イーサリアム財団は、次期大型アップグレード「グラムステルダム(Glamsterdam)」をテストネット「フーディ(Hoodi)」において日本時間10月27日に実施すると発表しました。今回のアップグレードでは、取引やスマートコントラクトを1つのブロック内でより多く処理できるようにするため、ブロックガスリミットが2億へと引き上げられます。レイヤー1の処理能力向上を目的として、ブロック生成や検証の仕組み、およびデータ関連のガス計算方法の見直しが行われます。先行して実施されたテストネット「セポリア(Sepolia)」に続く展開であり、メインネット導入に向けた検証が進む点で注目されます。
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レイヤー1の処理能力向上を支える新機能とガス仕様の改定
グラムステルダムは、取引やスマートコントラクトを処理する実行層のアップグレード「アムステルダム(Amsterdam)」と、合意形成層のアップグレード「グロアス(Gloas)」を組み合わせたものです。レイヤー1の処理能力向上を目的に、主に2つの新しい仕組みが導入されます。
1つ目は、取引をまとめてブロックを構築するビルダーと、ブロックを提案するプロポーザーの役割分担や報酬支払いをプロトコル内で直接扱う「ePBS(Enshrined Proposer-Builder Separation)」です。これにより、外部の仲介システムへの依存を抑えるとともに、バリデーターが取引の実行結果を検証するための時間を確保できるようになります。
2つ目は、ブロック内の処理でアクセスするアカウントやデータの保存場所、取引後の変更内容を記録する「ブロックレベルアクセスリスト(BALs)」です。この仕組みによって、ノードがデータの読み出しや取引の検証を並列で行える環境を整えます。
さらに、状態の作成やアクセスにかかるガスの計算方法を見直すガス再価格設定(EIP-8037、EIP-8038)も含まれています。イーサリアム財団によると、大半のコントラクトは影響を受けないものの、ハードコードされたガス値などに依存している一部のコントラクトは、更新を行わないと機能不全や処理性能の低下につながるリスクがあるとしています。
テストネット環境での検証とメインネットに向けた対応
フーディでのアップグレード実施日時は、日本時間10月27日2時42分48秒(UTC:10月26日17時42分48秒)が予定されています。同時に、1つのブロックで使用できる計算量の上限であるブロックガスリミットが2億に引き上げられます。
グラムステルダムは、別のテストネットであるセポリアにおいてすでに10月6日に導入されています。今回のフーディでの引き上げにより、検証環境となる両テストネットのガスリミット上限が2億でそろいます。
イーサリアム財団は、フーディのノード運用者に対して実施前までに実行レイヤーとコンセンサスレイヤーの双方のクライアントを対応版へ更新するよう求めています。なお、本アップグレードのメインネットへの適用日は現時点で未決定となっており、クライアント開発チームの決定を経て別途発表される予定です。
ポイント
- イーサリアムの次期大型アップグレード「グラムステルダム」が、テストネット「セポリア」に続き「フーディ」で10月27日に実施される決定が下された点
- ブロックガスリミットが2億へ引き上げられ、1ブロックあたりの処理許容量を拡大する検証が本格化する点
- 外部仲介システム依存を減らす「ePBS」や、並列処理を可能にする「BALs」により、レイヤー1の検証効率と処理能力の向上が図られる点
- データの保存や参照に関わるガスの再価格設定が導入され、ハードコードされたガス値を持つ一部の既存コントラクトへの影響が懸念される点
- メインネットへの適用日は未定であり、テストネットでの稼働実績を踏まえてクライアント開発チームから今後発表される点