決済大手のVisaが、暗号資産の保管や送金基盤を手がける米Fireblocksの買収に向けて交渉を進めていると報じられました。米メディアのAxiosによると買収額は約25億ドル(約3900億円)とされ、交渉は終盤を迎えていると伝えられています。競合のMastercardによるステーブルコインインフラ企業の買収完了に続く動きとして注目される一方、Fireblocks側は報道を否定しており、交渉の先行きは不透明な状況です。
株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。
約25億ドル規模の買収報道と当事者の反応
米メディアのAxiosは複数の関係者の話として、VisaがFireblocksを約25億ドルで買収するための交渉を進めており、その協議が終盤にあると報じました。日本円にして約3900億円(1ドル=156円換算)に達する大型買収の可能性が浮上しています。
しかし、CoinDeskの取材に対してFireblocks側は、この買収交渉の噂について「現時点では事実ではない」と否定しています。また、Visa側はAxiosに対するコメントを控えており、両社の交渉が実際に合意へ至るかどうかは不透明な状態です。
ステーブルコイン基盤を巡る決済大手の戦略的動向
Fireblocksは、金融機関や企業がデジタル資産を安全に管理・移転するためのインフラ技術を提供する企業です。暗号資産のカストディ(保管管理)業務に加えて、法定通貨などに価値を連動させるステーブルコインの送金や決済を支える基盤も提供しています。日本国内においても、デジタルアセットマーケッツがインタートレードおよびFireblocksによるWeb3インフラ構築支援への協力を進めているほか、三井住友フィナンシャルグループなどが2025年4月2日にステーブルコインの事業化に向けた共同検討を発表するなど、金融機関との連携が進められています。
今回の報道に先立ち、決済大手のMastercardはステーブルコインインフラ企業のBVNKを最大18億ドルで買収完了させています。Visaの今回の買収交渉は、Mastercardの動きに追随してステーブルコインおよびデジタル資産決済の基盤技術を自社グループ内に取り込む動きと見られます。伝統的な決済ネットワーク企業がWeb3のインフラ領域における影響力を急速に高めようとしている点で、業界全体に大きな影響を与える可能性があります。
ポイント
- 米Axiosの報道によると、Visaが暗号資産の保管・送金基盤を手がけるFireblocksを約25億ドル(約3900億円)で買収交渉中とされています。
- Fireblocks側は報道内容を「現時点では事実ではない」と否定し、Visaはコメントを控えており買収の実現は不透明です。
- Mastercardによる最大18億ドルでのステーブルコイン基盤企業BVNKの買収に続く動きであり、大手決済企業によるデジタル資産インフラ獲得競争が本格化している点で注目されます。
- Fireblocksは国内外の金融機関で採用されており、日本でも三井住友フィナンシャルグループなどのステーブルコイン共同検討に参画するなど、伝統金融とWeb3をつなぐ重要基盤となっている点でビジネス上の影響が大きいと見られます。
総研プライム
ブロックチェーンを、
徹底的に読み解く。
技術の仕組み、企業の戦略、市場の構造まで。独自の調査・分析で掘り下げる専門レポート。
初月無料で読む