本文へスキップ
ブロックチェーン総研by Pacific Meta

Arbitrum評議会がコアコントラクトを一時改修。バイナンスハッキング資金3,000万ドルを秘密鍵なしで移動

イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ネットワークであるArbitrumの評議会が、暗号資産取引所バイナンス(Binance)のハッキングに関連する3,000万ドルの資金を移動させました。12人で構成される委員会は、秘密鍵を保有していないアドレスから送金を行うため、ネットワークのコアコントラクトを一時的に書き換える措置を取りました [ソース1]。秘密鍵を持たずに第三者のアドレスから資産を強制移動させる対応であり、同ネットワークにおいてこのような措置が実施されたのは今年に入って2回目となります [ソース1]。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

コアコントラクトの一時改変による資金移動

今回の対応では、Arbitrumの12人で構成される評議会(委員会)が主体となり、バイナンスのハッキングに関与したとされるアドレスから3,000万ドル相当の資金を移動させました [ソース1]。

通常、ブロックチェーン上のアドレスに保管されている資金を移動させるには、そのアドレスの秘密鍵(取引を承認するための暗号鍵)による署名が必要です。しかし評議会はハッカーの秘密鍵を持っていなかったため、Arbitrumのコアコントラクト(基幹プログラム)の1つを一時的に書き換え、対象のアドレスから資金を使用できるように変更しました [ソース1]。資金の移動処理が完了した後、書き換えられたコードは元の状態に戻されたとされています [ソース1]。

特権的な介入と分散型ガバナンスへの影響

秘密鍵を介さずに基幹コントラクトのプログラムを書き換えて資金を移動させる手法は、ブロックチェーンの基本的な前提である資産の不可侵性や自己主権性と照らし合わせて異例の措置といえます。

Arbitrumにおいて、委員会がコントラクトを書き換えて秘密鍵なしに資金を動かしたのは今年2回目となります [ソース1]。ハッキングによる不正流出資金を差し押さえるための緊急手段である一方、プロトコルの中核を担う少数の委員会がどのような権限を行使できるのか、また分散型ネットワークにおける緊急権限の範囲をどう位置づけるかという点で重要な意味を持つ対応と見られます。

ポイント

  • Arbitrumの12人委員会が、バイナンスのハッキングに関連する3,000万ドルの資金を移動させた点です [ソース1]。
  • ハッカーの秘密鍵を持たない状態のまま、コアコントラクトを一時的に書き換えて送金を実行し、その後にコードを復元した手法が取られた点です [ソース1]。
  • 秘密鍵なしにコントラクトの改変を通じて資金を移動させる緊急措置が、今年2回目の実施となった点です [ソース1]。
  • セキュリティ上の緊急対応として資金を保全する実効性と、少数の委員会による強大な権限行使のあり方を示す事例として注目されます。

総研プライム

ブロックチェーンを、
徹底的に読み解く。

技術の仕組み、企業の戦略、市場の構造まで。独自の調査・分析で掘り下げる専門レポート。

初月無料で読む

記事を検索する