中国共産党の中央サイバー安全・情報化委員会は、国家ブロックチェーンネットワークを2030年までに基本的に完成させる目標を盛り込んだ「国家情報化第15次5カ年計画」を公表しました。同計画ではブロックチェーンを価値インターネットの基盤固めと位置づけ、中央基幹ネットワークの早期完成や地域ハブの接続運用、貿易や製造業などの産業応用を推進します。一方で暗号資産(仮想通貨)の取引や事業に対する規制・禁止措置は継続されており、基盤技術の育成と暗号資産の排除を明確に区別する姿勢が示されています。
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国家基盤の整備目標と産業適用のロードマップ
中国国家インターネット情報弁公室が10月23日に公表した第15次5カ年計画では、国全体のデジタル化を推進する施策の一環として、国家ブロックチェーンネットワークの2030年基本完成が掲げられました。中国共産党中央と国務院は10月9日に産業の技術や生産性を高める政策の中でネットワーク構築の方針を示していましたが、今回新たに具体的な完成目標年が示された形です。
同計画において、ブロックチェーン網は行政機関や企業が保有するデータを連携させ、事業に活用するための基盤の一つに位置づけられています。計画内では、より強固な技術標準を整備するとともに、次世代通信網の全面完成や第6世代移動通信(6G)の適時商用化も並んで目標に設定されました。
具体的な工程としては、中央の基幹ネットワークの早期完成と地域ハブの接続運用を進める方針です。分散型デジタルIDなどの共通サービスを整え、製造業をはじめ航運や貨物運送などの貿易分野でのデジタル化を進めるとともに、行政や税務分野での応用場面の開拓も図られます。
地域ハブの連携と暗号資産規制の継続
地域別の整備計画では、長江デルタ地域における貿易と金融、成渝(成都・重慶)地区における産業応用が優先される見込みです。地域レベルの取り組みはすでに始まっており、上海市商務委員会など7部門は8月10日に上海ハブの整備強化方針を公表し、海運、貿易、金融における電子文書の利用拡大を掲げています。また、香港金融管理局(HKMA)も3月2日に上海の関係機関と協力し、貨物データや電子船荷証券を共有する基盤の開発を進めており、企業の資金調達円滑化や貿易データの利活用が図られています。
中国におけるこれまでの施策を振り返ると、2019年10月に習近平国家主席がブロックチェーン技術の開発加速を呼びかけ、2020年4月には国家情報センターが主導するブロックチェーン基盤「BSN」が始動しました。2021年3月の第14次5カ年計画にも技術導入が盛り込まれるなど、国家レベルのインフラ整備が継続されています。
その一方で、人民銀行などは2021年9月に仮想通貨の取引およびマイニングを禁止し、2025年11月にも取り締まりを強化する方針を示すなど、仮想通貨ビジネスに対する制限は維持されています。中国はパブリックな暗号資産取引を厳しく規制しつつ、国家主導のコンソーシアム型ネットワークを産業基盤として育成する方針を明確にしています。
ポイント
- 中国政府が「国家情報化第15次5カ年計画」を公表し、国家ブロックチェーンネットワークを2030年までに基本完成させる目標を明記しました。
- 中央基幹ネットワークの完成と地域ハブの接続を進め、分散型デジタルIDや技術標準の策定、貿易・製造業・行政・税務での実用化を目指す点で注目されます。
- 長江デルタや成都・重慶地区での重点展開に加え、上海ハブの整備や香港金融管理局(HKMA)との貿易データ共有基盤開発など、地域を跨いだ産業応用が進められています。
- 産業インフラとしてのブロックチェーン開発を国家主導で強力に推進する一方、暗号資産の取引やマイニングに対する厳格な禁止・規制方針は継続されています。
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