成長し続けているといわれているNFTの市場規模ですが、実際はどの程度の成長率なのでしょうか?
今回Pacific Metaマガジンでは、NFTの市場規模について以下の内容を中心にご紹介します。
- ここ数年でNFT市場規模はどのくらい拡大した?
- NFT市場規模に関する具体的なニュースは?
- どうしてNFT市場規模はこんなにも急成長している?
- 高額で取引されたNFT作品とは?
NFTの市場規模に関するニュース
NFT市場はここ数年の間、凄まじい勢いで成長を遂げてきました。
企業や著名人の参入により、今後もNFT市場は拡大していくとみられています!
そんなNFT市場の規模拡大におけるニュースについていくつかご紹介します。
【世界NFT市場】2021年の総取引額は176億ドル(約2兆円)到達
2021年はNFT市場にとって飛躍の年となりました。
世界中でNFT作品の売買が活発になり、次々と高額取引が成立しました✨
その結果、2021年における世界NFT市場の総取引額は176億ドルにも及んだようです。
この金額は、日本円にしておよそ2兆円になります。
2021年3月には、今や超有名NFTアーティストとなったBeeple氏の作品『Everydays-The First 5000 Days』がオークションにかけられました。
結果、なんと約6935万ドル(およそ75億円)というNFT市場のなかでも過去最高額で落札される結果となったのです。
この作品は、資産家や企業がNFTに目を向けるきっかけとなったといえるでしょう?
【日本NFT市場】大手企業の参入により国内プラットフォームが拡大
世界NFT市場の盛り上がりにつられ、日本でもNFT市場が大きく拡大していきました。
日本では特に漫画業界でNFTが取り入れられ、週刊少年ジャンプを刊行している講談社では原稿をNFT化することで半永久的な保存を試みています。
また、広瀬すずさんは自身の写真集の未公開カットをNFT化して販売を行いました。
このように日本でもNFTが受け入れられたことは、国内のプラットフォームの拡大にも繋がっています✨
下記項目では、国内で展開されつつあるプラットフォームについてご紹介します。
2021年3月 Coincheck NFT(β版)がスタート
2021年3月には、国内のNFTマーケットプレイスとしてCoincheck(β版)が提供開始しています。
CoincheckではNFT作品の売買だけでなく、仮想通貨取引サービスの役割を持った一体型のマーケットプレイスとして誕生しました。
このように複数の機能を持ち合わせるNFTマーケットプレイスは、日本でも初めてだったといいます?
仮想通貨取引サービスの利用とNFT作品の売買が一体となったことで、まだNFTに不慣れな資産家を呼び込みやすくしました!
Beeple氏の衝撃オークションからCoincheckサービス開始の流れは、日本NFT市場に大きな影響を与えたことでしょう✨
2022年2月 Rakuten NFTがスタート
2022年2月には、大手企業楽天がNFT市場に仲間入りしました。
単に何らかのNFT作品を売買したのではなく、Rakuten NFTとして独自のNFTマーケットプレイスの提供を開始したのです。
Rakuten NFTでは、アートや音楽、アニメなどのエンターテインメントにおけるさまざまな分野のNFTを売買することができます。
また、NFTを発行することも可能です!
決済には楽天IDを使用することが可能で、楽天ポイントを貯めたり使ったりすることもできます。
楽天IDはID決済のなかでも多くの人に使われていますよね?
NFTは気になるけど仮想通貨はよく分からない…といった層を惹き込むきっかけとなりました!
2022年3月 SBINFT Marketがスタート(nanakusaリニューアル)
Rakuten NFTに続く形で、2022年3月にはNFTマーケットプレイスnanakusaがリブランディングされて新たにSBINFT Marketが誕生しました。
SBINFT Marketは、NFT発行から売買までのサービスが提供されています。
NFTを販売できるのは公認アーティスト及び提携しているコンテンツ事業者のみとなっているため、質の良いNFT作品のみが取り扱われています。
また、二次流通という形で一般利用者もNFTを販売することも可能です!
クレジットカードで決済することもでき、仮想通貨とは離れた形でNFT作品を購入することができます。
SBINFT Marketも、仮想通貨をよく知らない層にアプローチしたマーケットプレイスだといえるでしょう✨
そもそもNFTとは
そもそもNFTとは一体なんなのでしょうか?
ここではNFTとは何か、どんな特徴を持っているのかについてご紹介します!
