韓国の金融規制当局が、暗号資産市場におけるマーケットメーカーの導入に向けた検討を進めていることが明らかになりました。韓国の大手暗号資産取引所Upbitにおいて、日本円ステーブルコインであるJPYCの価格が一時ペッグの4倍に急騰した事態を受けた措置です。韓国ではこれまで相場操縦防止の規制によりマーケットメイク行為が実質的に制限されていましたが、極端な価格乖離が発生したことで従来の方針が再考されています。市場の流動性不足による価格の歪みを是正し、利用者保護と市場の安定性を両立させる観点から重要な動きとみられます。
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JPYCの急騰と流動性不足の課題

韓国の大手暗号資産取引所Upbitにおいて、日本円ステーブルコインであるJPYCが上場された際、本来のペッグ(基準価格)の4倍で取引される急騰劇が発生しました。JPYCは日本円の価値と1対1で連動するように設計された資産ですが、取引所内の初期流動性が限られていたことから、買い注文の集中によって価格が本来の価値から大きく乖離したとされています。
韓国の現行の規制環境では、相場操縦の防止規定によって暗号資産のマーケットメイク(市場で継続的に買い気配と売り気配を提示して流動性を供給する行為)が実質的に制限されています。この規定にはマーケットメイクに対する例外が明確に設けられておらず、流動性提供者が介入して価格乖離を速やかに是正する市場機能が働きにくい構造となっていたとされています。
マーケットメイク制限の見直しと制度的影響
急激な価格急騰の発生とそれに伴う市場の混乱を受け、韓国の規制当局は暗号資産取引におけるマーケットメーカーに対するアプローチの再検討に入りました。金融委員会(FSC)などの規制当局では、デジタル資産市場の効率性と安定性を高めるため、マーケットメイク制度の導入可否を精査しているとされています。
これまで不正取引や価格操作の防止を最優先としてきた規制体系において、健全な流動性提供をどのように認めるかという議論が進む可能性があります。流動性の不足が投資家の不測の損失につながることが顕在化したため、暗号資産の取引環境を整備する上での転換点になるとみられます。
ポイント
- 韓国の規制当局が、暗号資産市場におけるマーケットメーカーの導入に向けた規制方針の再検討を行っています。
- 韓国の大手取引所Upbitで日本円ステーブルコイン「JPYC」がペッグの4倍に急騰した事態が、見直しの直接的な契機となりました。
- 韓国では相場操縦防止ルールによりマーケットメイクが実質的に制限されており、取引所における流動性の不足が課題として浮き彫りになりました。
- 相場操縦の防止と市場の価格安定・流動性確保のバランスを図る制度改定として、今後の市場構造に与える影響の観点から注目されます。