ロシアのモスクワ証券取引所(MOEX)が、12月1日に暗号資産の取引サービスを開始する計画であることが報じられました。同取引所は金融市場の専門業者とともに、既存の株式市場インフラを用いた取引機能の試験を進めています。新制度の下で既存の取引所ライセンスを活用し、伝統的な金融インフラの上で暗号資産を取り扱う計画であることから、市場インフラの統合事例として重要視されます。
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既存インフラと取引所ライセンスを活用したシステム構築
モスクワ証券取引所の営業・事業開発担当上級マネージングディレクターであるボリス・ブロヒン氏は、投資フォーラムの会場において、暗号資産取引の試験が発言の約1週間前から開始されたことを説明しました。この試験は取引開始まで継続して行われる予定とされています。
ブロヒン氏によると、今回の取引機能は既存の株式市場インフラを利用して試験環境で確認されています。また、新制度の下では既存の取引所ライセンスを利用できるため、取引所として追加の許認可や登録は不要であると説明されています。
取引の仕組みとして、同取引所は提携先のデジタル預託機関を利用する方針です。市場参加者はこの機関に口座を開設することになります。ロシア中銀の説明によると、デジタル預託機関は暗号資産などの権利の記録や移転に関するサービスを提供する機関とされています。
法的枠組みの施行と投資家区分による取引制限
ロシアでは、暗号資産の流通などを規律する「デジタル通貨およびデジタル権利に関する法律」が9月1日に施行されました。ロシア中銀は10月6日、同法の移行規定に基づいてデジタル預託機関5社と暗号資産交換業者4社を登録したと発表しています。
報道によると、新制度では投資家の属性に応じて購入可能な範囲が区切られます。非適格投資家が購入できる暗号資産は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ステーブルコインのUSDTに限定されます。さらに購入額についても、仲介業者1社あたり年間30万ルーブルの上限が設けられます。
一方で適格投資家に対しては、取引所や店頭市場で扱われる暗号資産を金額の上限なく購入できる仕組みになると伝えられています。
ポイント
- モスクワ証券取引所が12月1日に暗号資産取引を開始する計画であり、取引開始に向けて金融市場の専門業者と試験運用を進めている点で注目されます。
- 追加の許認可を必要とせず既存の取引所ライセンスと株式市場インフラを活用する方針であり、伝統的な金融システム上で暗号資産取引を実現するアプローチとして重要です。
- ロシア中銀が定めるデジタル預託機関と提携し、権利の記録や移転を行う専用口座を介した枠組みを整えている点が挙げられます。
- 9月1日施行の新法に基づき、非適格投資家には主要3銘柄および年間30万ルーブルの制限を設ける一方、適格投資家には上限を設けないなど、投資家保護と市場開放を両立させる制度設計の観点で注目されます。
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