米政府が、国の資産として長期保有するためのビットコイン(BTC)について、国民に追加の税負担を求めずに取得する方法を検討していることが明らかになりました。米大統領デジタル資産諮問委員会の前エグゼクティブディレクターであるパトリック・ウィット氏が、10月12日に公開された対談動画のなかで検討状況を語りました。議会から市場購入の予算権限が得られていないなかでの代替手段の模索は、国家レベルにおける暗号資産の保有戦略を具体化させる試みとして注目されます。
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議会承認を回避する予算中立の調達手段
ウィット氏の説明によると、米政府は新たな予算を用いて公開市場でビットコインを直接買い入れる権限を議会から得ていません。そのため、納税者に追加負担を発生させない「予算中立」の枠組みによる調達方法を探っている状況です。
具体的な案として、関税や税金、政府サービスに対する支払いをビットコインで直接受け取る仕組みや、既存の政府収入をビットコインに転換する方法が検討されています。また、政府が保有している金の帳簿上の評価額を見直し、その評価差額をビットコインの取得資金に充当する「金の再評価」も選択肢の一つとして挙げられています。
未利用電力や小型モジュール炉を活用したマイニング案
公的収入の転換以外に、政府自らがマイニング(採掘)を行う案も議論されています。これは政府が管理している未利用の電力を活用する計画です。
具体例として、軍事基地への導入が議論されている小型モジュール炉(SMR:比較的小型で建設や運用が柔軟な原子炉)から得られる電力を、ビットコインのマイニングに充てる可能性が示されています。
戦略的ビットコイン準備金構想と現状の保有量
一連の検討の背景には、トランプ大統領が2025年3月6日に署名した大統領令があります。同大統領令では「戦略的ビットコイン準備金」の設立と、予算中立による追加取得戦略の策定が指示されていました。トランプ大統領自身も8月19日にホワイトハウスで大量取得計画について問われ、議論が進められていることを認めています。
ブロックチェーン分析企業アーカムが9月に公表した調査によると、米政府のビットコイン保有量は約32万5000BTCと推計されています。これらは主に犯罪捜査に伴う押収や没収によって取得されたものであり、今後は能動的な調達手法が確立されるかが焦点となります。
ポイント
- 米政府が納税者負担を伴わない「予算中立」によるビットコインの追加取得と長期保有を検討している点で注目されます。
- 議会による購入予算の権限がないため、税・関税のビットコイン受け取りや金の再評価による差額活用が代替案として模索されている点で注目されます。
- 軍事基地で議論されている小型モジュール炉(SMR)を含む未利用電力を活用し、政府自らがマイニングを行う構想が含まれている点で注目されます。
- 現在推計されている約32万5000BTCの保有資産は押収・没収由来が大半であり、国家による新たな取得手段の具体化という点で注目されます。