非代替性トークンと呼ばれる偽造不能なデジタルデータ
NFTというのはNon-Fungible Tokenの略称で、非代替性トークンという意味を持ちます。
ブロックチェーンという情報を鎖で繋ぐ技術を利用しており、情報が切り離せないために複製や改ざんを困難にさせることができます。
非代替性…なにものにも代えがたいというのは、ブロックチェーン技術によって唯一性が証明できるからなんですね✨
トークンというのはデジタルデータのことで、インターネット上ではしばしば仮想通貨という意味でも使われます。
つまり、NFTとは偽造不可能なデジタルデータということになります。
他のデジタルデータと組み合わせることで商品化
NFTというとデジタル作品が思い起こされますが、実は実物商品もNFT化することが可能です。
実物商品に本人認証技術をNFTとして付与することで、本人である証明ができるとともに実物商品の付加価値を上げることができます。
また、来場証明のデータをNFTにして商品とセットで販売することで、転売ではないく自力入手であることの証明もできるんです!
このように、実物商品とデジタルデータをセット販売したものもNFTと呼ぶことができます?
発行・購入・販売・転売が可能
本人証明とともに商品を申請することで、NFTを発行することができます。
この発行したNFTは、NFTマーケットプレイスで販売することが可能です!
販売だけでなく、仮想通貨を利用してNFTマーケットプレイスでNFTを自由を購入することもできます。
このとき購入したNFTの転売が自由であることが、NFTの特徴の一つとしても挙げられます。
NFTはブロックチェーン技術でどこに転売されても、転売される度に手数料がクリエイターのもとへ支払われるようになっています!
そのためNFTにおいては、転売されることはクリエイターにとってプラスになるんです✨
NFT市場で取引されている商品
NFTといっても、どんなデジタルデータが販売されているのか想像がしにくいですよね。
ここでは、NFTとしてよく販売されている商品についてご紹介します!
ゲームアイテム
ゲームアイテムは、NFTとしてよく売買されている商品の1つです。
ゲーム内でアイテムを入手し、そのアイテムを販売することで仮想通貨を手に入れることができます?
NFTゲームとして有名な『CryptoKitties』は、子猫を育てるシミュレーションゲームです。
子猫は育てることでさまざまな色や模様に変化し、育てた子猫は販売することが可能です。
なかでも最高額の取引とされているのが「ドラゴン」と名付けられた猫で、当時約1900万円もの価格で取引されました!
アート
イラストや漫画などのアート作品も、NFTとしてよく取引されています。
今やNFTアートを専門にしているクリエイターも少なくありません。
NFTアーティストのBeeple氏は、毎日1枚ずつデジタルアートを描いて5000枚もの集合体に仕上げた『The First 5000Days』という作品を発表しています。
この作品は当時約75億円で落札され、現在でも最も高額で取引されたNFTアートとして有名です。
また、週刊少年ジャンプを刊行している集英社は、人気漫画『ONE PIECE』の生原稿をNFT化して販売しています!『ONE PIECE』以外の原稿もNFT化することで付加価値を残しつつ、半永久的に残すことを試みているようです✨
コレクションアイテム
NFTはブロックチェーン技術によってデジタルデータであっても誰が作ったのかを証明することができます。
この技術によってデジタル上においてもコレクションアイテムに価値が付けられるようになり、コレクターからの注目が集まりました。
特に最近流行りのスニーカーコレクションにおいてもこの動きは顕著で、NFTスニーカー作品が多数販売されるようになっています。
音楽
最近は音楽もデジタル上で作られるようになりましたよね。
簡単に楽器の音を再現できるデジタルミュージックは、一人でも音楽を作り上げることができるとして作曲へのハードルを大幅に下げました。
そんなデジタルミュージックももちろんデジタルデータのため、NFTとして販売することが可能です?
作曲者自らが手がけたNFTミュージックは、ファンからすれば絶対に手に入れたいアイテムでもあります。
スポーツ
世界中の人たちをさまざまな形で魅了するスポーツも、実はNFTとして何らかの形で販売することが可能です。
最も有名なのは、NFTゲーム内における実際に存在する選手のカードです。
選手のカードはゲーム内で売買することが可能で、有名で人気な選手ほどカードの価格は高騰する傾向にあります✨
また、ファントークンというものもあります。
基本的にはスポーツチームを応援するためのもので、NFTグッズなどを購入することで間接的に支援することが可能です。
ドメイン
NFTでは、ドメインもアイテムとして取引されることがあります。
仮想通貨を送るときには、相手のアドレスを知る必要がありますよね。
このアドレスは20文字以上の英数字によって構成されています!
アドレスなのでもちろん、他者と被ってはいけません。
自分の気に入った英数字列も、既に他の人に使われていれば使用することができないんです?
そこの需要を利用して、ドメインがNFTとして販売されています。
要するに、車のナンバープレートのようなものですね。
【世界のNFT市場規模】これまでの推移
NFTはここ2~3年の間に急成長を遂げました。
この勢いはまだ止まる気配が無く、今後もNFT界隈は盛り上がっていくとみられています。
ここでは、実際のデータを参考にNFT界隈の盛り上がりについてご紹介します!
