暗号資産取引所のBitgetがハッキングにより3億8,750万ドルの被害を受けた問題で、THORChainが攻撃者アドレスの遮断要請を拒否していたことが明らかになりました。異なるブロックチェーン間の資産交換を仲介する分散型プロトコルであるTHORChainが外部からの規制要請に応じなかった事例として、DeFiにおける検閲耐性のあり方を巡り注目されています。一方で、その後ステーブルコイン発行企業のTether社がTron上のTHORChainボールトを一時凍結する事態が発生したほか、THORChain自身も過去に脆弱性による流出被害を受けています。
株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。
攻撃者アドレスの遮断要請とTHORChainによる拒絶対応
暗号資産取引所のBitgetは、ハッキングによって3億8,750万ドル相当の資産を失った際、流出資金の移動を防ぐ目的でTHORChainに対し攻撃者のアドレスをブロックするよう要請しました。しかし、THORChain側はこの要請を拒絶しました。
THORChainは異なるネットワーク間で暗号資産を直接交換できる分散型プロトコルとされています。中央集権的な管理者による取引の選別や差し止めを行わないプロトコル設計を優先した判断と見られます。
Tether社による一時的なボールト凍結とプロトコル自身の損失履歴
アドレス遮断要請の拒絶から数週間後、米ドル連動型ステーブルコインを発行するTether社が、Tronブロックチェーン上にあるTHORChainの4つのボールト(資金保管庫)を凍結しました。この4つのボールトには計145万USDTが保管されていましたが、凍結措置は実行から3時間後に解除されました。
また、THORChain自身もセキュリティ問題に直面した経緯があり、5月にはGG20(暗号署名スキーム)の欠陥によって1,070万ドルの資金流出被害を被ったことが示されています。
ポイント
- Bitgetが3億8,750万ドルのハッキング被害を受け、THORChainに攻撃者アドレスの遮断を求めたものの拒絶された点
- 不正流出への対処要請に対しても、分散型インフラとしての検閲耐性が維持された事例として注目される点
- 要請拒絶の数週間後にTether社がTron上のTHORChainボールト(145万USDT相当)を一時凍結し、3時間後に解除した点
- THORChain自身も5月にGG20の欠陥により1,070万ドルの流出を経験している点
総研プライム
ブロックチェーンを、
徹底的に読み解く。
技術の仕組み、企業の戦略、市場の構造まで。独自の調査・分析で掘り下げる専門レポート。
初月無料で読む