ブータンの特別行政区ゲレフ・マインドフルネス・シティ(GMC)は、金融規制当局を自律的な中央銀行へ移行させる王令が発布されたことを発表しました。新設されるゲレフ中央銀行は、金融政策や外貨準備の管理などを担うとともに、従来の準備資産に加えて仮想通貨やデジタル資産へ投資する権限を持ちます。国家レベルで保有するビットコインを都市開発に充てる同特区において、暗号資産を公式な準備資産として制度的に組み込む動きとして注目されます。
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新設中銀の権限と独自通貨導入の道筋
今回の決定は、ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク国王が王令に署名したことで明らかになりました。これにより、域内の金融規制当局であるゲレフ金融サービス局(GFSO)が、自律的な権限を持つ「ゲレフ中央銀行」へと移行します。ブータンには既存の中央銀行として王立通貨庁(RMA)が存在しますが、ゲレフ中央銀行はそれとは別にGMC域内の金融機能を担う組織となります。
ゲレフ中央銀行の主な役割は、金融政策の運営、外貨準備の管理、金融システムの安定維持です。これまでGFSOが担ってきた域内金融機関の規制・監督を引き継ぐほか、決済システムの構築、流動性供給、短期金融市場および資本市場の育成に関する権限も付与されます。さらに、国王の同意を前提として、デジタル形態を含む独自通貨を発行する道筋も盛り込まれました。
新中銀は、従来の準備資産と並行してデジタル資産や仮想通貨へ投資する権限を有します。ただし、現時点では具体的な購入額や準備資産全体に占める比率は公表されていません。
特区における仮想通貨戦略と組織体制の整備
ゲレフ・マインドフルネス・シティは、ブータン南部で国際金融センターとしての発展を目指す特別行政区であり、以前から仮想通貨を活用した開発方針を明確にしています。2025年1月には、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、BNBを戦略的準備資産として認める方針を表明していました。
また、国王は2025年12月17日の演説において、ブータンが保有するビットコインから最大1万BTC(GMCの発表で約10億ドル相当)を同特区の開発支援に充てることを表明しています。準備資産の運用面ではカナダの資産運用会社3iQが受託しており、継続的なビットコイン売却によって得られた資金が都市開発に充当されているとみられます。
同区では国際金融センターの体制整備に向けて、仮想資産の監督やマネーロンダリング対策、マクロ経済などの専門分野で50を超えるポストの採用活動を進めています。
ポイント
- ブータン南部のゲレフ特区において、規制当局のGFSOが自律的な「ゲレフ中央銀行」へ移行し、従来の準備資産と並行して仮想通貨やデジタル資産へ投資する権限が与えられました。
- 新中央銀行は金融政策や外貨準備管理を担うだけでなく、国王の同意を条件にデジタル形態を含む独自通貨を導入できる規定が盛り込まれた点で注目されます。
- GMCは2025年1月にBTC、ETH、BNBを戦略的準備資産として認めており、国王が最大1万BTCの開発支援拠出を表明するなど、暗号資産を中核に据えた都市開発を進めています。
- 体制強化に向けて仮想資産の監督やマネーロンダリング対策など50以上の役職で採用が進められており、制度面の実装が本格化している点で重要です。
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