世界全体の「取引額」
2019年 | 2,450万ドル |
2020年 | 8,250万ドル |
2021年 | 176億ドル |
NFTの取引額は、2019年から2020年の間に約3倍にも成長しました。
これだけでも急成長といえるのですが、2020年から2021年の取引額はなんと約213倍です。
2022年のNFT市場はどれだけ成長するのでしょうか✨
世界全体の「ユーザー数」
購入者数 | 販売者数 | |
2020年 | 75,144人 | 31,774人 |
2021年 | 2,301,544人 | 1,197,796人 |
市場拡大に伴い、NFT作品の売買に関わる人数も大幅に増えました!
取引額が前年度のおよそ213倍となった2020年から2021年では、購入者が約30倍、販売者が約37倍にも膨れ上がっています。
世界全体の「平均価格」
2020年 | 49.2ドル |
2021年 | 807.5ドル |
大手企業や有名人の参入により、NFT作品の価格も高騰しました。
2020年から2021年にかけては、NFT市場における平均価格が約16倍にも跳ね上がっています。
【世界のNFT市場規模】これから先の予測
ここまで見てきたように、NFT市場はここ数年で大幅な成長を遂げて行きました。
では、今後はどのように成長することが予想されるのでしょうか。
ここからは今後のNFT市場について見ていきたいと思います。
市場規模は2022年~2027年までに136億ドルに成長する見込み
前述の通り、NFT界隈はここ数年で何倍から何十倍と大きく成長を続けています。
このまま勢いが止まらなければ、2022~2027年までに市場規模が136億ドルに成長する見込みです。
大手企業や有名人が参入することで、よりNFTに特色である付加価値が重要になります。
特に企業は商品の流通数が多いため、市場をより盛り上げることでしょう。
また、NFTアーティストも数年前とは比べものにならないほど有名になっています!
今後も作品の制作が続く以上、アーティストそのものの価値も上昇し続けることが予想されます?
2030年に2,117億2000万ドルに到達すると予測
さまざまな企業やブランドがNFTに参入し、ついにインターネットに敏感でない層にもNFTの名前が届くようになりました。
一般的にNFTが利用される未来が来るとすれば、2030年には市場規模が2,117億2000万ドルに到達する見込みです。
NFTは付加価値のため、一つでの作品がとても高価です。
Beeple氏の作品一つで約6935万ドルが動いたように、今後も高騰が続けばさらなる高額取引が行われても不思議ではありません。
NFTが高額であることが、市場規模の急成長の一因ともいえるでしょう✨
NFTの市場規模が拡大した理由
数々のインターネットコンテンツのなかで、何故NFTだけがこんなにも急成長したのでしょうか。
ここでは、NFTが市場を拡大した理由についてご紹介します!
数々のNFT高額取引が注目を集めた
NFTのニュースと聞いて思い浮かぶのは、やはり高額取引が完了したときですよね。
市場が拡大した理由の一つに、NFTでの高額取引が注目を集めたことがあります!
ここでは、注目を集めたNFTの高額取引についてご紹介します。
NFTトレーディングカード「NBA Top Shot」
NFTには数々のデジタルトレーディングカードがありますが、そのなかでも有名なのがカードゲーム『NBA Top Shot』です。
NBAの選手が掲載されたトレーディングカードが流通しており、世界的にも根強い人気を誇ります。
このトレーディングカードは通常とは少し異なる点があり、ゲーム内のハイライトが動画としてデジタルカードになっています。
そのため、有名選手がスーパープレイをすることで高額カードを作成することができるんです!
なかには約2000万円で取引されたカードもあるようですよ?
BeepleのNFTアート「Everydays – The First 5000 Days」
先ほどもご紹介したBeeple氏の作品『Everydays – The First 5000 Days』は、NFTアートのなかでも最も高額で取引された作品として有名です。
Beeple氏はアメリカ出身のNFTアーティストで、政治や情勢をシニカルに表現したアートを得意としています。
そんな作品を毎日1枚ずつ描き続け、5000枚に到達したところで1つの作品としてNFT化を果たしました!
