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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

イーサリアム共同創業者のブテリン氏がZK速度競争の終結を宣言。zkEVMの最優先課題をセキュリティと形式検証へ移す方針

イーサリアムの共同創業者であるヴィタリック・ブテリン氏は、ゼロ知識(ZK)証明の処理速度をめぐる開発競争が決着したとの見解を示しました。この発言は、レイヤー2プロジェクトであるZKsyncが、単一のGPU(画像処理装置)でリアルタイム証明を生成できる新プローバー「Airbender Prime」を発表したことを受けたものです。ブテリン氏は、今後はzkEVM(ゼロ知識イーサリアム仮想マシン)の最優先課題を処理速度からセキュリティや形式検証へと完全に移行すべきであると強調しています。

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監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

リアルタイム証明の実現と速度競争の終結

ZKsyncは、新しいプローバーであるAirbender Primeにおいて、イーサリアムのメインネットにおける連続7,200ブロックの99パーセントに対し、10秒未満で証明を生成したと発表しました。イーサリアムのブロック生成時間は12秒とされており、ZKsyncの評価データによると、対象サンプルのすべてのブロックが12秒以内に証明を完了したとされています。また、公開プローバーランキングであるETHproofsにおいて、Airbender Primeは平均証明時間などで首位を記録したとされています。

これを受け、ブテリン氏はSNSのXにて、速度競争には最終的な決着がついたと判断したことを表明しました。現在のイーサリアムでは、バリデーター(ブロック生成・検証を行う事業者)がブロックを検証するために全トランザクションを再実行していますが、ゼロ知識証明を活用することで短い計算証明の検証のみで済むようになり、ブロックごとの作業負担が大幅に軽減されるとされています。

安全性重視への転換と求められる3つの要件

速度競争が収束したことを踏まえ、ブテリン氏はzkEVMにおける今後の最優先事項をセキュリティに置くべきであると提言しました。同氏は、単なるテストにとどまらず数学的に正確性を立証する「形式検証」が必要とされる具体的な要件として、以下の3点を挙げています。

1つ目は、算術化処理とイーサリアムの仕様が完全に同等であることの検証です。2つ目は、ブロック全体のガス(取引手数料)上限に対して証明コストの比率に明確な上限を設けることです。そして3つ目は、証明システム自体の健全性と安全性を確立することです。これらを満たすことで、高速性だけでなく厳格な安全基準をクリアしたシステムへの移行が促されています。

エコシステムおよびETHへの影響

Airbender Primeによる高速化は、暗号資産ETHの価格に直接影響を与えるものではないと見られます。本技術はイーサリアム自体の直接的なアップデートではなく、ZKsyncが開発したツールであるためです。

一方で、ハードウェア要件が引き下げられたことで、より多くの機関や独立系事業者が証明作業に参加しやすくなるとされています。ブテリン氏が指摘するように、今後は形式検証と監査の進展によってどのzkEVMが信頼を獲得できるかが決まるとされており、エコシステム全体の分散性と信頼性を向上させる基盤になるという点で重要視されています。

ポイント

  • イーサリアム共同創業者のヴィタリック・ブテリン氏が、ZK証明の速度競争は決着したと宣言しました。
  • ZKsyncのAirbender Primeが単一GPUでリアルタイム証明を達成し、サンプルの99パーセントで10秒未満の証明を実現したとされています。
  • ブテリン氏は、zkEVMの開発における最優先課題を速度向上からセキュリティと形式検証へ移すべきであると主張しました。
  • 形式検証の要件として、仕様の等価性、証明コストの上限、証明システムの健全性の3点が提示されました。
  • ETH価格への直接的な影響は限定的と見られるものの、ハードウェア要件の緩和による分散化の推進と長期的なネットワーク検証の効率化という点で注目されます。

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