバランスが実行される仕様となっていました。

このリバランスによってGPXHooks側で約14万8,900 USDCの受け取り分が発生したものの、一連の処理においてPositionManager上で差額が共有されていたため、攻撃者の未払い債務と相殺される結果となりました。その結果、GPXHooksには約3万3,900 USDCしか渡らず、実質的にGPXHooksが攻撃者のポジション代金を支払う形となりました。攻撃者は自身のポジションを解消して約11万5,000 USDCを取得し、フラッシュローンを返済した後に資産を外部へ移動させました。

ユニスワップv4の仕様と独自フックの実装課題

今回のインシデントでは、ユニスワップv4のフック(Hooks)とフラッシュアカウンティング(Flash Accounting)の仕組みが悪用されました。フックは、流動性プールに対してトークン交換前後などに開発者が独自の処理を追加できるスマートコントラクトです。また、フラッシュアカウンティングは一連の処理における受け払いを差額として内部記録し、最終的な差額のみをトークン移転する仕組みです。

ディファイモン・アラーツの報告にある通り、本件はユニスワップv4の基本システムに脆弱性があったわけではありません。ゴールドペサが自動リバランスを実現するために独自開発したGPXHooks側のロジックエラーが原因とされています。フック機能によって柔軟な設計が可能になる一方で、外部の未精算ポジションと内部処理が干渉しないよう設計することの重要性が浮き彫りとなりました。

流出した資金については、攻撃者が11万4,428.5 USDCを流動性の薄いユニスワップv3のプールで9万6,389 USDTに交換した後、ソラナ(Solana)およびBNBスマートチェーン(BSC)へとクロスチェーンブリッジを通じて送金されたことが報告されています。

ポイント

  • ゴールドペサの独自フック「GPXHooks」のロジックエラーにより、プロトコル保有流動性から約11万4,000ドル相当の資産が流出しました。
  • ユニスワップv4本体の脆弱性ではなく、開発者が独自に実装したフックコントラクトの設計上の不備が原因と指摘されています。
  • フラッシュアカウンティングの差額共有の仕組みとフラッシュローンが組み合わされ、攻撃者の未払い債務をフック側が肩代わりさせられる手口が使われました。
  • 高度なカスタマイズが可能なユニスワップv4のフック機能において、外部処理との相互作用を考慮した厳格な安全検証が求められる点で注目されます。

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