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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

カルダノが次期アップグレード「ダイクストラ」でレイオスを導入へ。取引処理能力を現行の4.5 TxkB/sから10〜15倍に引き上げる方針

暗号資産カルダノは、次期アップグレードであるダイクストラにおいて、新たなコンセンサス技術レイオスを導入する計画を発表しました。レイオスは現在のプロトコルであるプラオスの上限である4.5 TxkB/sから開始し、段階的なパラメータ更新を経て処理能力を10〜15倍程度に引き上げることを目指しています。混雑時にのみ追加ブロックを活用することで運用コストを抑えつつ拡張する設計となっており、ネットワークの処理混雑を緩和する可能性があります。実行時期については、高い可能性として2027年2月24日から3月26日が想定されています。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

取引処理能力の段階的な拡張とレイオスの仕組み

カルダノの現在のコンセンサスプロトコルであるプラオスにおける処理能力の上限は4.5 TxkB/s(トランザクション・キロバイト/秒)ですが、レイオス導入時はこの約3〜5倍から開始されます。その後、少なくとも2回のパラメータ更新を経て10〜15倍程度まで引き上げる計画です。それ以降の拡大については、需要やコミュニティのニーズに基づいて進められる予定です。

レイオスは、従来のチェーンの順序を決める役割を持つランキングブロックを維持しながら、取引が多いときのみ追加の「エンドーサーブロック」を使用します。エンドーサーブロックは取引本体ではなく取引のリストを保持し、各ノードはそのリストを参照して未保管の取引のみを取得します。ネットワークへの負荷が軽い状況ではエンドーサーブロックを生成しないため、運用コストはプラオスとほぼ同水準になるとされています。

エンドーサーブロックの承認は、各エポックで選ばれた投票委員会がBLS鍵(暗号鍵の一種)で署名を行い、アクティブステークの75%以上の票が集まることで集約証明書が作成されます。後続のブロックにこの証明書が含まれることで取引が台帳に記録されます。ランキングブロックに直接入る取引は現在と同じ速さで処理され、エンドーサーブロック経由の取引はおおむね45〜60秒で台帳に入る見込みです。また、メモプール(ブロックに入る前の取引の待機場所)の拡大により混雑時の受付拒否が減り、取引の送信からブロックへの取り込みまでの総時間が短縮される可能性があります。

5段階の展開プロセスとダイクストラに含まれる機能

レイオスの導入は5つの段階で計画されています。まずカルダノの憲法(ガバナンスルール)を更新して安全な変更範囲を示す新パラメータのガードレールを定め、次にダイクストラのアップグレードを実施します。その後、ステークプール運営者(SPO)がBLS鍵を登録し、メインネットでの負荷試験を経て、少なくとも2回のパラメータ更新によって容量を引き上げる流れです。

SPOはVRF鍵やKES鍵に加えてBLS鍵を生成し、更新した登録証明書を提出する準備が求められます。レイオスの稼働には現時点の見積もりとして委任ステークの約90〜95%の登録が必要とされていますが、正確な条件は確定していません。

また、ダイクストラではレイオスのほかにも複数の機能追加が予定されています。具体的には、1つの取引の中に別の取引を内包できる機能(CIP-118)、ADAをアカウントアドレスに直接送金可能にする機能、スマートコントラクト言語Plutusの新バージョン、そしてADA保有者がステーキング報酬を任意のタイミングで引き出せる機能などが実装される見込みです。

ポイント

  • レイオスの導入により、処理能力を現在の4.5 TxkB/sから段階的に10〜15倍へ引き上げる計画であり、取引混雑の緩和につながる点で注目されます。
  • 取引が多い時のみエンドーサーブロックを生成する仕組みを採用しており、運用コストを現行水準に抑えながらスケーラビリティを確保する設計となっています。
  • 稼働には委任ステークの約90〜95%によるBLS鍵登録や5段階の導入プロセスが必要とされ、慎重に展開が進められる方針です。
  • ダイクストラでは、レイオスに加えてステーキング報酬の随時引き出し機能やスマートコントラクト言語Plutusの新バージョンなど複数の機能改修が予定されています。

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