『Everydays – The First 5000 Days』は、日本円にして約75億円で落札されたようです✨
NFT化されたTwitter創業者の初ツイート
NFTとして販売される物は、ときには驚くようなものが商品になっていることもあります。
なかでも目を引くのは、一つのNFT化されたツイートです。
Twitter社のジャック・ドーシー氏のツイートが、約3億円で落札されました。
たった一つのツイートにこれだけの価格がつくのは、ブロックチェーン技術によってジャック・ドーシー氏本人が呟いたという事実が証明されているからです✨
NFTの機能性・汎用性が期待されている
NFTが高額で取引されているのは、価値だけではありません。
性質上持つ機能性や汎用性に期待されている部分もあります。
ここではNFTの機能についてご紹介します。
クリエイターに利益を還元できる「ロイヤリティ」機能
NFTにはロイヤリティ機能といって、どこに転売されてもクリエイターの元へ収入が入ってくるというシステムがあります。
転売される度に収入が入るため、転売そのものが歓迎されているんです✨
二次流通されやすい現状の界隈に見合ったシステムだといえるでしょう。
所有することでコミュニティへの参加権を取得できる「会員証」機能
特定のNFTを所有していることで、コミュニティに入ることができます。
NFTの唯一性を利用して会員証代わりにしているということですね。
NFTが欲しいわけではなく、コミュニティに入りたいからという理由でNFTを購入する人もいるようです?
NFT×ゲームによる新しい概念 「Play to earn(遊んで稼ぐ)」
ゲームを遊びながら稼ごう、という宣伝文句を聞いたことがありますか?
なんの冗談だと思われがちですが、ゲーム内アイテムを販売することで大金を手に入れた実例を見れば事実であることが分かりますよね。
この概念は「Play to earn」と呼ばれ、遊びながら稼ぐことができるという夢のようなシステムがNFTなら叶うんです。
NFT×メタバースのよる仮想世界の実現化
NFTが広まったことによって、メタバースへの注目度もより高まりました。
メタバース内でNFTアートやNFTファッションなどのアイテムを売買することによって、仮想世界でのリアリティも深みを増しています。
主要なNFTマーケットプレイス
ここでは、海外や国内で有名なNFTマーケットプレイスについてご紹介します。
海外マーケットサイト
まずは、海外のマーケットサイトから見ていきましょう!
OpenSea
OpenSeaは全世界でも有名なNFTマーケットプレイスの一つです。
さまざまな作品を売買できるだけでなく、作品をNFT化することもできます。
OpenSeaにおける取引金額は、NFT市場全体の盛り上がりを表す指標としても参考にされています。
Rarible
Raribleは独自の仮想通貨RARIを利用してNFT売買ができるマーケットプレイスです。
初期段階としてRARIを無料配布しており、たくさんのユーザーを集めていました。
現在では無料配布が終了していますが、ユーザー数が多いため今後盛り上がっていくことは間違いないでしょう✨
国内マーケットサイト
続いて、国内のマーケットサイトをご紹介します。
Coincheck NFT
Coincheck NFTは国内で人気のNFTマーケットプレイスです。
仮想通貨の取引もすることができるため、仮想通貨を扱うのが初めての方はCoincheck NFTを利用するのをおすすめします。
Adam by GMO
Adam by GMOは、仮想通貨以外の手段でNFT作品が購入できる珍しいNFTマーケットプレイスです。
クレジットカードだけでなく、銀行振り込みで支払うこともできるため、誰でもNFTを購入することができます。
NFTマーケットサイトの利用に必要なもの2点
ここでは、NFTマーケットサイトを利用するために必要なものについてご紹介します。
仮想通貨取引所の口座開設
まずは、仮想通貨取引所の口座開設が必要になります!
NFT取引で使用される通貨は暗号資産(仮想通貨)
NFT取引では、基本的に暗号資産(仮想通貨)が利用されます。
そのため、まずは仮想通貨を入手することから始めなければなりません!
仮想通貨を購入する前に、仮想通貨取引所の口座が必要になります。
日本円を暗号資産(仮想通貨)に換金する口座が必要
仮想通貨取引所の口座は、いつも使っている口座となにが違うのでしょうか?
日本円を仮想通貨に変換する役割を持つのが仮想通貨取引所の口座です。
従来の口座は仮想通貨に対応していないため、仮想通貨のための口座を開設する必要があります。
仮想通貨対応のデジタルウォレットの作成
次に、仮想通貨に対応しているデジタルウォレットを作成します。
取引所口座の暗号資産はNFTマーケットで直接使用できない
仮想通貨取引所の口座から直接NFTマーケットプレイスに支払いをすることはできません。
他にデジタルウォレットを作成する必要があります。
NFTマーケットの利用にデジタルウォレットのアカウント連携が必要
デジタルウォレットをインストールしてアカウントが作成できれば、仮想通貨取引所の口座と連携させましょう。
これによって、NFTマーケットプレイスで仮想通貨を使用して売買することができるようになります?
NFTの市場規模についてまとめ
今回Pacific Metaマガジンでは、NFT市場規模について以下の内容を中心にご紹介しました。
- 2020年~2021年のNFT取引額は前年から約213倍
- 大手企業や有名人の参入が続いている
- NFTは唯一性が証明されているため希少性も高い
- 約75億円で取引されたNFT作品もある
2021年までに大きな飛躍を遂げたNFT市場は、2022年も成長が続くとみられています✨