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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

米上場マイナーIRENがアンソロピックと複数年クラウド契約へ。AI事業収益は前年比7倍超の1億2,880万ドルに増加

米上場の暗号資産マイニング企業IRENが、AI開発大手のアンソロピックと複数年のクラウド契約を締結したと報じられました。同社はビットコイン採掘からAIデータセンター事業へと事業の軸足を移しつつあり、これまでにエヌビディアやマイクロソフトとも巨額のインフラ提供契約を結んでいます。マイニング事業が収益の主力を占める一方で、AIクラウド事業の収益は前年比7倍超に急成長しており、暗号資産マイナーによる計算資源の多角化を示す事例として注目されます。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

アンソロピックとのクラウド契約報道と事業ポートフォリオの移行

米メディアのThe Informationが11日に関係筋の情報として報じた内容によると、暗号資産マイニングおよびデータセンター事業を手がけるIREN(旧Iris Energy)は、AI企業のアンソロピックと複数年のクラウド契約を締結したとされています。

IRENは2026年6月30日を末日とする通期決算において、主要なフロンティアAI研究所との複数年契約を公表していましたが、今回のアンソロピックとの契約がそれに該当するかどうかは現時点で不明です。また、今回の契約における金銭的な条件や正確な契約期間も公表されていません。

同社は現在、ビットコイン採掘事業からデータセンター事業への移行を進めています。最先端研究所やAI開発企業、ハイパースケーラー(最大手クラウド事業者)、一般企業など、多様な顧客基盤に向けてデータセンターインフラを提供する契約を展開しています。8月末の発表によると、同社独自の算出方式である年換算収益(GPU時間単価に年間8,760時間を掛けた数値)ベースで、2026年に稼働する設備において合計40億ドル(約6,300億円)の契約済み収益を見込んでおり、そのうち10億ドル分はすでに稼働中です。

マイクロソフトおよびエヌビディアとの大規模インフラ提携

IRENはアンソロピックへの提供に先立ち、大手テクノロジー企業との間でも大規模な契約を締結しています。

2026年5月には米半導体大手エヌビディアとの戦略的提携を発表しました。この提携はエヌビディアDSXアーキテクチャに準拠したAIインフラを最大5ギガワット(GW)規模で提供することを目指すもので、34億ドル(約5,400億円)規模のAIクラウド契約を含んでいます。これに伴い、IRENはエヌビディアに対し、1株あたり70ドルで最大3,000万株を購入できる5年間の権利を付与しました。

また、2025年11月にはマイクロソフトと5年間にわたる97億ドル(約1.5兆円)規模のクラウドサービス契約を締結しています。この契約に基づき、米テキサス州の施設においてNVIDIA GB300を採用した液冷システムによるAI計算環境を提供しており、2026年8月には第一弾となる「Horizon 1」の納入を完了しました。後続の「Horizon 2」から「Horizon 4」についても、2026年第4四半期(10〜12月)の引き渡しを目指して準備が進められています。

AI計算需要の拡大と事業収益の推移

IRENの共同創業者兼共同CEOであるダニエル・ロバーツ氏は、AIの利用が爆発的に増加した結果、コンピューティング能力に対する需要がインフラの供給能力を大幅に上回っているとの認識を示しており、同社はこの市場機会を捉える方針を明確にしています。

設備の供給状況については、2026年分の大部分がすでに契約で予約済みとなっており、2027年分の相当部分についても複数の新規顧客と最終段階の協議を行っています。さらに、2028年分についても顧客確保および資金調達に関する協議を並行して進めている状況です。

業績面では、2026年6月30日までの通期決算において、AIクラウド事業の収益が前年比7倍以上となる1億2,880万ドル(約200億円)へと急拡大しました。同期間のビットコインマイニング事業の収益は5億7,820万ドル(約900億円)であり、依然として事業全体の中心はマイニング事業にあるものの、AI向けインフラ事業の存在感が急速に高まっている状況がうかがえます。

ポイント

  • 米上場マイニング企業のIRENが、AI企業アンソロピックと複数年のAIクラウド契約を締結したと報じられました。
  • 同社はマイクロソフトと97億ドル規模、エヌビディアと34億ドル規模の契約をすでに締結しており、ビットコイン採掘からAIデータセンター事業への転換を進めている点で注目されます。
  • AI需要の急増を背景に、2026年6月通期のAIクラウド事業収益は前年比7倍超となる1億2,880万ドルに急成長しました。
  • 収益全体ではビットコインマイニング事業が5億7,820万ドルと大半を占めており、マイニング設備や電力インフラをAI計算資源へ多角化する動きが進んでいる可能性があります。

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