イスラエルのネタニヤフ首相は、将来的に国内の銀行システムが制裁対象となるリスクに備え、ブロックチェーンや暗号資産(仮想通貨)を活用した計画の準備を要請したことを明らかにしました。英国などの欧米諸国が入植地関連への制裁を発表し、金融取引の制限がイスラエル本土へ波及することが懸念される中での発言となります。国家の首脳が銀行制裁の迂回手段としてブロックチェーンを選択肢に挙げた事例として注目されますが、現時点で具体的な担当者や採用技術の詳細は公表されていません。
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銀行取引の制限に備えた代替ルートの模索
ネタニヤフ首相は放送されたインタビューにおいて、銀行取引の制限を含む制裁が科される可能性に触れ、それを迂回できる経済ルートを準備する必要があると述べました。暗号資産の活用についての質問に対して肯定的な見解を示したほか、ブロックチェーンについても複数の選択肢の1つであるとして、すでに計画の準備を指示したと説明しています。あわせて、トランプ政権後を見据えた備えをイスラエル国民に促しました。
一方で、この計画をどの組織や人物が担当するのか、どのブロックチェーン規格や通貨を採用するのか、そしていつ実施に移すのかといった詳細な枠組みは明かされていません。
欧米の制裁方針とイスラエル国内での反発
今回の発言は、イスラエルの国会選挙を1週間足らず後に控えたタイミングで行われました。背景には、ヨルダン川西岸での入植者によるパレスチナ人への襲撃や政府による入植地建設を受け、英国および欧米11カ国が入植地産品を対象とする制裁を発表した動きがあります。制裁の対象自体は入植地ですが、経済専門家や業界関係者からはイスラエル本土の経済や銀行システムに影響が及ぶ可能性が警告されていました。
首相の発言に対しては、イスラエル国内から懸念の声が上がっています。現地の経済当局高官は、ブロックチェーンを用いた案は目的を達成できないばかりか、議論すること自体が経済に害を及ぼしかねないと批判しました。また、野党のヤイール・ラピド氏や民主党のヤイール・ゴラン党首などの政治指導者も首相の言動を批判しています。
なお、ネタニヤフ首相は過去に確保した数百億ドル規模の米軍事支援について、米国内の変化を理由にいずれ終了するとの認識を示しており、国防予算には今後数年で追加の約1,290億ドルを割り当てたと説明しています。
ポイント
- ネタニヤフ首相が、銀行取引の制限を伴う制裁への備えとしてブロックチェーンを活用した計画の準備を求めた点
- 暗号資産やブロックチェーンが、国家レベルにおける金融制裁の迂回手段として公式に言及された点
- 採用するブロックチェーン基盤や暗号資産の銘柄、主導する組織や実施時期などの具体策は明かされていない点
- 国内の経済当局高官から実現性や経済への悪影響を疑問視する声が上がるなど、議論を呼んでいる点
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