米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長は、仮想通貨取引所が任意で登録できる連邦制度の整備を進めていることを明らかにしました。この制度は、米国のデリバティブ市場で長年培われてきた高水準の市場監督や保護策を仮想通貨市場にも適用することを目指しています。議会による包括的な法整備が停滞するなか、規制当局が既存の権限を通じて先行して環境整備に乗り出す動きとして注目されます。また、CFTCは並行して人工知能(AI)を活用した取引規制の検討も本格化させています。
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任意登録制度の導入と州ライセンスとの併存
セリグ委員長がSNSのX(旧Twitter)への投稿で明らかにした内容によると、CFTCは仮想通貨市場に対しても米国のデリバティブ市場で長年適用されてきた実績ある保護を広げる方針です。これにより、取引所に対して米国の市場監督における最高水準に近い保護を提供することを目指しています。
この制度において、取引所は連邦登録を行うか、既存の州ライセンスを維持するかを選択できると説明されています。そのため、通常の現物取引所は州のライセンスの下で事業運営を継続することが可能です。CFTCは今月5日、個人向けのレバレッジ取引などを対象とする2つの規則案について、意見募集に向けた事前通知を公表しており、段階的に制度の具体化を進めています。
クラリティー法案の頓挫に伴う規制当局の先行対応
今回の制度整備が進められている背景には、米議会における法整備の遅れがあります。セリグ委員長は、議会がまだ動いていない状況の中でCFTCが主導して制度づくりを進めていると述べています。
米国では9月に「クラリティー法案」が上院で頓挫しており、セリグ委員長の投稿に添えられたブルームバーグTVのインタビュー映像には、法案が大統領の机に届かなかったことへの失望を示す字幕が表示されていました。立法による枠組み構築が遅れるなか、CFTCが自らの規制権限を活かして市場監督の空白を埋めようとしていると見られます。
金融市場におけるAI取引を巡る初フォーラムの開催
取引所の登録制度と並行して、CFTCはAI(人工知能)を使った取引への規制にも目を向けています。ニュースレター「クリプト・イン・アメリカ」によると、CFTCのイノベーション・タスクフォースは今月28日にスーパーインテリジェンスをテーマとした初のフォーラムを開催する予定です。
このフォーラムでは、高度なAIが米国の金融市場に与える影響や、規制当局に求められる対応について議論が行われます。参加者として、仮想通貨企業からはTempo、Hedera、Chainlinkが名を連ねるほか、AIおよび取引技術企業であるOrnn、Liquid Compute、OneChronos、さらに規制対象のファンド業界を代表するInvestment Company Instituteが出席する予定となっています。
ポイント
- 米CFTCのセリグ委員長が、仮想通貨取引所を対象とした任意の連邦登録制度の整備を公表しました。
- 9月に上院でクラリティー法案が頓挫したことを受け、議会の対応を待たずに規制当局が先行して保護枠組みを構築する方針です。
- 通常の現物取引所は州ライセンスでの運営を継続でき、連邦登録との選択制が採られる見通しです。
- 取引所規制と並行して、CFTCは28日に高度なAI取引が金融市場に与える影響を議論する初フォーラムを開催し、包括的な市場監督を模索しています。
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